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 Winter of Warsow 1992. 2016 29 Sept.

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冬のワルシャワ

古いアルバムをめくっていたら、カラフルな色彩の建物が写った写真が出てきた。
寒い2月に出張で行ったポーランドのワルシャワの写真だ。
あの頃は、ポーランドが民主化されて数年後だったので、表向きは開かれた社会という感じだが、まだまだ以前の東欧の暗さも残る時期だった。空港でもホテルでもそんな感じがした。
成田からパリ経由でワルシャワの空港に着いたのは夜だったので、東京やパリの明るさと比較してしまうからかもしれない。
東欧は初めて行った地、週末に現地入りし次の月曜から仕事だったので、休日を過ごさなければならなかったが、どこへ行く当てもなかったので、市内を歩き回った。冬真っ只中のワルシャワは寒かった。

ワルシャワ王宮・ワルシャワ歴史地区へ行った見た。
ワルシャワ歴史地区は、戦争で破壊された街並みを、戦後ワルシャワ市民が協力し合って、旧市街の街並を昔の姿そのままに再建したものだそうだ。

再建作業には建築家や修復の専門家だけでなく、ワルシャワの多くの 一般市民が参加し、戦前や戦時中も市街の隅々に至るまで入念なスケッチを残していたそうで、そのスケッチや歴史的絵画などを手がかりに、戦後何年もの時間をかけて驚くほど丹念に進められたそうだ。
跡形も無く瓦礫の山となってしまった一つ一つの建物を「レンガの割れ目一つに至るまで」を合言葉に、忠実に再現すること。この努力が見事に成功を収め、戦前と寸分たがわぬワルシャワの旧市街が蘇ったようだ。
この再現されたワルシャワ旧市街は、まるで中世の街並のようだが、実際は戦後の歴史しかないのだ。

カラフルで積み木のような建物風景は、現代の街並みからタイムスリップして中世へ行ったような感じだった。冬だったので、人影もなく静かな街並みだった。

ポーランド・ワルシャワと言えばピアノの詩人ショパン。市内のワジェンキ公園には、ショパンの像があり、春や秋にはそこでコンサートなど開かれるようだが、やはり冬、人影は少なかった。
でも、こんな寒空の公園のベンチには幾組もの年配の夫婦と思われる人たちが、座って楽し気な会話を交わしていたのが印象的だった。

春のワルシャワは、もう一度行ってみたい所でもある。

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