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山里の春

 Coming of spring.2016 18 April.

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山里の村に春が来た。
冬は雪深い北信濃の山懐。この辺りは、戸隠から鬼無里に向かう山間の谷に沿って川と道路が通り、その脇に民家がポツポツと建つが、十分な土地がなく幹線道路から枝道を少し山の中に入った所に村落が点在する。
ここは、北アルプスが真正面に見えるアルプス展望台、大望峠。この展望台に立って眺めると、真正面の奥に北アルプスの北部、白馬三山の白馬鑓ヶ岳から南部の槍ヶ岳・穂高、乗鞍岳辺りまで眺めることができる。
この季節、新緑の山並みが幾重にも連なる。その新緑が萌える山並みがいかに低い山々かと思わせるように、その山並みの奥に、まだまだ真っ白な雪を頂いた北アルプスの連山が横たわる。

この展望台から眺めると、谷間から少し高いところに数軒ずつの集落がいくつか見える。
一番近くに見えた集落は、五六軒の家屋が見えた。背後には戸隠西岳連峰の荒々しい岩肌の山をいただき、家屋の周囲は少しばかりの畑があり、そこでは季節季節の野菜や果物を作りながら暮らしているのだろう。
集落の周りは、杉林と広葉樹林が取り囲む。この辺りだと冬は雪が1〜2mくらいは積もるだろうが、その雪が漸く無くなり芽吹き始め、花が咲き始め、明るい春の日差しを浴びると、そこで暮らす人たちは、山懐の陽だまりのような小さな集落での生活の幸せを感じるのではないだろうか。

春が来た山里の村は、見た目にも暖かそうで、ゆったりした時間が流れているようだ。

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