先月行った時は、新緑が綺麗な飯綱の森だったが、今は更に緑が濃くなってきて、それに雨に洗われ一層濃い緑が綺麗になってきた。

長野で所用があり、時間ができたので飯綱へ出かけた。この週末は、天気予報によれば、大荒れで雷雨、突風、にわか雨など全ての荒天を予報していた。天気も全くそのとおりで、いつにわか雨や雷雨があってもいいような天気で、雲の動きも黒い雲が忙しなく動いていた。

関越道を北上していくと、埼玉県北部から群馬県に差し掛かる頃、ポツポツし始めたが、たいした降りにはならずに碓氷の峠を越えて信州へ入った。すると天気は、意外と良かった。

上田からの太郎山、五里が峰トンネルと長〜いトンネルを貫け最後の短いトンネルを貫けると、真正面に飯縄山が見えてくるが、この日はガスに覆われていて裾野と手前の山しか見えなかった。長野市内に着く頃には、強い陽射しが雲間から射し始めた。この時期は、陽射しが本当に強く、直接肌に当たると熱い感じさえする。

緑濃くなってきた森

用事で家屋の中に居たので、外の様子が分からなかったが、雨がそれも強雨が降り始めていた。3時過ぎには用事が済んだので、買出しに行き山へ登って行く。
いつもの善光寺さんの裏手の七曲を行くが、雨がすごい。ワイパーも忙しい。

大座法師池を過ぎる頃になって、一層強い降り方になった。それでも、バードラインを右折して小屋へ続く道に入ると、周囲の樹木が生い茂り、少しは雨脚が弱くなった。

小屋へ着いたが、荷物を運び込むのが、大変だ。まず、鍵を開けて、私が小屋へ入り、雨具を着て身支度を整え、奥方を迎えに行き小屋へ、その後は何度か車と小屋の間を往復して荷物を運び込んだ。

そこで、早朝お散歩に切り替えた。時折霧が出てきたり、雲が切れて青空も覗く天気で見上げる飯縄も上まで見えたりする。

そんな時は、行けば良かった・・・などと未練がましく思ったり・・・でも、雨に降られて、びしょ濡れになって、辺りは何も見えず、みすぼらしい自分の姿を想像してみたり・・・
でも、森の中を歩き回るうちに、未練がましい飯縄山のことは忘れ、早朝の雨上がりのお散歩に夢中になっていった。奥方に言わせると、雨上がりは、マイナスイオンがいっぱいで、空気が美味しいのだそうだ。そんなことを言うわりには、寝ているのだから・・・

翌日は、飯縄山へ登ろうと考えていて、早朝に目覚めた。昨夜は夜半まで強い雨が降り続けていたので、明朝はどんなものかと、・・・・はたして、目が覚めると雨音は聞こえない。カーテンを開けて外を見ると雨は止んでいた。外へ出て様子を見るが、山はガスに捲かれて怪しい雰囲気だ。少しぶらぶらしてみるが、霧雨のような感じもする。行けば行けるだろうが、ガスで展望がきかないだろうし、天気予報も雨時々曇りなどといっていたので、飯綱登山は中止にした。登り1時間半、下り1時間くらいで行って来れるだろうが、・・・・

色濃くなってきた緑色が、雨に洗われて一層鮮やかな濃い緑色になってきて、森が薄暗くなってきた。そんな森に霧が絡みつくように這ってくる。

雨あがりの道路は、緑のトンネルだ。鬱蒼とし始めた森の中、曇っているせいもあるが、薄暗い感じがするが、その先には鮮やかな出口が見える。ずいぶん色濃くなってきた緑色だけれど、光りの加減で、凄く明るく見えて、陽射しでも当たっているのではないかと勘違いしそうだ。

鮮やかな緑色の森だが、よく見るとその中にポツポツとオレンジ色の点が見える。緑一色だから、その中に異色があれば当然目立つ。少し時期は遅いのか、でもまだしっかりした花をつけたツツジだ。

また、歩いていくとハッと目を引くものがある。緑一色の中に白い花を咲かせているかと、思うようなものだ。双眼鏡などで見ると、なぁ〜るほど、あるいは、なぁ〜んだ!と思う。

その正体は、新しい葉っぱ。何だかウラジロを思わせるような白さだ。この葉っぱは名前は知らないが、もう少しすれば周囲の色と同化して緑色になっていくのだろうか。それとも、今見せている白っぽい色は、ひょっとしたら、葉っぱの裏側なんだろうか。

ウラジロカシ(裏白樫)やウラジロカンバ(裏白樺)などと同じ類なのだろうか、そこまではよく見てない。異なるものを見て驚いて、それで終わっては、自然観察者として反省ものだ。

黒い雑木林の向こうには、カラマツやアカマツがやはり芽吹いていた。この雑木林では、先月来たときウグイスが盛んに歌っていた。2羽か3羽が競うように、呼応するように歌っていた。
今回は、1羽が懸命に歌っていた。そろそろ山の高いほうへ上がっていったのだろうか。この一帯では、先月に比べれば静かになった。
今頃、飯縄へ登れば登山道の脇の笹薮からウグイスの歌声が聞かれる。

歩いてきた道を振り返れば、そこには飯縄山の裾野をずっと延ばした森があった。アカマツとスギが立ち並ぶ林をガスが上がったところだ。

今まで木々を包んでいたガスが飯縄の山肌を這う様に、静かに上がっていった。
スギなどの針葉樹の葉っぱは、新緑といっても透き通るような新緑ではなく、青味が勝った緑といった感じで、他の樹木に比べると新鮮味はない。

また、歩いていくと緑がすごく鮮やかで、雨上がりで陽射しもないのに、そこが陽射しでも当たっている様な錯覚に陥りそうな鮮やかな緑がある。

森が全体に濃い緑になってきている中で、まだ鮮やかな新緑が残っている辺りだろう。

雨上がりの森は、空気が美味い。高地のせいか湿度はあってもそれを感じさせないからなのか、吸い込む空気も適度に湿り気があるから気持ちよく感じるのかもしれない。
一雨ごとに緑色を増しながら、さらに葉っぱを生い茂らせていく森。この森に棲む動物や草花は、この森の自然に育まれているのだ。

我々人間も、やはりこの森に、自然の懐に抱かれて生きているのだ。早朝のしんとした森を一人で歩いていくと、自然の大きさ、偉大さを改めて感じる。

こうした森の一角に、人間を一人置いてみると、こうした感覚がよく分かる。たまには、こうしたことが必要なのだ。

森を歩けば、地面にも新しい世代が花を咲かせ始めている。みどり一色の中に、赤や白といった色がポツポツ見える。
小屋の敷地内には、ベニバナイチヤクソウが群生している。

その空間から少しづつ目を移していくと、笠山、飯縄のピークが目に映る。低い笠山は、すっかり濃い緑色の山容になり2ヶ月前は、茶褐色のこんもりした山だったのがうそのようだ。春から初夏にかけての自然の成長は著しいものがある。

一方の2000mに届こうとする飯縄は、裾野は緑に覆われているが、下から見える南峰付近は、まだ少し茶褐色っぽい。もっとも、あの辺りはクマザサが多い尽くしていて樹木はほとんどないので、そんな風に見えるのかもしれない。

今年は、何とかコンスタントに小屋通いができそうになってきた。

梅雨を前に小屋の手入れもしなければ、といっても野山をほっつき歩いていて、何も出来ない。少しの時間を使い、ベランダに水溶性の屋外用、防腐・防虫用の塗料を塗った。少しずつだけれど、こうして塗っておけば違う。

ここは、11月から4月くらいまでは雪で、それが融けてベランダがびしょ濡れになり、これからは梅雨、と結構濡れている間が多いのだ。

これから暑くなるが、ここはいい。今回も帰る頃になって天候が回復してきて陽射しが暑かったけれど、乾燥していて木陰はヒンヤリだった。これからは緑が一層濃さをましてきて、暑い陽射しを遮ってくれる。

ようやく、天気が回復した帰る日は、雲が多いながらも青空が広がり、初夏の装いだ。

空には、入道雲まではいかないが、モクモクとわき上がるような夏の雲と青空が、森と山に囲まれた小さな空間に描き出されていた。

しばらくバーベキューやダッチオーブンで使ってみたカマドだが、少し改良?をしてみた。低いほうに風穴というか、風の通り道を開けてみたのだ。

これまで使ってみて、どうも火の勢いが今一だった。焚きつけ始めにウチワで煽って火勢がつくのだが、長続きしない。断続的に空気を供給できるようにと思い、こうすることで風通しがよくなるはずだ。まだ、試し焚きはしてないが、次回してみよう。

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  marutagoya  2007 Jun. 16 tama
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