飯縄山を眺めるには、長野市街地の東側を流れる千曲川の対岸からの眺めがいい。北アルプスに源を発する梓川が犀川となり長野市で奥秩父の甲斐、武蔵、信濃の国境に聳える甲武信ヶ岳に源を発し、佐久平、塩田平を流れてきて善光寺平で千曲川と合流する。この辺りからがいい。

この辺りからの眺めは、左手から北アルプスの鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳そして白馬三山。次いで北信五岳の戸隠・西岳、戸隠・表山、戸隠・高妻山、飯縄山、黒姫山、妙高山、斑尾山さらに右手には志賀高原の山々が望める大パノラマだ。

ここから見る飯縄山は、これらの山の中でも、で〜んとでっかく屋根型の山体の裾野を広げて、威風堂々といった形で居座っている。山では、まだまだ雪に覆われ真冬だが、眺める里では、もう春の気配がする。雪が消えた畑では、雪の下で寒さを耐え抜いた野菜が青々して元気そうだ。地肌を出している土も、これから蒔かれるだろう種子を待つのだろう。暖かい日が続けば土の中の虫たちも顔を出す。啓蟄ももうすぐだ。

やがて、雪解けがやってきて、山へ登るのにはいい季節がやって来る。春は、カラマツの新芽が芽吹く頃、登山道を歩けばアカゲラやコゲラなどが木を突っつくドラミングで迎えてくれる。シジュウカラもいい登山仲間だ。森林限界を抜ければ、広々した視界が広がり、クマザサの中からウグイスがさえずる。そして頂上。360度の大パノラマは、日本中が見えるようだ。
飯縄山へ登って、この山ほど明るく、頂からの展望の美しい山はないと思うほどだ!

夏の飯縄もいい。暑い季節だが、登り始めはカラマツ林が暑い陽ざしをさえぎってくれる。森林限界を越えればそこは標高2000m弱、もう涼しい空気が待っている。
秋、空気が澄み渡り本当に360度の大パノラマは、この季節がいいだろう。紅葉を見ながらゆっくり登ればいい。2、3時間あればいいのだ。

こうしてみると、飯縄山は、遠くから眺めても、そのなだらかな曲線で描かれる姿は、やさしい母のような山だし、登れば、それはそこに行った人たちが味わえる、高山のきびしさはなく、低山のもの足りなさもない手ごろな山という感想をもたれる山だと思う。

相変わらず晴れたり曇ったり、のち雪といった天気が繰り返されているようだ。でも、そろそろ春の気配がしてきた11日、2月になっての最高気温7.8℃となった。
天気は快晴、でも平均気温は1℃、例によって午後になってガスってきた飯縄山。

2月3日節分、翌日は立春とはいっても、山はまだまだ冬真っ盛りだ。
降雪量も多くかなり多く真っ白だ。

この日のような真っ白になった飯縄山を見たことはない。普段は、白いことは白いけれど、樹木の生えている所はどうしても黒々して見えるが・・・これはどうしたことだろう。たぶん気温の変化があり樹氷とかで樹木の枝に雪や氷がへばりついたからなんだろう・・・それともよっぽど多くの降雪があったからなのだろうか?

朝から晴れ上がった日は、東の志賀高原の山々の彼方から上がってきた朝陽に照らされたモルゲンロートで朝焼けの飯縄山が見られる。

この季節は、結構気まぐれな天気が多い。
前にも書いたが、曇り、雪という天気予報が毎日のように出されるが、意外と日中は晴れる日が多い。

そして、午後になるとガスに包まれて、ガスが上がってくると真っ白くなった飯縄山がそこに現れる。

2006年1月1日、新しい年を迎えた飯縄山。

この日は、最低気温−7.6℃、最高気温0.7℃、平均気温−3.9℃と薄曇の底冷えのする日だったようだ。

今冬の寒波を考えれば当たり前のような天気だが、やっぱり寒そうだ。

12月になれば気圧配置は西高東低の冬型気圧配置が続き、毎日雪降りの天気が続く。でも、長野は結構晴れ間が広がるところだ。天気予報は、ほとんど毎日雪マークと曇りマークが出ているが、夜に雪が降り、日中は晴れて、午後になるとまた時雨れてくる。
こんなパターンなのだ。晴れ上がればおなじみのどっしりした姿できれいな姿を見せてくれる。

飯縄では、例年11月に一度くらい比較的多い降雪があるが、それは根雪にはならず、12月に入って半ば過ぎから本格的な雪が降り始め、これが根雪となる。しかし、今冬はこの頃から寒波が押し寄せ始め、雪も本格的に大量の降雪をみた。

11月後半くらいからは、市街から飯縄を見ると時雨れている日が多く、ガスが上がっていくと雪化粧した飯縄山が現れる。12月になると、どんよりした冬空の寒い日になってくる。雪は、市街地まで下りてきて冬本番だ。

この頃になると雪は飯縄山を全体に覆うくらいに薄っすらと降り、飯綱高原でも数センチの降雪を見る。でも、このくらいの雪は、陽が当たればすぐに消えて、遠目からは雪は見えなくなる。

市街地でも紅葉が下りてきて飯縄山の南峰、北峰が薄っすら雪化粧した。この頃が初雪なんだろうか。

11月に入り長野市街近郊でも紅葉が見られるようになってきて、山では時雨れる日が多くなる。

10月半ば、この頃はまだ紅葉が始まったばかりのような風景だ。

紅葉の時期も終わりかけの2005年10月。遠目には茶色く枯れていくようにも見え、青い空の下では藍色に見えたりする晩秋の飯縄山。やがて秋晴れの空から飯縄山を覆うガスが現れ時雨模様となる。時雨方も少しずつ変わっていく。どんよりした雲が現れて時雨始めると、ガスが上がると茶色い木々に白い砂糖でも降りかけた様に雪の飯縄が現れる。こうして徐々に厳しい冬へ向かうのだ。秋から冬の装いをする飯縄山の姿。いろいろな表情を見せてくれる。

日々変わる飯縄山の姿2005−2006。

飯  縄  山…日々変わる飯縄山の姿2005秋−2006冬 
今冬は、11月を最後に飯綱の山小屋へ出かける事ができないでいる。そのために「飯綱の森から」も
更新できない状態だ。
そんな時、長野の叔母が自宅から見える飯縄山の写真を、秋頃から機会あるごとに写しているというので、
その写真を入手した。
いつも、飯綱の森の様子をお届けしていたが、今回は飯縄山のことについて、またその冬山の表情を写真で見ていただこうと思う。
雪に真っ白く覆われるという景色はほとんど無く、常に冬枯れした木々の茶色と雪の白、時には朝焼けに赤く染まった飯縄、やはり冬らしくどんよりした雲の下、冬色にたたずむ飯縄などいろいろな表情を見せてくれる。
飯縄山は、長野市の北端に位置している長野市の最高峰で、長野市・信濃町・飯綱町にまたがる連山だ。
飯縄山、霊仙寺山、瑪瑙山、怪無山などからなるが、連山全体を飯綱山と呼ぶこともある。

頂上の山容は、南峰と北峰の二つ峰のある双耳峰で、飯縄山の頂上は北峰 標高1917.4mだ。長野市街から見ると三つのピークのうち真ん中のピークが飯縄山の頂上だ。

 飯縄山:1917.4m(イイズナヤマ)
   霊仙寺山:1875m(レイセンジヤマ)
   瑪瑙山:1750m(メノウヤマ)
   怪無山:1546m(ケナシヤマ)

 戸隠山:1911m(トガクシヤマ)
 高妻山:2352m(タカツマヤマ)

 黒姫山:2053m(クロヒメヤマ)
飯縄山を長野市街から見ると、屋根型の形の整った山体に見えて、単調な火山活動で出来たと思われたが、結構複雑な形成活動を経て出来ているようだ。
飯縄山の形成について
  
(竹内順治氏の資料を参考引用させていただいている部分があります

飯縄山は、長野県の北部にある代表的な山々、戸隠、妙高、黒姫、斑尾と共に北信五岳と呼ばれるている。これらの山は、戸隠山を除けばすべて陸上の火山活動によって出来た山で、その火山としての特徴が良く見られる山だ。現在、妙高山は活発な火山活動を続けている。
飯縄山は、ゴツゴツした山容の戸隠山とは対照的な、なだらかなコニーデ型の山容で、これが出来るまでには何回もの火山活動のくり返しによって形造られた二重式の成層火山だと考えられている。
飯縄山形成には、大きく分けて7期の火山活動期があり海底から隆起した台地で火山活動が始まり、最初の古期外輪山が形成され、その後も火砕流や泥流の噴出が続いたようだ。
飯縄山のでき方については、@基盤の古期火山活動期 A古期外輪山形成期 B新期外輪山形成期 Cカルデラ形成期 D中央火口丘形成期‐1 E中央火口丘形成期‐2 F崩壊期を経ておおよそ今の形になったと考えられているらしい。

@新期外輪山形成期
この時期は、現外輪山溶岩噴出期ともいわれ、活発な噴火が繰り返され、広い裾野を持つ山体が出来、おおよその原型飯縄山ができたと考えられている。

  この頃には、小屋のすぐ上にあり、飯縄のなだらかな左側スロープにある笠山が
  噴火により出来たらしく、けっこう古い山なのだ。
Aカルデラ形成期
次のカルデラ形成期は、噴火活動が終わりに近づいたころ、山体の一部が吹き飛ばされるような大きな噴火が起こり、北西側すなわち戸隠側へ開いたU字型のカルデラが出来たようだ。
これによって飯縄山の戸隠側が吹き飛び、霊仙寺山など東側が残り、長野市街から見て、今のような南北に伸びる屋根型の山になったらしい。

B中央火口丘形成期-1
中央火口丘形成期-Tに入ると、吹き飛ばされたカルデラ内で火山活動が始まり、中央火口丘として現在、戸隠側にある怪無山、瑪瑙山が出来たと考えれれている。

C中央火口丘形成期-2
中央火口丘形成期-Uには、怪無山、瑪瑙山付近で火山活動が頻繁に繰り返されて、中ノ峰、天狗岳、高デッキ山などができたとされている。

D崩壊期
そして崩壊期がやってきて、カルデラ内の瑪瑙山の瑪瑙沢上流ガス爆発が起こり、その泥流が今の戸隠・宝光社へ宝光社泥流として流れ出し今の宝光社辺りが出来たらしい。

飯綱高原・戸隠高原とその周辺の鳥瞰的想像絵図

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  marutagoya  2006 Feb. 27 tama
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