ヤマシャクヤク(山芍薬)がもう終わりかけの花をつけていた。シャクヤクに似ていて山地に自生することからこの名前がついた。

盛りの頃ならきれいに見えたんだろうが、もうきれいに咲く時期は過ぎた感じ、ちょっと残念!

ねこにマタタビ・・・のマタタビがあった。花はこれからのようだ。5弁の白い花を咲かせる。ちょうど枝先の葉っぱが白くなり始めるこのころに花も咲く。

今頃、山の木々の緑の中に白い花が咲いたように見えるところがあるのは、このマタタビだ。まだ、葉っぱが白くなり始めなのでそんなに目立つほどではないが、もう少しすれば4割近くの葉っぱが白くなる。

猫の大好物として知られているが、その昔、子どものころ猫を飼っていて、祖母からその話を聞き、マタタビの木を採ってきて猫に与えたら、マタタビの木にまとわりついて寝っころがったりしてなんともいえない、デレ〜っとした顔になっていたことを思い出した。人間が麻薬をやって気持ちよくなった時のような気分なのかもしれない。

庭先の窓越しのよく見える場所に形が整った小さな木が見えている。 写真では、まだ50cmくらいだが、山地に生える落葉高木で、
高さ10m程度までも伸びるようだ。葉は長い葉柄がある掌状複葉で小葉は 5 枚つける。

この木から樹脂液をとり、漉して塗料に使ったことから漉し油(コシアブラ)と命名されたらしい。もう少しすると開花し、果実は黒く熟すらしい。

小屋の周辺を歩くと、この木がたくさん生えていた。

前に来たとき、そばを食べに行き一緒に山菜のてんぷらを注文した。コゴミ、タラノ芽、キノコとタラノ芽に似ているものが出てきた。それがこのコシアブラだった。
コシアブラの若葉(芽)は、タラノ芽と同じように、てんぷらにして食べるようだ。田舎者の私も、これは知らなかった。

知っていればてんぷらにしたのに・・・。
でも、本当に若芽が出始める時を狙わないと柔らかなところは食べられそうにない。
*両花の解説があったので 【「植物のことば語源辞典」 】より
クマガイソウとアツモリソウ この2つの名は平家物語の敦盛の最期の話に ちなんでいる。
神戸の一の谷の合戦で敗れた平家を追って 熊谷直実は、自分の息子と同じ年ごろの
敦盛の首を泣く泣く討ち取らざるを得ず、 その後、その霊を弔うために出家した。
また当時の武者は、後ろからの矢を防ぐために 誰もが母衣(ほろ)を背負っていた。

母衣 → 大きな風船のようにふくらませた布

ランの仲間で、3 〜 5 センチの紅色の袋状の花をつけるアツモリソウ。絶滅危惧IB類(EN)

唇弁が袋状に大きくふくらんでいる形が、ランの仲間でも独特の形らしい。

この袋状の唇弁を平敦盛が背負ったほろ(母衣)に見立てたところからこの名前がついたとか。
なぜ平敦盛が出てくるかというと、熊谷直実が背負ったほろにたとえたクマガイソウとのがあり、それの対比でつけた名前のようだ。


いつも思うことだが、日本名の名付け方が変なことからきていることだ。

先日行ったときに萌えはじめた森の木々は、さらに緑濃くなってきた。
それと同時に鮮やかさも増し、辺りが明るく感じる。この鮮やかさは、夕方になって少しずつ薄暗くなってきても、雨模様でも陽が当たっているような明るさで不思議な感じがする。
小屋の森の中にいると何となく薄暗さを感じるが、そこから見える周囲の森は、その明るく鮮やかな緑の森が広がっている。
この鮮やかさも、もう少しすれば、強い陽射しや雨に鍛えられて、今度は本当に濃い緑色の森に変わっていくだろう。そして、こんどは夏の強い陽射しさえ、さえぎるほどの鬱蒼とした森になるだろう。
    
日増しに緑濃くなる、初夏の小屋

前回行ったときにほぼ完成した焚き火用かまどに火入れをした。

もっと、いろいろやろうとしたが、7月始めに海外から遠来の客が来ることになって、彼らに簡単に肉を食べさせるには・・・と考えたらバーベキューを出来るようにしておいてやればいい、となった。
そこで、このかまどの試運転、火を焚いてみることにした。
燃やすものは、この森を歩けばいくらでも手に入る。まず、枯葉を拾い集める。次は冬の間に落ちた枯れ枝を、枯れ枝は細いものから結構太いものまで、雪によって落とされていて焚き火にはもってこいだ。ストーブ用の薪を燃やすこともない。

枯葉、その上に細い枯れ枝をのせ、30〜40cmに切った枯れ枝を細いものから徐々に積み重ねて、火を点ければすぐに燃え上がる。
ただ、枯葉に直に火を点けようとしてもむずかしい。1枚の枯葉は燃えるが次の葉には燃え移っていかないからだ。最初は、新聞紙などちょっと紙があると、すぐに燃え上がる。
この日は、火を点けて燃え始めたら雨が降り始めてきたけれど火力のほうが強くよく燃えた。結構雨足も強くなってきたが、火の勢いはまったく衰えてこない、くべた枝はきれいに燃え尽き、いい熾き火になった。
バーベキューには、やはり熾き火だ。さっそくバーベキュー用鉄板の慣らしをしなければならない。水と洗剤で洗った鉄板の水をよく切って、熾き火の上に架ける。よく熱せられたらオリーブオイルを全面によく引き伸ばし、鉄板に馴染ませる?
そこに、くず野菜を入れて炒める。それを数回やって、鉄板を落ち着かせた。これで、バーベキューも大丈夫!

ついでにダッチオーブンのシーズニングもやろうとしたが、雨足が強くなってきたので今回はやめておいた。ダッチオーブンを吊るすトライポットも、その辺に転がっていた木を3本組み合わせて、かまどの上に立て、吊るすチェーンを下げてみた。
次回はダッチオーブンのシーズニングだ!。

新緑のころ一斉に咲いた花たちも、一頻り。いまは、夏に、秋へ向けて実をつけ始めた。小屋の森を歩き回ってみると、濃い緑の中にいろいろな変化を見ることができる。
こんな小さな森の中でも、いろいろな生命活動が活発に行われている。

1ヶ月前に見たときは、白い花を咲かせていたサンカヨウが今は青い実をつけていた。

まだ実に成りかけで緑とも青ともいえない若い色をしている。表面も粉をふいたような、口にすると、いかにも渋そうな色だ。

この実も、今は雨に打たれ徐々に粒の大きさを整えて、夏の強い陽射しの中で、今度は徐々に成熟していくのだろう。
やがて、実が熟すと子孫を残すための種子を地面へ向かってはじき飛ばすだろうし、熟れた実を狙って鳥たちがやって来るだろう。
その実は、鳥たちによって旅立ち、やがて遠い地でまた新しい芽を出すのだろう。

小屋を建てるときに整地して、地肌が出ている場所にも、気がつけばたくさんの小さな若芽が生え出ていた。
まだ、一見したところ、何の木かは分からないが、よく見れば周りに生えている大きな木の葉っぱと同じだ、ということはそれらの子どもたちなんだろう。
この子たちがどのくらいまで伸びるのかは分からないが、我々人間が侵入して整地してしまったところ。
そこは、お互いに・・・できるだけそのままにしてはおきたいと思うが・・・

森の中を歩き回ると、下草の藪のなかに葉っぱの間から2本の花穂をつけたフタリシズカがたくさん咲いていた。

この花、茎先に通常2本(実は2本のものが多いだけで1〜5本くらい)の穂状花序を出し、小さな白い花をつける。花弁はなく、3 個の雄しべが丸く子房を取り巻いている。
 
花穂が 2 本(複数)ということでフタリシズカというだけで,それ以外の点では、ヒトリシズカとあまり似ているところはない。

今、クリンソウが盛んに咲いている。

大きな根性葉から 30 センチくらいの花茎を出し、濃い赤紫の花を車輪状につけ、それが数段になるので、その様子を五重塔などの先端部分についている飾り「九輪」にたとえて名前が付けられたとか。

湿地を好む花らしく、梅雨の今が活き生きとしているだろう。サンカヨウやフキなど雑多な緑のなかで赤紫の花は、けっこう目立っている。目立ちたがりやさんなのかな?

少しこの小屋の周辺を歩いてみた。これもこの季節限定で何か見えるものがないかと、ちょっと興味津々。
でも世の中そうそう珍しいものがあるわけでもないだろうが・・・。

この6月は、梅雨に入っても雨が降らず、こりゃあ今年も空梅雨じゃ、と出かけた飯綱で雨が降り始め、それから実質的な梅雨になったようだ。降り始めたら降りっぷりがいい、滞在初日の夜から降り始めてその夜は、よくいうバケツをひっくり返したようなというたとえのような雨。それもこの地からちょっとはずれるとほとんど雨は止んでいる状態。梅雨前線が微妙な位置に居座った感じの雨だった。

大雨とはいえ、日中はけっこう小康状態を保ってくれたのでいろいろなことが出来た。それに今の時期、前述したように若葉によって森が異様に明るい、雨が降って空は曇天のはずが森の木々は陽射しを受けているような明るさなのだ。
こうしてみれば、こんな季節にしか遭遇しないだろう出来事にいろいろ出会える。

ブルーベリーは、高原や涼しいところが適していて本州以北および四国九州の準高冷地の気候でよく育つらしいが、実は平地でもどこでも育つ果実なのだ。ということを今回調べて知った。

今、日本で栽培されているブルーベリーは、アメリカのハイブッシュ・ブルーベリーというのをを品種改良したものらしい。日本では、同じツツジ科スノキ属のクロマメノキというのがブルーベリーの仲間だ。浅間山周辺に多いのでアサマブドウとも呼ばれているらしい。
ブルベリーの果実は緑、赤、青と色を変化させていき、果実は、子房と花たくの発育した小球状の液果(ベリー)で、成熟すると紫黒色(青藍色)になり、果実面に白い粉が噴いたようになる。

この辺りでは、ブルーベリーを栽培している農家があって、昨年は、我が家でもその農家からブルーベリーを譲ってもらいブルーベリージャムを作った。今年は春の天候不良が祟ったのか、まだ青々(緑々)して硬い実をつけていたが、もう少しで果実の色も変わってき
て熟していくのだろう。今年もまた実を譲ってもらい、おいしいジャムに出来ればいいが・・・夏の収穫が楽しみだ。

HOME

【コシアブラ(漉し油)】

【サンカヨウ】青緑色の実をつけ始めた。秋には青黒くなっているだろう

【アツモリソウ】

【半化粧、マタタビの葉っぱ】

ブルーベリー】ブルーベリーならぬグリーンベリー

【ヤマシャクヤク(山芍薬)】

Back to Nature Info
HOME

2005 Jul 3 tama

marutagoya
inserted by FC2 system