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marutagoya  2023 September 23  tama

9月、高原の森は短かった夏の名残りと秋の始まりが混じり合っている。
まだまだ青々と茂る樹木だが、林床の低木は色とりどりの実を付け、その実を地面に落とし子孫を残そうとしたり、美味しそうに見せて野鳥などに食べさせ、その種子でやはり子孫を残そうと画策している。

山には四季ごとの顔がある。春は”山笑う”、夏は”山滴る”、冬は”山眠る”、そして秋は”山粧う”・・・あと1ヶ月もすれば、この森の広葉樹は色づき景色は一変する。
常緑樹の中にパッと目を見張るような鮮やかな紅葉・黄葉で静かな森が賑やかになるだろう。そして、多くの人々も鮮やかな山の粧いを楽しみに遣ってくるだろう。
そんな想像をしながら9月の森歩きは終わった。

いつも鳥見で回るコースを一回りしたので、この日の森歩きはお終いだ。
この日は、本当にこの森を独り占めしたようだ。いつもだと行き交う人で、一所にゆっくり佇むなんてことも出来ないが、誰にも邪魔されず気ままな一時だった。

この日の森は平日と言うこともあり、駐車場には車が無く行き会う人も居なく、静かな森だった。この時季は野鳥は遠くから時々鳴き声が聞こえてくるが、姿はほとんど見ることが出来なかった。あまりにも静かでクマにでも出会わなければいいな、などと思いつつ、静かな森歩きを楽しんだ。

遊歩道脇に、赤い実がもう落ち始めている木があった。ガマズミかな?でも、ガマズミに似ている実は沢山あるので・・・ ガマズミはガマズミ属だが,実だけがついているときには同じガマズミ属のゴマギ,ヤブデマリがよく似ているので・・・これがガマズミなのかどうか・・・

遊歩道の脇に白いブラシのような花が咲いていた。オカトラノオかと思ったが、ちょっと違う。サラシナショウマだった。
サラシナは、ソバの更科ではなく、
サラシナショウマの若芽を茹でて、アク抜きのため水にさらしてから食べたことたから来ているらしい。

春に小さな十字型の花が咲き、昔この木で弓を作ったので、真弓と名付けられたとか。十字形の実がなり、秋が深まると外側が割れて赤い種が顔を出すマユミ。

猪が掘って食べることから名付けられたシシウド。背丈より高く伸びた花が咲いていた。

園内には、高原の短い夏の名残を惜しむように花が咲いていたり、秋の実を付けたりと森の中は忙しい。

森林植物園内を歩いた。遊歩道を歩いて行くと、前をキセキレイがチョコチョコ歩いて道案内をしてくれる。近づくとパッと飛び立ち、また少し先に着地、道案内が始まる。

今まで、木道だった部分を地面に木材チップを敷いた新しい遊歩道。園内の湿地部分は木道でなければならないだろうが、そうでない部分は、地面に木材チップを敷く方法は出来るだけ自然に負担を少なくさせる良いやり方だ。併せて足への負担も少なく歩き心地が良い。

園内の様子は年々変化している。以前はそれほど大きな変化はなかったが、ここ数年でずいぶん変わったように感じる。それは何年か前の台風により園内の大木が沢山倒され、園内を良い具合に見て回れるように配備されていた遊歩道が、あちこちで寸断されてしまい、復旧に時間がかかったり、それまでの経路が変わったためのようだ。

上信越高原国立公園から分かれて、2015年妙高戸隠連山国立公園になった戸隠。晴れた日は鏡池に映る四季折々の戸隠連峰の姿は絶景だ。ただし登山では気をつけたい。
あまりの荒々しい様相の北穂高岳の滝谷を”鳥も通わぬ滝谷”と表現した上条嘉門次ではないが、この戸隠山もゴツゴツした岩肌をむき出しにして、西岳や表山の”蟻の塔渡り””剣の刃渡り”など人を寄せ付けないような所が沢山ある。

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9月の森

9月になっても、相変わらず暑い日が続いている。それならば、涼しい飯綱へ行ってしまえと、しばしの涼を求めて高原へ。
前日の夕方から雷雨となり、宵の口までかなりの雨が降った。おかげで朝の気温は20℃を下まわり、ちょっと寒いくらいになった。天気は晴れたり曇ったり、陽が射したりで歩くのには良い感じだ。庭は雨上がりなので、歩くとまだ雨露で靴が濡れてしまう。
早朝の庭に出てみると、野鳥のさえずりがわずかに聞こえる。春であれば、すぐ近くでウグイスやキビタキが賑やかに鳴くのだろうが、今は静かで時々樹間を飛び回る羽音が聞こえる。その姿を追っても青々と茂った葉に隠されて野鳥は見えない。

秋口、そろそろ秋蕎麦の花が満開だろうと蕎麦畑を見に行くことにした。車を降りて、蕎麦畑を見るには高台なので少し上がるのだが、歩き出そうとしたら川の流れる水音がする。早朝の静かな時だから聞こえるのだろう?いつもは気がつかないでいる。いい音だ!

高台の方を見れば、青空が広がり始めていた。

蕎麦畑の高台へ上がってみると、いつも見ていた蕎麦畑は、入り口からずっと見渡す畑全部が白い蕎麦の花で覆われていたが、今回は何枚もある畑の遠く奥にある畑だけが白い蕎麦の花を咲かせていた。
入り口付近の畑は、土から出たばかりの小さな芽が整然と並んでいたが、それが蕎麦の新芽かは分らない。

蕎麦の花を近くで良く見ると、花の最盛期は過ぎて、真っ白から少し枯れたような部分が見られるようになってきていた。次第に花は枯れて、白から黒茶色の蕎麦の実が入るそば殻へと変わっていく。
そして、10月半ばから11月には秋の新蕎麦が食べられる様になるだろう。

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