エゾハルゼミ:
カメムシ目 セミ科 ハルゼミ属 


透明な羽、胸部に緑と黒い紋。紋様はミンミンゼミ、形はヒグラシをそのまま小さくしたような中小型のセミ

緑に染まる森

雨上がりの森は、空気が美味い。標高が高いせいか湿度はあっても、あの蒸し暑く重苦しい空気感を感じさせない。吸い込む空気は適度に湿り気があるから気持ちよく感じるのかもしれない。
一雨ごとに緑色を濃くしながら、さらに葉っぱを生い茂らせて何もかも濃い緑に染めていく森。池の周囲の森も緑一色、この緑が池をも緑に染めている。
この雨が降る時季だけのものだろう。梅雨が明ければ、また違う森の顔を見せてくれるだろう。この森に棲む動物や草花は、この森の四季に応じた自然に育まれているのだ。

早朝のしんとした森を一人で歩いていくと、自然の不思議、偉大さを改めて感じる。
5月の飯綱の森は、新緑が綺麗な森だったが、6月になると森は更に緑が濃くなってきて、雨に洗われ濃い緑が森全体を染めるようになってきた。

天気予報によれば、大荒れで雷雨、突風、にわか雨など全ての荒天を予報していた。実際の天気も全くそのとおりで、いつにわか雨や雷雨があってもいいような天気で、黒い雲が忙しなく動いていた。梅雨に入ったのだから仕方ない。

前夜は夜半まで強い雨が降り続けていたので、今朝はどんなものかと、・・・・早朝に目覚めた。雨音は聞こえない。カーテンを開けて外を見ると雨は止んでいた。外へ出て様子を見るが、飯綱山はガスに捲かれて見えていない。少しぶらぶらしてみるが、ガスか霧雨かという感じだ。
ならば、早朝の雨上がりのお散歩を・・・と、この辺りを歩いてみることにした。奥方に言わせると、雨上がりは、マイナスイオンがいっぱいで、空気が美味しいのだそうだ。そんなことを言うわりには、こうして私はお散歩なのに寝ているのは・??・・・
色濃くなってきた緑色が、雨に洗われて一層鮮やかな濃い緑色になってきて、森が薄暗いようになってきた。そんな森に霧が絡みつくように這ってくる。
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雨あがりの道路は、緑の切り通しのようだ。鬱蒼とし始めた森の中、曇っているせいもあり、薄暗い感じがするが、その先には飯綱山から派生した尾根にある笠山がポッカリと頭を見せている。

鮮やかな緑色の森だが、よく見るとその中にポツポツとオレンジ色の点が見える。緑一色だから、その中に異色があれば当然目立つのだが、緑色が濃くなって来て他の色をも染めてしまいそうだ、そんな中に咲くツツジだった。
やはり早朝の散歩は気持ちが良い。青空ならば更に良いと思うのだが、その季節毎の良さ、その時しか見られないものや景色があるので、何にでも興味を持った方が良い。
そんな風に思い歩いて行くと、緑一色の世界に、えっ!?白い花が咲いている?と思うようなものが見えた。遠目ではそんな風に見えたものが、近くで見ると、なぁ〜るほど、なぁ〜んだ!って言うものかも知れない。

その正体は、新芽?新しい葉っぱだった。何だかヤマボウシを思わせるような白さだ。この葉っぱの名前は知らないが、もう少しすれば周囲の色と同化して緑色になっていくのだろうか。それとも、今見せている白っぽい色は、ひょっとしたら、葉っぱの裏側なんだろうか。

結局、なぁ〜んだ!って言う、単に新芽が出てきた直後の若葉のようだ。

早朝の散歩道、脇の木陰からキビタキの鳴き声が聞こえてくる。目を凝らして見ると、枝に止まって囀るキビタキの姿を見つけた。本来ならばオレンジ色・黄色・黒・白と鮮やかなはずが、緑濃い中でちっぽけな野鳥は緑色に染まってしまいそうだ。地味な色合いのコサメビタキだが、こちらの方がもっと同化している感じだ。

この時季、小屋の周りではエゾハルセミの鳴き声で、すごくにぎやかだ。セミしぐれなんて風流なものではない。何頭くらい鳴いているのだろう?賑やかと言うよりうるさい。このセミは、早いところでは5月中旬頃から鳴き出し、7月下旬頃まで聞くことができる。
うるさいくらいだから、簡単に見つけられるだろうと木の幹を見るけれど、見つけられない。どこにいるのだろう?あれだけうるさく山中が鳴いているようなのに…不思議だ。
でも、このセミの大合唱は何かの法則があるようだ。天候の変化、気温や陽射し、曇りなどだのいろいろな条件によって合唱が始まったり止んだりする様だ。
普通にいるアブラゼミ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミやヒグラシは木に止まって鳴いている姿が簡単に見つけられるのに、このセミは見つけられない。忍者ゼミ?と思ったらたまたまクヌギの葉に止まっていたエゾハルゼミを見つけた。これも緑に染まってしまいそうだ。

こんな梅雨の時季、山では短い夏の始まりなので、沢山の草花や樹木が活発になって来ている。
地面には新しい世代が花を咲かせ始めている。みどり一色の中に、赤や白といったいろいろな色がポツポツ見える。小屋の敷地内には、ベニバナイチヤクソウが群生している。

チゴユリの花が開いた、秋には赤い実をつける。
サンカヨウガ実をつけ、ヤマシャクヤクが花を咲かせた。

白い葉っぱはマタタビ。猫が大好きなマタタビ。

ヤブテマリはもう散りそう
アツモリソウも花を咲かせた

タニウツギも咲いている
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marutagoya  2023 June 30  tama
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