芽吹きの森

山桜が終わりかけて、背の高い山桜の木からヒラヒラと花びらが時々舞ってくる。
どの木なのかと見上げるが、若葉に変わりつつある山桜は、どこから舞って来るのか分らない。
小屋がある森は、漸く若葉・新芽が出てきたところで、森の奥まで見通せる。

久しぶりの小屋だ。今冬は、この辺りも積雪が多く、12月から3月初め頃までは1mを超える積雪があった。
4月に入っても、屋根から落ちた雪が溜まっていたところは雪の山となっていた。

ここへ来ると、今の時季はウグイスやキビタキが迎えてくれる。ホーホーホーホーホケキョ!  ピーリッ ピッピリリー ピッピリリー
キビタキは、この森を縄張りにしている個体が毎年居て、今年もまた渡ってきたようだ


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marutagoya  2022 May 30  tama

この朝8時に家を出て11時には長野市内に着いた。気温は出るときに18℃、群馬県と長野県の県境の長い八風山トンネルを抜けた佐久平では14℃、長野市内ではまた18℃、そして小屋に着くと10℃。陽射しがあったのでそれほど寒くは無かったが、陽が陰るとやっぱり寒くなる。

芽吹き始めた直後なのでこのくらいな気温なんだろう。この敷地内は、今頃の時季山菜も何種類か見られるが、今回はウドが出始めたところだ。ワラビは全く出ていなくコシアブラはまだ見えなかった。
地面から生えて来るものはこれからのようだ。今は、スイセンが咲いていた。
トガクシショウマは既に咲いてしまったようで、枯れた花が見られた。秋に赤い実を付けるツルリンドウが沢山有るはずだが、まだ花を咲かせていなかった。

5月の下旬になれば、ベニバナイチヤクソウ、チゴユリ、ガマズミ、ドウダンツツジやミツバウツギなど沢山の花が見られるが、ちょっと早すぎた。

小屋に着いて、一段落、のんびりと外を見ていると、庭のドウダンツツジの雪で折れた枝にキビタキ
が止まって居た。ベランダから2mくらいの近い所だ。ジッと見ているとキビタキもこちらに気がついたのか、こちらを見ていた。しばらくすると飛び立ち、少し高い枝に移動した。こんな風に家の中に居て鳥見が出来るなんて、本当に贅沢だ。見ていると敷地内を飛び回り、あちこち止まり一頻りするとどこかへ飛んでいった。こんな事を、1日に何回か繰り返す。早朝は綺麗な鳴き声で、午前中と午後そして夕方に姿を見せる。
芽吹きの柔らかなみどりの木々では、キビタキなど野鳥の姿を見るのには、まだまだ良い。もう少しすれば、声はすれども姿は見えずなんてことになる。

翌日、あまり良い天気では無かったが鏡池、森林植物園へ行ってみた。
鏡池の湖面は静かで、名前の通り背景を綺麗に映していた。やっぱり残念なのは天気だ。陽射しがあれば湖岸の新緑も鮮やかに、残雪の山々も迫力ある風景が映し出されただろうにと・・・

森林植物園は、2019年の台風以来園内が荒れて、木道があちこちで通れなくなり以前とはずいぶん変わってしまった。
みどりが池から野鳥を探しながら園内を歩いた。サクラが満開の畔、ミズバショウが咲き始めた湿地。辺りからはいろいろな野鳥の鳴き声が聞こえてくるが、姿はなかなか見つけられない。最近は鳥見にあまり行かないので、目が慣れていないせいのようだ。

見つけられる鳥も居る。アカゲラがチョコッと見えたり、ゴジュウカラが幹を上に下にと、水浴びのアカハラ、高い枝に居たノジコ、大口を開けて囀るミソッチ、背中姿のキビタキなどなど。木道には湿地から上がってきて反対側に渡っていったクマの足跡。キバシリが子育て中で、親鳥が頻繁に巣穴に出入りする姿が見られた。

早朝の2時間ばかり公園内を歩き回ったが、昨年に比べ野鳥の鳴き声が少なかった。天気があまり良くなかったせいもあったかも知れない。
いつもこの時期は、キビタキ、コルリ、ノジコ、ウグイス、ミソサザイ、クロツグミ、ゴジュウカラやツツドリ、カッコウなど賑やかなのだが、今回は静かな森だ。
午後は雨が降ってきて、休養して、翌日は、裏山の飯綱山へ登ろう!、

登山口出発

頂上到着

登山口下山 早朝の登山は、4時間弱で終わった。

前日の雨は上がり、青空が広がり登山日和。
新緑の芽吹きが始まったばかりの登山口を出発。
途中からは、まだ芽吹きが始まっておらず、前日の雨は山では降ったかどうか?
登山道には霜柱が沢山見られ、熊笹には雪が積もっていて陽が高くなるに連れて、ガサッと音を立てて落ちていた。

登山が早く終わったので、午後は小屋回りの枯れ枝や元気な熊笹を刈り取ることにした。
その前に登山で、汗だらけになったので洗濯をして、外に干した。庭の真ん中に椅子を出し、カメラ・いつも山へ携えていく手帳を手元に置いて、のんびりとしていた。
そこから、まだ若葉が出始めたばかりの樹林の間を、透かすように見える飯綱山、朝の飯綱登山をふり返って、ああ、あそこは霜柱が、あそこで見た風景は、といろいろな場面が甦ってきた。
空を見上げると、若芽の柔らかな新緑、この色はこんな表現だけでは言い切れない色だ。なんとも良い時間だ。そんな、のんびりしていると、何か動くものが、見ればキビタキがどこからともなく現れて、また目を楽しませてくれた。そんな光景を、また手帳に書き留めてみた。

枯れ枝や刈り取った熊笹を燃やし、パチパチと音を発てて燃える炎は、少し熱いが距離を空ければ、山の気候には心地良い。
この数年コロナ禍で、ギスギスした生活や外出を控える生活など、これまでに無かった生活が続いている。それでも、ここに来て長引くコロナに対する考え方が変わってきて、コロナと共存しながら生活するスタイルだ。
それにより、ワクチン接種や必要に応じて検査をしながら以前のような生活をする。こんな雰囲気が出てきたので、外出が戻ってきた。

良い空気を吸い、良い景色を眺め自然の中へ・・・
芽吹きの森へ

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