戸隠といえば、鏡池。
あいにく早朝はガスが出ていた。数時間後にやっと雲の切れ間ができ、陽射しが若葉の森をパッと明るくする。
園内を歩けば、鳥見の人、森林散歩を楽しむ人、カメラマンといろいろな人たちと行き会う。自分も野鳥が見れれば良いなぁ〜なんて歩いている。
野鳥の鳴き声は沢山聞こえるが、もうこの時季は若葉が多くなって、野鳥が鳴いている方を探しても、なかなか姿を捉えることができない。
この日、木道脇の小高い山の方から ♪カッコウ カッコウ と大きな鳴き声がするので、どこかな?と・・・やっぱり見えない。しばらくすると遙か高いところを2〜3本先の木へ飛んで行き、またカッコウ カッコウと・・・
飯綱に来れば、やっぱり戸隠へ足を延ばす。
森林植物園の森は、車を降りると野鳥の鳴き声が辺りに満ちていて、ああ戸隠だ1という実感がわく。
水芭蕉が終わり木々の若葉が芽吹くときだ。
まだ葉っぱが茂っていない今は、樹木の間から見える戸隠山の荒々しい岩肌の所々に残雪が見えた。ここくらいの標高になれば、朝夕の気温は一桁代に下がるだろうから不思議は無い。
関越自動車道から分かれて上信越自動車道へ入ると、山の麓や山の合間を上ったり下ったりしながらも徐々に上っていく。
辺りは、もう新緑から結構濃い緑に変わってきていた。更に進んで、上信の県境トンネルを抜けると、標高が高くなっているせいか、この辺りはまだまだ新緑の木々が萌えていた。そんな新緑の若葉の合間合間に紫色の藤が綺麗だ。
久しぶりに雪解け後の山小屋の様子を見に行かなければと思いつつ、コロナ禍で非常事態宣言が出されているので、しばらく様子見をしていたが、人が密集する場所でもないし、かえって人との接触は無いことを考えれば、良いかと行ってきた。
5月の半ばには、東海地方まで梅雨入りし、この辺りでも雨や曇りの日が多く、関東甲信でも早ければ5月中にも梅雨入りかと思っていたが、5月も終わる頃になったら晴れる日が多くなってきた。
長野市街地を通り抜け、善光寺の裏山を登る七曲がりヘアピンカーブの連続を上る。
以前、飯綱・戸隠へ行くには、1965年に開通したバードラインを長野市街地、善光寺平を一望できる、この道路を便利に使っていた。
しかし、1985年7月、大きな地滑りが起き、バードラインの入り口から地附山を登る区間が流失し不通となった。このため旧道の七曲がり道路を使うようになった。ただ、ここは大型車が通れなかったため、長野オリンピックの開催に合わせて、浅川ループラインが開通した。
一段落したので、早速近くの大谷地湿原へ行ってみた。
以前はアシが一面に生え、根元にはリュウキンカが咲く湿原だったが、数年前に多くのアシが刈り取られ、今は奥の方に少しだけアシがある。
リュウキンカや二リンソウは、もう時季的におそく花は盛りを過ぎて数が少なくなかった。
湿原の入り口の木には、今回もアオジが居て歌声があたりに響き渡っていた。
オオヨシキリの声があちこちから聞こえた。ギッギッギッ ギョッギョッギョッ
ジィ〜ジィ〜ジィ〜 ジィクジィクジィク・・・
オオヨシキリは、アシの茎に止まり真っ赤な大口を開けて鳴く姿が浮かぶが、今は全く姿が見えない。リュウキンカや湿地の枯れ草の間から声は聞こえるが、姿は全く見えない。
湿原を一回りすると、ゼンマイ、コゴミなどが大きくほけて(植物が元気に育って茂ること)いた。