キビタキの森 

飯綱の森は、昨年の11月以来だ。今冬は雪の訪れが遅く、近くの飯綱スキー場、戸隠スキー場共に、スキー場開きがなかなか出来なかった。戸隠は、暮れギリギリに人工降雪機と天然雪でスキー場開きが出来たが、飯綱スキー場は年明けに始まって、3月3日には営業が終了した。たまには、スキーに行きたいと思いながら、ずくが無く今シーズンはスキーが出来なかった。
そして、連休。今年は10連休と長い休みだが、行き帰りの渋滞のことや天気を考えると、早めに行ってこようと思い、連休初日に出かけてみた。

出がけは、雨が降ったり止んだりの高速道を走ったが、碓井の県境を越えると、天候は良くなって時々晴れ間から陽射しも見えるようになってきた。ところが、長野市内から善光寺裏の七曲がりの山道を登り始めると、何やら白いものが舞い始めた。山桜が咲いているが花びらではなさそうだ。風花!?そう雪がちらつき始めたのだ。
大座法師池を過ぎる辺りからは一旦天気は回復したが、小屋に着く頃には再び雪が舞い始め、少しの間に辺り一面白くなった。でも、空は青空になったり陰ったり、時々雪が舞う天気が午後はずっと続いた。

お天気雨ならぬお天気雪なので、早速近くの湿原に行ってみた。
湿原は、今まで葦が一面広がって、その根元にはリュウキンカの花を咲かせていたが、昨年11月に行った時に葦を全部刈り取ってしまい、今年は湿原だけが広がっていた。

葦が生えていたときには、今頃オオヨシキリが沢山居て鳴き声がうるさく響き渡っていたが、今年は全く姿がない。
今季は、春の訪れが遅いのかリュウキンカ、水芭蕉共に、まだ咲き始めたところだ。

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marutagoya  2019 April 28  tama
翌朝は、冷え込み氷点下まで気温が下がった。早朝に戸隠森林植物園へ鳥見に出かけた。途中アルプス展望台へ寄ってみた。
前日の雪で戸隠連山は真っ白に雪化粧。そろそろ雪解けで山肌が現れる時期のはずだが、冬に逆戻りしたようだ。
北アルプスは、南部の槍ヶ岳・穂高、北部の白馬共に真っ白で、まだまだ冬の装いのままだ。

アルプス展望台辺りは、蕎麦畑が広がり、そろそろ種蒔きの時期なのだろうが、まだ霜柱が出来るほどで、もう少し暖かくなってからだろう。

一部の畑は、いつもだと今頃菜の花が一斉に咲くのだが、これも季節が遅れているのだろう。

戸隠森林植物園に到着すると、駐車場はほぼ満車。数台分しか空きが無い状態、しかも県外ナンバーの車がほとんどで、やっぱり連休なんだなあと思った。

駐車場から園内に向かう足下は、雪が5cmくらい積もっていて、木道を歩いて行くが、何かいつもの年と少し違うような気がする。

季節が遅れているせいだろうか。夏鳥の姿が全く見られない。例年だとキビタキはかなりの数見れるし、サンショウクイ、コルリ、ホトトギスなどが見れるのに全く居る気配が無かった。

遠くでツツドリの鳴き声が時々するほかは、ゴジュウカラ、ミソサザイ、アオジ、キセキレイ、アカゲラ、キクイタダキなどしか見れなかった。

あまり野鳥が見れなく、寒いので早々に引き上げてきた。

小屋に戻って、お勝手の窓から外を見ると、目の前の枝にキビタキが止まっていた。ビックリだ! 戸隠森林植物園では見れなかったキビタキがこんな近くで見れたなんて、うれしくなった。
戸隠と小屋の辺りでは、標高が150mくらいの差があり、戸隠へは夏鳥がまだ行き着いていないのかもしれない?
でも、毎年小屋の森にはキビタキが来ていたので、それほど驚くことは無いのだが、すぐ目の前に止まって居たので驚いたのだ。

その後、外へ出てみると、さっき止まって居た木にずっと止まったままだったが、飛び立ったたのでどこへ飛んでいくのか見ていると、小屋の裏側を飛んで、小屋の入り口付近の木に止まった。そしてこちらを見ていた。しばらくすると、今度は庭の方へ飛んできて止まった。

その後も小屋の周りを移動して、地面に降りたり低い枝に止まったりして、夕方までずっといた。今季はいつもの年より小屋に近い場所で一夏を過ごすのかもしれない。
でも、このキビタキ動き回っているだけで、まだ囀っていない。ここへ到着したばかりで、辺りを探検していたのかもしれない。

この日、小屋の中から外の様子を見ていると、キビタキは何回も小屋の周りを飛び回り、他にはアトリが庭に降りて地面を突っつき、ホオジロも何回か飛んで来て地面に降りては低い枝に止まるを繰り返し、アカゲラはギィーと一声木の幹をコツコツ コツコツ 結構にぎやかな森だ。

この森では、トガクシソウが花を咲かせ始めた。
この花は、以前戸隠の人からもらったもので、毎年連休の頃、紫色の花を咲かせる。

トガクシソウ(戸隠草)は、日本特産の1属1種で、トガクシソウ属の多年草。別名、トガクシショウマ(戸隠升麻)と呼ばれている。別名のトガクシショウマの方が一般的な呼び名の様な気がする。

明治19年に戸隠山で最初に発見されて、葉の付き方がショウマ類に似ていることからトガクシショウマとも呼ばれている。

本州中部以北の日本海側の多雪地帯に生え、生育地は極めて限られている。花と葉が同時に出て、花の後に葉が大きくなる。葉の間から花序に見えるガク片が出て、淡い紫色の花を3〜5個、下向きにつける。

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