秋の空
秋の空と言えば「女心と秋の空」なんて言葉を思い浮かべる。変わりやすい秋の空模様のように、女性の気持ちは男性に対する愛情に限らず、感情の起伏が激しいことや移り気なことをいうらしいが、「男心と秋の空」と言うのもあるようで、女性に対する愛情が変わりやすいことをいうようだ。
でも、どうだろうか?本当に秋の空はそれほど変わりやすいのだろうか?
子供の頃からの10月と言えば、天高く・・・と言うように安定した青空が広がって、安定した天気が続いた様に記憶している。
今年の10月は、10月に入った1日、2日の2日間は日照時間10時間を超えたが、その後は日照時間が多くて数時間、全く照らない日も多くあった。漸く秋らしい陽射しが戻ったのは中旬過ぎ、それも2日くらいしか続かず、今度は寒気が下りてきて列島を覆い、各地から雪の便りが届いた。
10月に入り晴れ渡った日の夕暮れ時、まだ残った青空に白く光る月が見えた。
上弦の月は翌日。天気予報によれば翌日は天気が崩れると言う。ならばこの日に写しておこうとパチリ!
ところが当日の夕方、雲の合間から上弦の月が見えた。
ほぼ半分が隠れ、見えている部分の月面は、大小のクレーターが見えている。
月の表面にはクレーターの影によって現れる文字の様な物が見える。
これまでにX、V、Lなどが見られている。
見られるのは、満月よりも上弦の月の時のようだが、自分が写した月では発見できていない。
上弦の月から満月、新月へと月の満ち欠けは続く。
今、晴れた夜空でよく見えるのが木星だ。良い機材があれば木星のシマシマだって見えるだろうが、時々望遠カメラで写して見るのもいい。
田園地帯を歩くと、既に稲刈りが終わった田んぼ脇や休耕田には、ススキが風に吹かれてユラユラなびいている。秋の風情を感じる。
2日間くらいの間と言う天気予報は、当たりのようで2日目は朝から少しずつ雲が広がってきた。やっぱり秋、秋の雲だ。でも変な雲が見える。普通横に拡がったり流れたりするが、そんな雲から筒状に下に伸びている雲。 ウロコ雲が漂っている中に形態の違う雲が進入してきたりして、面白い雲になっていた。
青空が拡がった後に来た雪便り。関東甲信の高いところ志賀高原、浅間山そして富士山などだ。
この日は、朝から曇り空で何も見えなかったが、昼頃から丹沢の山々が見え、ハッとしたのは黒々していた富士山が真っ白に雪化粧をした姿で見えたからだ。
9月30日に初冠雪を観測した後は、気温が高い日が続き黒々した姿の富士山だった。
この雪は、まだ根雪にはならないだろうが、そろそろ降雪の機会が増えてくる時期なので、ひょっとしたら頂上に近い辺りは根雪になるかも知れない。
1日中どんよりと雲に覆われていたが、山の姿は隠れずに見えていた。
そんな夕暮れ時、黄金色の光が放たれ、地上近くを黄金色で染め、それをバックに雪に覆われた富士山が1日を終わろうとしていた。
翌朝の富士山は、晴れ上がった空にくっきりと雪化粧が綺麗だ。
秋の空、今年の秋の空はどちらかと言えば変わりやすい空だったような気がする。
安定した秋空は、最初と中旬過ぎの2日間、その後数日間ぐずつき、冬が遣ってきた。
各地で初雪や初氷などが見られ、晩秋と言う感じがする。
あの暑かった陽射しが、今では暖かく心地よく日向ぼっこが楽しみだ。
この後は、安定した晴れの日がしばらく続くようで、やっと秋の天高い空になるようだ。