あっと言う間に過ぎた10月

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2021 Oct. tama

10月に入ったこの日は、大型で非常に強い台風16号が、伊豆諸島に最も接近して加速しながら北東へ進んで行った。この辺りは、前夜からのそれほど強くは無い雨がずっと降り続いていた。

翌日はベランダに出てみると台風一過の晴れ渡ったさわやかな朝になっていた。気温が高くなると言うので半袖にしたが、少し肌寒い。でも朝陽の暖かさで気持ちが良い。
何か忘れていた事を思い出したみたいな気持ちだ。何かって?この太陽の温もりだ。暑い夏の間は、太陽光は目の敵のようにして、毎日暑い熱いと言っていたが、この時季になると日陰に入るとひんやりする。
そして、陽溜まりが恋しい季節だ。

そんな風に思った朝だったが、日中になると気温は上がり最高気温は30℃近くまでになった。
この日をきっかけに10月は10日過ぎまで晴れの日が続いて夏のような暑さが続いた。数日おきに走りに行くのだが、真夏のように汗だくだ!
福岡や鳥取では、10月としては観測史上初めて3日連続の真夏日だったとか。
それでも、やっぱり季節は季節、10月ともなれば、夕方になると涼しい風が吹いてきて気持ちいい。
このところの晴れで、毎夕のように夕焼けが見えていたが、それほど綺麗に見えなかったが、たまたままあまあの夕焼け雲だったのでパチリ!

10月も10日を過ぎると公園や家の周りを歩くと、色づき始めた木々の葉っぱが所々で目につくようになってきた。まだまだ緑濃い樹木が多いのだが、紅葉が始まっていたり、木の実が熟してきたりしている。

ハナミズキの実が真っ赤に染まって見頃だ。
春は白やピンクの華やかな花を咲かせ、秋には真っ赤な実を付けて季節ごとに目を楽しませてくれる

コブシの実は、なかなかグロテスクな緑のコブコブだった実がはじけてオレンジ色の実が見えてきた。
でも、あまり綺麗な感じでは無い。コブシの名前の由来は、にぎりこぶし状のデコボコの形状から来ている。

サルスベリも綺麗な花を賑やかに咲かせていたが、ほとんど終わり実を結び始めた。樹皮を触るとツルツルしていて猿も滑って落ちてしまいそう?そんなことは無いだろうが…

10月半ば、またキンモクセイの香りが漂い始めた。
最初は9月初め頃に香り始め、今年はいつもの年より早く香り始めたかな?と思っていた。それからしばらく忘れていたが再び香っているのに気づいた。

この頃TVなどでも最近キンモクセイが香っているとい言っていたので、調べるとキンモクセイの二度咲きはそれほど珍しいことではないようで、これまで気づかなかっただけのようだ。

木々の葉も色づき始め、いろいろな木の実も結実してくると、そろそろ小さい秋が遣ってきたようだ。

夜が長くなり、朝晩の冷え込みがつよくなってきたが、空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなった。
夜空を見上げると、美しくきれいに輝く星や月が見られる様になってきた。今、夕方から宵のうち見られるのが宵の明星と呼ばれる金星や木星、土星だ。

月と金星、時間が過ぎていくに連れて月が沈み金星が沈んでいく、夜の8時頃には金星も細い月も無くなっていた。

木星を見ると木星の衛星が幾つか見えた。木星には70個以上もの衛星があるそうだ。木星の衛星の中でも大きい4つのガリレオ・ガリレイが発見したガリレオ衛星が見える。

10月18日夜の月は十三夜月。旧暦の9月13日の夜を「十三夜」と呼び、9月の中秋の名月とともにお月見をする人が多い。

十五夜は9月なので、すっきりしない夜空が多いのに対して十三夜は晴れることが多いようで、「十三夜に曇り無し」という言葉もあるようだが、この夜は薄雲が広がっていたが月は見えた。
また、十五夜、十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片見月」といい、縁起が悪いと言うので十三夜月も見た。

月の半ば頃は曇りがちや雨が降り、ある日雨上がりで清々しい朝を迎えた。
遠くの建物などが雨上がりを思わせるように、うっすら靄の中に浮かび上がっていた。雨上がりなので、冷え込みはそれほど強いと思っていなかったが、結構冷えて11月上旬の寒さだとか?

晴れ渡った空には、真っ白く雪化粧をした富士山が綺麗だった。
朝は雨上がりで少し霞んだようだったが、時間と共に陽射しの具合も良い加減になってきて、ますます雪と地肌のコントラストが際立ってきた。
午前中はスッキリ綺麗な富士山も、時間が経つと周囲から雲が湧き始め、昼頃には雲に少しずつ湧いてきたのと陽射しの加減で、雪と地肌のコントラストが微妙に変わってきた。
夕暮れ頃にはシルエット富士が浮かび上がって来た。

10月30日の夕方から宵にかけて金星が東方最大離角となった。
東方最大離角とは、金星が見かけ上太陽から東に向かって最も離れることを言う。
金星は太陽系の惑星のなかで水星に次いで、太陽に近い惑星だ。金星は、内惑星のため地球から見ると、太陽から大きく離れることはないので、日の出前や日没直後に見られる明けの明星、宵の明星をとして見えるだけで真夜中の空に見えることはない。

昔の人間にとって10月という季節はリンゴやカキなど果物が実り始めたり稲刈りなど実りの秋だったり、青空が広がる気持ちが良い季節というイメージがあり、最近の気候の変化にはいささか困惑している。
台風が過ぎ去った直後から始まった10月は、家の近所を歩いて見ればそれなりに季節が移ろっていて、所々色づいた木々が見え始め紅葉が目に映る。
この季節、夜空を見上げれば明るい星が見えたり、月の満ち欠けと星の見かけ上の接近が見えたりと、それなりに10月という季節が感じられた。
こんな風に近所の風景や夜空を見ていたら、気がつけば10月はお終い。カレンダーはあと1枚残すだけとなっていた。

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