東京23区で有数のカタクリ群生地がある、近くの公園でカタクリが咲き始めた。
この公園は、市街地を流れる川の河岸段丘の北向きの斜面で、この斜面が夏は涼しくて、カタクリの生育に適しているそうだ。
カタクリは、寒さに強く暖かい場所を好まない山林・高山地域で育つ植物なので、この場所が適しているらしい。

カタクリは、ユリ科の多年草で、地下にりん茎を持つ球根植物で、花が咲いている期間は1週間程度だが、平均寿命は40〜50年にもなるそうだ。
生態は、1年のうち、地表に姿を現すのは、2月下旬頃から地表に芽を出して、4月上旬頃までに花を咲かせ、5月中頃には葉っぱが枯れて、地上から姿を消してしまうようだ。カタクリの花は、暖かな晴天の朝に開き、夕方閉じてしまう。寒い日や雨や曇りの日は、花は開かないと管理しているおじさんが言っていた。

イヌシデやコナラなどの雑木林にある湧水は、「東京の名湧水57選」に選ばれている。

カタクリが咲いた

2021 Mar... tama
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二リンソウ
この斜面の一画に二リンソウが咲いている。
まだ沢山の花が咲いていなく、濃い緑の葉っぱの中にポツンと白い花が咲いていて目に付く。この白い花の5枚の花弁と思ったら、そうではなく萼片で、それが花弁の役割をしているんだそうだ。

ニリンソウは、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。イチリンソウ属なのに何故ニリンソウなの?
ニリンソウの名は、同じ属で一輪の花をつけるイチリンソウに対して2輪の花を咲かせるので、つけられたそうだ。
でも、常に2個の花をつけるとは限らず、1〜4個の花をつけることがあるようだ。

2または3個の花をつけるといっても、同時に咲くのではなく、時間差をおいて開花するらしく、今回も1輪咲いているが、その茎の途中にツボミが見えていた。
しばらくすると、このツボミも咲いて名実ともに二リンソウになるのかな!

斜面を下りた辺りの草地で、逆光にピカピカ光るように見えるものが生えていた。
良く見ると、白いブラシのような花で、ヒトリシズカだと分かった。

飯綱ではよく見かけたが、この辺りで見たのは初めてだ。
山野の林内や草地で普通に見られる多年草だから、こんなところでも見れたのだ。

ヒトリシズカはセンリョウ科 チャラン属と言うらしいが、チャラン属というのもおかしな名前だ。
変なのは、ヒトリシズカなのに、群れて咲いているのは何故? 「ヒトリシズカは、一人じゃなかった! 名の由来は一つだけポツンと咲くからではないようだ。
茎に一本だけ出る花穂を、源義経の愛妾の静御前が一人で舞う姿に見立てたものだとか。

何だかよく分からないが、草花の命名は結構いい加減で、命名者のちょっとした思いつきや生えていた場所など、その植物とは似ても似つかぬ様な名前が付けられることが多いらしい。

片栗粉は、本来野山に自生するカタクリの花の地下茎から採れるでんぷんで作られた事に由来して、片栗粉と呼ばれている。

その後カタクリの自生が減少し、ジャガイモの栽培が増えてきて、ジャガイモのでんぷんが沢山採れるようになったので、今ではジャガイモから作られるデンプン粉が、片栗粉として流通している。

まあ、カタクリのあんな小さい花の地下茎からでは、沢山作れないのも当然。今ではこんなことを知らない人も沢山居るんだろうな。

ヒトリシズカ

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新芽が芽吹き始め、春を感じさせてくれる。この日は地元の小学生が課外授業で、カタクリの観察にきていた。

湧き水は澄んでいて綺麗だ。

昔は、ただの河岸段丘にある雑木林の斜面だったのだろうが、今や斜面の上には住宅が出来て、見回せば住宅街の憩いの場所という感じだ。

10万株もあるというカタクリだが、なかなかちょうど良い咲き具合の時に見られるかどうかは難しい。
この日、咲いていた花は、もう数日間開いたり閉じた花のようだ。
その日に初めて花開いたカタクリは、この日は見られなかった。


開花のタイミングを見計らって見るというのは、毎日通わないと無理のようだ。

東京の名湧水57選の湧き水
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