季節感が無い秋

日照不足や高温が続いた夏・・・でも、いつから夏になったのか?いつ夏が終わったのか?
日照時間が少なかった7月、厳しい暑さの日が多く、気温がかなり高くなった8月。9月も10月も・・・変な天気が続いている。
以前は、10月と言えば、天高く・・・なんて・・・真っ青な空がどこまでも広がり、果てが無いような空・・・まさしく天高く〜だった。そんな10月は、秋が来た〜って 本当に気持ちが良かったことを思い出す。
ところが、この10月は、またまた日照不足だ。天気予報は晴れると言うので、すっきり晴れ渡る日本晴れを想像するが、そんな日は無い。毎年の雨日数の平均は192日だそうだが、今年は10月半ばで200日を超している。やっぱり雨が多い年だったようだ。
季節は動いて変わっているはずなのだが、昔のように四季がはっきり分からない。日本も四季の国では無くなってきたようだ。
とは言っても、家の近所や公園を歩いてみると、やっぱり自然は動いていることが見える。
キンモクセイが香っていたり、日の出は遅くなって、日の入り時刻はどんどん早くなって、日中の陽射しは部屋の奥の方まで射し込んでいる。太陽の動きが秋分点を通過してから明らかに変わっていることが分かる。
2020 Oct... tama
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ここに来て、北の国や高い山からは、初雪の便りが届いている。今季はいずれも例年より早いようだ。紅葉と一緒になっているところも多いように聞く。我が家から見える富士山は、9月末に初冠雪が見えてから、しばらくぶりに見えた10月18日は、雪が多くなっていた。

空を見上げれば、やっぱり秋のいろいろな雲が見える。

雨上がりの日の出から、青空のキャンパスに箒で掃いたような巻雲が広がっていた。高層の空気の流れが速くなる秋に、真っ青な空に繊細で透き通るような雲だ。

「うろこ雲」や「いわし雲」、または鯖の背中の模様にも似ているから「さば雲」などいろいろな呼び方があるようだが、この日の雲はさば模様だ。

雲のようすが、羊の群れのようだから「ひつじ雲」。
巻積雲よりはひとつひとつの雲片が大きく厚いんだと。
秋の雲の代表的な「巻積雲」「高積雲」が浮かんでいた。

公園の草花・樹木も少しずつ秋色になってきた。

コキアが少しずつ色づいてきて、緑から赤に変わっている。

日照時間が少ない中で、花たちは咲き誇っている。

ホトトギス、コヨナメ、コブクザクラ、サワヒヨドリ、フジフサウツギ

公園は薄日が射していた。
普通に晴れていれば、黄葉した葉っぱが綺麗だろう。

散歩道に枯れ葉が敷かれたベンチに座る老夫婦、何を話しているのだろう。
目の前の草原では、遠足で訪れた幼稚園児達が、はしゃぎまわっていた。
色づき始めた木々…

まだまだ緑が多い木々だが、そんな中、ハッとするような紅葉が見える。

今頃は、季節の中でも一番良い時季だ。
アスリートにとっても気持ち良く走れる。

グランド脇で見ていると数々の国際大会にも出場しているランナーが走っていた。速い!

この時季の公園や道端でよく見かけるのは、セイタカアワダチソウやススキだ。
こんな風景を見ると秋だなぁ〜 と思う。

セイタカアワダチソウは、名前の通り1m以上になる背高だ。
見た目がブタクサ似ていて、花粉症を引き起こすと誤解されているようだが、この花は虫媒花で、風媒花では無いので、花粉症とは関係ない。

ススキは、尾花(おばな)として、秋の七草に数えられている。
ススキは、米や麦と同じ、風媒花だ。
ススキの穂を良く見ると、開花している物があり、小さな花から糸でぶらさがった小さな雄しべが、風にユラユラと揺れていた。

人間は、雨が多いだの日照不足だと気象状況を見て、季節感が無いなどと言うが、自然の営みは正直で、知らず知らずのうちに季節は動いていた。

夏頃から飛び始める赤とんぼは、そろそろ山から平地へ遣ってきて、私たちの目にとまるようになってきた。

10月最後の週になって、やっと青空が広がった。日の出前の東の空には明けの明星・金星が大きく輝いて、この日の晴天を予感しいる様だった。

秋はいろいろな美味しい物が食べられる。
山からはキノコが採れたよと、果物も熟して、美味しく食べられるようになってきた。クリ、カキ、リンゴ、ブドウなどなど・・・やっぱり秋の訪れだ。


公園を散歩していたら、散策路で何か動いていた。パッと飛び立ったので野鳥だな?止まった枝を見るとジョウビタキだ。
そうか、もう冬鳥が渡って来る頃になったのだ。


季節感が無いなんて言っていても、周囲を良く見てみれば、やっぱり自然はちゃんと動いていて、季節を変えているのだと感じる10月終わりの頃だ。
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