ハチ
天候不順と直接は関係ないかと思うが、今回はハチ騒ぎがあった。
夕方、妻がお勝手に居ると、変な音がすると言う。薄暗くなってきた頃なので、外で小動物が声を出しているのではないかと言う。しかし、その音が私には聞こえないし?分からない。
妻がこの音、この音と何回か言う度に耳を澄ますと、微かにウゥ〜ンと言うような音が聞こえた。確かに、小動物の唸り声の様な音だが、考えられる小動物が想像できない。
この音だと言うことが分かったので、どこから聞こえてくるのかと、耳をあっちこっちと向きを変えながら聞くが、音が出ている場所はなかなか分からない。
妻は外から聞こえてくると言うが・・・どうも外では無い様な・・・
辺りを見回し、よ〜く聞いていると流しの頭上にある戸袋辺りが怪しい。
その戸袋をたたいてみると、今まで聞こえていた音とは少し違うブンブン
という羽音らしい音がする。よく聞けば、前から聞こえていたウゥ〜ン
と言う音も羽音に聞こえる。
再びトントンとたたくと明らかに羽音だ。
これは、戸袋の中にハチの巣を造ったのではないか?でも、ハチは部屋
の中を飛んでいない・・・どこから出入りするのか?
次の朝、小屋の外回りを見て回り、出入りできそうな場所を考えるが?
窓の上あたりに戸袋が取り付けられているので、ひょっとしたらと思い
ついたのは、セトリングスペースだ。
ログハウスは窓やドアなどの建具の上に、ログ壁の沈み込みに対処する
ため、セトリングスペースという空間を設けている。
その空間を隠しながら、かつデザイン的にも見栄えがするようトリムボ
ードという板が取り付けられている。
さては、このセトリングスペースから侵入したのではないだろうか?
ちょうどその時、ハチが遣って来た。クマンバチだ。見ていると、端か
ら歩き始め、少しずつ移動していき真ん中辺りで姿が消えた。
やっぱり、ここだったのか?でも、壁はDログを使っ
ていて戸袋は箱としてログの内壁に取り付けてあるが、
その箱の壁面に穴をあけて入り込んだのだろうか。
クマンバチ(正確にはミツバチ科クマバチ属キムネク
マバチ)は子供の頃、捕まえて胴体に糸を付けて糸の
端をもってブンブンと飛ばして遊んだことがあるので、
それほど危ないハチでないことは知っていた。
オスは針が無いので刺す心配がなかったから糸を付け
て遊べたのだ。
メスは針を持っているがそれほど毒性は無いようだ。
天候不順の夏
6月8日、九州から関東甲信まで梅雨入りしたそうだ。一日中低い雲が空を覆っていて、夜になってポツポツ雨粒が落ちてきた。でも大したことはなく、翌朝は青空も見える梅雨空になっていた。
梅雨に入って10日あまりしても、雨が降らない日々が続いた。毎年、梅雨入りしたと言っても、最初は結構いい天気の日が多いが、今年はちょっと変だ。
この辺りの4月からの1時間当たりの降水量を見ると、10mmを超えたのは1回だけ、残りは数mmかゼロと少ない。一番影響があるのは、野菜だろう。旬の枝豆は大きくならなく、粒も不揃いだったそうだ。
本来なら梅雨最中の6月、静岡では川なのに水が流れていなく、干上がったようになる「瀬切れ」が起きたという報道があった。
7月19日梅雨明けだと報じられた。今年は、梅雨と言っても、この辺りでは梅雨らしくしとしとと降った雨は無く、空梅雨だった。そして高温、それも尋常な暑さではなく、エアコンは朝から晩までフル運転に近い日々が続いた。
梅雨が明けて、いよいよ夏かと思いきや、8月は戻り梅雨かと思うほどの曇り空、時々少しの雨と、大した量ではなかったが毎日雨が降り、日照不足の日が続いている。
夏の様相も以前とは違ってきていて、暑い日中の後にはモクモクと入道雲がわき上がり夕立が、日中の暑さを和らげてくれ、翌朝は涼しい朝を迎える・・・こんな夏は無くなったようだ。照りだすと照って照って、降りだせば通常の何倍、何百倍と言った雨が降る。変な気候になって来たもんだ。
天候は変だったが、その間にいろいろな風景が見られた。
太陽の周りをぐるりと回るように彩雲。
6月後半の富士山は、雪が降ったと聞いたが、その後の雨で、もともとあった雪だけが残っているように見えた。こんな風に、梅雨時はたまに雨上がりの富士山がくっきり見えることがあり、残雪が見るたびに少なくなっていき黒々した富士山になっていく。
梅雨明け間近の夕暮れ。太陽が沈む反対の方向から太陽が沈む方の空へ向かって・・・ではなく、太陽と反対方向に光線が収束して見える、反薄明光線(はんはくめいこうせん)が見えた。
日照が少ない8月だが、雨上がりに虹が見られた。
草花
不安定な天候が続く夏だが、久しぶりに山小屋へ行ってみた。
山は短い夏の真っ盛りだ。花の時季はひと段落したようで、今は緑が勢いよく高木も低木も緑の葉っぱをいっぱいに広げている。下草も生えて、森はこんもりとした緑の塊になっていた。
砂利を敷いたアクセス道路にも、しばらくの間ほとんど入らなかったので、砂利の合間からいろいろな草がニョキニョキと伸びて我が物顔。小屋を建てた頃には無かったが、いつの間にやら庭一面に咲くウツボグサ。もう花は終わって、茎と枯れた花の跡が残っている。
花の盛りが過ぎたとはいえ、まだまだ短い高原の夏を精一杯咲き誇ろうとしているかのように花が見れる。
人間の勝手で、短い夏を一生懸命生きている草花たちには悪いが、庭とアクセス道路の草刈りをした。
どうすることもできないので休むことにしたが、雨脚は衰えることなく降り続いた。寝付いたが、時折目が覚めると、相変わらず強い雨音は続いていた。
何度か眠ったり目が覚めたりしていると、24時頃になって雨音が少し弱まってきたような気がして、眠り込んだ。
夜中の2時前に、再び携帯電話がけたたましく警報音を発し、ビックリして飛び起きて見てみると避難勧告の解除だった。
これで、一安心したがこんなことは初体験で、数時間で済んだが、先月の九州で豪雨に遇った皆さんは、こんな状態が何日も続いたのかと思うと、他人事とは思えない。
朝になって、小屋の周りを見たが特に変わったこともなく、いつもは流れていなく、雪解け時に少し流れる川がゴウゴウと流れていただけだった。
沢があふれ出し、民家近くまで迫った流木=長野市鬼無里:信濃毎日新聞から
天候不順の夏は、高原も青空は無く、いつもそば畑や鏡池の背景として荒々しく聳え立つ戸隠連峰の山々も見えない。