漸くの秋

今年は、天候不順が続き、9月の日照不足は野菜の高騰を招いている。自然界も然り、紅葉の時期が遅れているようだ。
中央アルプス宝剣岳の千畳敷カールでは、台風や長雨が続き、日照不足もあって「色づきはいまひとつ」。例年はカール一帯が鮮やかな赤と黄に染まるが、「寒暖差が少なく赤が出なかった」という。

毎年、9月の後半になれば、富士山の初冠雪が見られるのだが、今年はまだのようだ。9月27日の朝、富士山の山頂付近がうっすらと雪化粧したようだが、甲府地方気象台からは目視できなかったそうで「初冠雪」と記録されなかったようだ。

天候に関する話題が多い昨今だが、漸く秋がやってきたようだ。
10月初めには、まだ青々していた鏡池のほとりは、半ばになり紅葉が見頃を迎えている。

この辺りの公園の木々は、全く紅葉の気配はない。まだ、夏の終わりの延長みたいだ。

陽が傾き始めた午後のグランド。片隅で日向ぼっこをするにはちょっと時期が早すぎるようだ。まだ陽射しが強すぎる。

でも、花々や木の実などを見ると秋を感じる。その一番はコスモスだ。
既に最盛期は過ぎてしまったが、キバナコスモスは遠くから見ても、それだとわかるように緑の枝葉の中に点々と黄橙色の花が咲いている。
コスモスも咲いてはいるが、ここでは数が少なく、キバナコスモスはにぎやかに咲いているが、それに比べるとひっそり咲いている。

2016  Oct.26  tama
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花といえばサクラがチラホラ咲いていた。
えっ!今頃?これは秋の花?

以前はサクラが秋に咲くのを見たことが無かった。それは自分だけ見たことがなかったのか、咲いていなかったので見てなかったかは分からない。
ここ数年、今頃の時期に公園へ行くと、チラホラ咲いているサクラを目にするようになった気がする。

気候のせいらしく、葉っぱと休眠ホルモンが関係して「あ、春が来た」と勘違いして咲くようだ。

実りの秋。野山の木々は色とりどりの実をつけ、農作物も色鮮やかな実をつけた。
公園のピラカンサはオレンジの実をたくさん付けて重そうだ。この朱い実は、これから野鳥たちが餌として食べにくる。
カリンの実は青く、いかにも堅そうな感じで美味しそうには見えない。カリンは、普通そのまま食べることは無い様な…喉に良いとか、ハチミツ漬けやかりん酒などにするのがいいらしい。

リンゴも色づきが良くなってきて、もうすぐ美味しく食べられる。今、美味しいのはアキバエやシナノスイート、その後はフジになる。
クリは、イガをパックリ開けて中の茶色い実を見せて、食べてくださいといっているようだ。
子供の頃、クリ拾いに行くと、靴でイガを踏み棒切れで中のクリを穿り出す。時々、靴のゴム底を外れ布部分にイガがあたり痛たたぁ〜なんてこともあった。

小さな生き物たちは寒くなってきたのか、動きが鈍くなっている。
夏の間なら、人間が近づいたり、カメラを向けるとすぐに飛び立っていくが、今はじっとしている。秋が深まった頃や冬の公園では、花や草木に止まったまま動かなく、触ってみるとポロッと落ちてしまう。じっと草木にしがみついて死んでいるのだ。
今の虫たちは、そんな寸前のような気がする。それか、越冬するためにエネルギーをため込んでいるのかもしれない。

暦の上では、霜降。
この辺りでも、そろそろ朝の気温が10℃を下回るようになってくる。北国や山間部では、霜が降りて朝の草木を白く化粧をする頃だ。野の草花は、枯れ色に変わり始め、高い山からは紅葉が麓まで鮮やかに染まってくる頃だ。

霜と言えば、霜柱が出来るのもこれからだ。ここへ引っ越してきた頃は、近くの空き地が高台の草原で、歩道との境が土の斜面になっていた。その斜面の上の方、草の根が見える辺りに霜柱が見れたが、今では全く見られない。

子供の頃は、道路も舗装されていなく土の地面があり、畑や学校のグランドでも霜柱ができていて、それを踏みつけると、ザクッザクッザクッと霜柱が崩れた。あの気持ちいい感覚は今でもはっきりとした記憶としてある。
時々田舎へ行ったときなど、霜柱を見つけるとやはりザクッザクッザクッと踏んでみる。

今朝のニュースで、富士山の初冠雪が報じられていた。富士山の初冠雪は、平年より26日遅くこれまでで最も遅かったそうだ。
山では、もう冬がすぐそこまでやってきているが、この辺りの紅葉は来月から12月にかけてとなる。
漸く秋がやってきたと言ったところだ。

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