春は名のみの…と言っていたら春が来た

2月の14日に今年の春一番が吹いた。
まだ2月半ばなので、これで春になるとは思えなかったが、このところ感じるのは、やっぱり異常気象という言葉。異常気象という言葉がよく使われるようになってから久しいが、これは異常気象というより気象の変化が訪れているのではないだろうか。

3月でも寒いときはいくらでもあったから、いつもの年とそれほど違うとは思えないが、何かこれまでのパターンと違ってきている。

これまでの何十年、何百年、何千年かは知らないが、日本においてはかなり明確に春夏秋冬という季節ごとの区切りがあり、特徴も顕著であったため、その季節に応じた人々の生活があった。生活環境や季節ごとの食材、その保存方法などと季節という区切りによって成り立っていたように思う。

先人が残した二十四節気、七十二候などは、今でも季節の節目を示す言葉として使われているが、よく研究されているように思う。

最近の気候は、長年の間人間の為により便利な生活を追及して、自然の環境が少しずつ変化を続けてきた結果が出始めてきたように思う。
天気予報が中らなくなってきたのも、その一つだろう。冬の関東は晴れて乾燥する天気だったのが曇りがちの日が多くなった。3月の声を聞けば、もう刺すような冷たい風は吹かないだろう。などと、これまでのような感覚ではなくなってきたように思う。
春は名のみの・・・とは言いつつも、公園へ行ってみれば、明るい陽射しを浴びて、たくさんの人たちが春を待ち切れず、梅が花咲く広場で集う
3月初旬。

暑さ寒さも彼岸まで…の如く、3月も半ばを過ぎるころには、春の陽気がやっと遣ってきた。

白いコブシの花が咲き開き、遠目に見ればハッと驚くような景色だ。
リニューアルされたグランドのレンガ色の走行レーンと対照的だ。

先週までは工事中で中には入れなかったが、今週末に解放されて真新しいレーンの感触を大勢の人が楽しんでいるようだ。

この日の午前中には、自分もこの新しいグランドを走ってみていい感触を味わったばかりだ。

グランドの片隅にオオシマザクラがあり、この辺りでは一番早く多くの花を広げている。

ソメイヨシノは、ほんのりピンク色がかっているが、オオシマザクラはほぼ白い花なので、ちょっと物足りない感じがする。

東京のサクラは3月21日に開花したと発表されたが、この辺りのサクラはまだまだ、所々でちらほら咲いているのを見かける程度だ。

グランドの土手には、春を告げる小さな花が沢山咲いている。
一番早かったのは、オオイヌノフグリ、次はヒメオドリコソウ、ホトケノザ、タンポポと次々に花を咲かせた。

枯れ色だった土手も、花開き、雑草が青々してきて春の息吹が感じられる。

公園内を歩いてみると、この1週間でずいぶん変わっていた。ユキヤナギは若葉が出てきて青々していたのが、雪を降りかけたように白くなっていたり、サクラの木の下で、ただ藪のようになっていたレンギョウが黄色い花をびっしり咲かせ、辺りを一変させていた。
枯れ色の世界を華やかな世界に変える花の力、それも寒い冬の間ひっそりと貯めていた力なのだろう。

公園の子供広場は、春の陽気に誘われて多くの子供たちが歓声をあげながら走り回り、砂遊びをし、遊具で遊ぶ。

大人たちも、この陽気と我が子の歓声には勝てず、あるいは子供時代を思い出したのか一緒になってはしゃぎまわっている。

そう言う自分も、孫と一緒に遊びまわって汗だくになっている。

春はそんな風にさせる季節なのかもしれない。

春の訪れは、毎年のことではあるが、すんなりと暖かく良い陽気にはならない。
季節の変わり目は、季節と季節の鬩ぎ合いなので、冬から春への移ろいは寒さと暖かさが、初めは寒さが勝っているが、少しずつ暖かさが勝ってくる。それを表しているのが三寒四温だ。

今年も各地からサクラの開花の便りが届いている。
この辺りでも少しずつ咲き始めた。近くのバス通りの桜並木は、この冬サクラの植え替えが行われた。
古くなり道路にはみ出したり、歩道の下の根っこが持ち上がったりした古木が切り倒され、新しい苗木が植えられた。
新しいサクラは、いつごろから花を付けるか、また楽しみができた。

大きなサクラの根元辺りから2輪ばかり花を咲かせたサクラ。高い枝では咲けなかったが、人が歩く目線に留まる位置で楽しませてくれる。

今年は、桜が咲き始めたら気温が低くなり開花は足踏み状態になり、長い間サクラを楽しめそうで、何か得をしたような気がするが、やはり早く暖かくなってほしいものだ。

サクラが咲き、春が来たようだが、まだまだ春は名のみの風の寒さが続きそうな3月終わり頃。
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2016  Mar.24    tama
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