夏風景

この夏は、天候がおかしい。暑い日が続き、毎日猛暑日、猛暑日。それも日に日に最高気温を更新しているような状況だ。
子供の頃は、30℃なんていうとすごい高い気温に思えたし、滅多に30℃は超えなかった。この頃は36℃・37℃が毎日、時には39℃なんて人が熱を出した時のような気温になる。この夏と言ったが、ここ数年こんな状況が続いているような感じだ。

今夏は、台風の発生が遅く、台風1号は7月に入ってからだ。コースも例年だと赤道近くで発生し、フィリピン方面から沖縄、九州と北上してくるコースが多かったが、このところマリアナ諸島付近で発生し、小笠原、伊豆諸島、関東地方、東北・北海道というコースが多いような気がする。また、関東近海で発生する台風が多くなっている。この辺りの海水温が高くなっているのだろうか。発生が遅かったけれど、ここにきて続けて幾つも発生している。

台風7号が過ぎた日は、台風一過の真っ青な空が広がり、気温はぐんぐん上がって、館林では39℃超えだった。こんな風に、熱帯地方にも負けない気温になっている。

そんな暑い夏に、不思議ではないけれど、普段は気がつかなかった、へぇ〜なんて思える風景が、ちょっとしたきっかけで見えた。

年々暑くなっていくような気がする日本の夏。今夏も昨年より暑い夏になっている。
自然環境の変化はどうこう出来ないが、この原因を作ったのは、我々人間であることは間違いない。

人間が生きるためには、人工物の構築は欠かせないけれど、自然とのバランスを失うと、今のように気候をはじめ自然環境の変化が起こる。
それに連鎖して、人間がコンクリートで固めた河川を大水が壊し、多くの人たちの命を奪う。人間が平たんで歩きやすく舗装した道路をどんどん造り、土の地面を覆いつくし、水はけを悪くし都市部では、短時間で大雨が降れば、すぐに洪水を引き起こし、気温上昇に繋げ猛暑日を造った。

こうしたことを上げればきりがない。何でもそうだが、バランスを崩すとこんな環境になるのだ。
その朝、西の方から晴れて来て、見上げる空の半分以上は雲に覆われていた。それが良かったのだろう、西の方に見える丹沢の山並みと富士山が普段と違う見え方がしたのだ。

不思議でも何でもないが、朝日が高度を増しながら昇って行けば、富士山に陽射しが届き、頂上付近から徐々に裾野へと陽射しは下がっていく。
格好良く言えばモルゲンロート、朝焼けだがそれほど赤く燃え上がったようには見えなかった。もう少し赤々すれば、それの方を注目したのだ。

今回はそれよりも、いつも見ている富士山の前衛の山々のことだ。
普段、西の方を見ると、富士山の前に山々があるのは分かるのだが、平面的に見えている。

ところが、富士山全体に陽射しが広がると、今まで見ていた前衛の山々が、奥行があり幾重にもなっていることが分かりやすく見えてきた。

光のあたり方ひとつで、いつも見えている風景の見え方が、違った風景に変わり、本当の姿が見える。

こうした機会は、そうそうあるものでは無いが、普段見ている風景も、季節、時間、天候など自然環境の変化により、新しい発見があるかもしれない。

ヒマワリの不思議も、この夏知った。
ヒマワリは、漢字で書くと向日葵と書く。これは、太陽の動きにつれて、その方向を追うように花が回るといわれたことからの名前だ。

近くの公園の脇に、それほど広い場所ではないが、ヒマワリプロジェクトが育てるヒマワリ畑があり、チビが行って見たいというので、真昼間では暑いので、陽が少し傾きかけた頃に行ってみた。すると、ほとんどの花が同じ方向を向いていた。それも陽射しと反対のほぼ東向きなのだ。
何故なのだろう?

要するに、開花前の葉っぱの動きはあるが、花は名前の由来のように陽に向かって動くことはなく、ほぼ東を向いて咲いているらしい。
と言うことで、ほとんどのヒマワリの花が東を向いていたのは納得できた。

前にも書いたが、ヒマワリの名前の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことから、ではなかった?

調べてみると、こうした動きは生長に伴うものなので、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけらしい。

しかも、太陽に正対して動くのは、ヒマワリの茎の上部の葉だけで花ではないことが分かった。
若いヒマワリの茎の上部の葉は、太陽に正対になるように動き、朝は東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後、まもなく起きあがり、夜明け前にはふたたび東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなるそうだ。

そうした成長の過程で、日中に西へ向く動きはだんだん小さくなるのだが、夜間に東へ戻る動きは変わらないために、完全に開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かないらしい。

2016  Aug.19  tama
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