秋のおとずれ
北国からは、紅葉のたよりに続き冬を告げる初冠雪、初雪の便りが届き、富士山でも漸く初冠雪が見られた。もう、高い山々は冬の装いだ。
高原では、そろそろ紅葉が始まり、もうすぐそこには冬が控えているが、短い秋がおとずれていた。
最近は、激しく変化する気候で、今年の7月は、初めの10日間で日照時間が僅か二十数分だったりで、なかなか太陽が見れない日が続いた。

その後はガラッと変わり、毎日、アッツイー 暑い という日々が続き、関越道を走行中、本庄辺りで38℃、東松山で39℃、さらに川越付近では41℃を示したので、えっ!と思い窓を開けると、モアモアの熱い空気が頬にあたった・・・。

8月は暑い日が続き、6日連続の猛暑日、更に暑さは続き過去最長記録となったが、8月半ばを過ぎると、続いていた真夏日は、途切れ、気分的にも一段落した。

9月に入ると、涼しい日が多くなり、もう秋の気配かと思わせるようになった。また、今年は台風の発生が多く、各地に被害を出す台風もあった。

9月の関東東北の豪雨は、同じ地域で連続して激しい雨を降らす
状降雨帯という降り方。また新しい気象用語が聞かれた。

9月後半は、まだ暑い日があるだろうと思っていたが、思いのほか過ごしやすく、そのまま10月に入った。

10月初めの飯綱の森は、まだまだ緑が多く紅葉には早く、やっと秋がおとずれ始めたところだ。
日中は気温が上がったが、飯綱小屋では17℃と過ごしやすい。翌朝は7℃まで下がり、少し厚着をしないと寒い感じだった。

でも、高原の秋は短い、これからは朝晩と日中の気温差が大きくなって、木々の葉っぱは活動を休止して紅葉が始まる。

緑の森の中に、たまたま色づいた葉っぱを見つけるとハッとする。
もう少し紅葉が進めば何でも無いことが、まだ全体的に見ると緑色が多くを占める森の中では、すごく目だって見えるからだ。それも、陽が当たろうものならその葉っぱだけが輝くように見える。
森の秋は紅葉だけではない。
短い夏の間に花を咲かせ、実を付けるのも秋だ。
木の実や花の実があちこちで見られる。結実は子孫を残すことなので、木々や草花は必死なんだろう。
栗の実は、イガイガをぱっくり口を開けて実を地面に弾けだし、食べられないキノコもニョキニョキいっぱい顔を出していた。

山の高いところに朝陽があたり始めると、今までは、くすんだ色に見えていた山肌が、赤く輝き始める。
格好良く言えばモルゲンロート、朝焼けだ。
でも、モルゲンロートと呼ぶにはちょっと迫力が無いので、朝焼けといった方が良いのかもしれないが、そんな山肌も湖面に映るとなかなかいい感じに見える。
標高が高くなるとかなり紅葉が進んでいる様子が朝陽に照らされることで、良く分かって見える。
岩肌にへばり付いている木々が、朝陽を浴びて紅葉が引き立ってくるのだ。もう少し紅葉・黄葉が進むと紅・黄が色鮮やかになり、岩肌とのコントラストが美しく輝くことだろう。
池の周りの紅葉・黄葉は始まったばかりで、あまり馴染んでいない感じがする。

周囲の樹木が色鮮やかに染まり、さざ波が立たない時の風景を想像すると、ぜひその風景を見たいという気持ちが強くなる。
この池には、真冬を除けば、ほぼ全季節、もう何十年も、年に何回も来ているが、湖面から水蒸気が上がる光景を見たのは初めてのことだ。
池の奥の岸辺に近い辺りから湧き立ち、手前の方へ来ると少なくなり、時間とともに岸辺の方へ後退していく感じだ。
まあ、水温と気温の関係で発生するのだろうから、ちょうど季節の変わり目に起こる現象だろう。
なのに、何回も来ていても、初めてということのほうが珍しいような気がする。
なかなか見ることが出来ない幻想的な光景で、写真にはどんな風に写るのか・・・
湖畔で三脚を据えて、本格的に写している人たちは、この光景をさぞかしそれらしく描写しているのだろう。
2015  Oct.20    tama
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季節は移ろい、毎年訪れる秋。厳しい冬だったり、激しく変わる春の嵐だったり、夏の猛暑・酷暑や豪雨など、最近の気候はどうなっているのだろう、果たして秋はどんな天候になるんだろう、などと心配をしていた。

でも、秋はちゃんとおとずれ、いつもの年と同じく、朝晩の気温が下がって、日中との気温差が大きくなり鮮やかな紅葉・黄葉が始まった。

1年の気候が変わってきているからと、心配していてもそれはそれなりの各季節が遣ってくるので、我々がちっとも心配する必要などないのだ。

この世界は、生滅変化を繰り返し、常なるところはない。見たり、聞いたり、匂ったり、肌に感じたりすることで季節を知るのだ。秋のおとずれも・・・。

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