チビたちと行く晩夏の花咲く高原

今夏の日本列島は、今までに経験しなかったような大雨という言葉が何回も報道され、各地でそうした大雨が観測された。
この辺りでも1時間に100mmを超す雨が降り、道路が川のようになったことがあった。
今では大雨と猛暑の夏になってしまったが、かつての夏は、午後になると青空にモクモクと入道雲が湧き、やがてゴロゴロ雷が鳴り始め雷雨となる。一頻りザッと降る夕立で暑かった一日をサッと拭い去るといった、夏の日々が懐かしい。

そんな夏が終わりかけた頃、娘家族を誘って涼を求めて山小屋へ行ってみた。
天気は愚図ついたまま、曇り空。天気予報では曇り時々雨だったが・・・高速道路を走り出ししばらく行くと、朝陽が後ろから差して青空も見えてきて、天気予報よりは良い天気になりそうな予感。

しかし、峠が近づいてくると低い雲から雨が落ち始め、やっぱりダメ?でも峠を越えてトンネルを抜けると、薄曇りで明るい。高い山は霧に包まれているが、それでも走っていくうちに時々陽射しもあり、初めの良い天気になりそうが現実的になってきた。
多少の渋滞に巻き込まれたけれど、孫連れの自動車旅の一歩目は何とか・・・。

ちょうどお昼時に、山小屋近くの行きつけのレストランに着いた。朝が早かったので皆腹ペコ。ここはハンバーグをメインにしている。いろいろなハンバーグがあって美味しい。そこで、まずは腹ごしらえ。
心配していた天気はまったく心配などいらなくなり、夏が復活していた。陽射しは強いが、でもここは標高1,000m、空気が乾いていて快適。
ハンバーグは美味しいのだが、デザートのプリンやヨーグルトがこれもまた美味しいのだ。

いくら自然に近い状態にしておくといっても、歩いたりするのに邪魔になったり、植えた樹木がちゃんと大きくなるまでは、少しは下草を刈ったりしてやらなければと野良着になり草刈だ。

高原とは言え、長袖長靴手袋姿では暑い。小一時間で片付いたが汗びっしょりになってしまったが、休むと涼しいのだ、すぐに着替えないと風邪をひきそう。

草刈をしているとチビが興味をもってそばへ寄ってきて鎌を持たせろと言うが、あぶない あぶない。
 
鎌をを振り回しながら草刈をしているので、危ないと言うことが分かったチビは、棒切れを持って振り回しながら私の真似をする。

今は、何にでも興味を持つのでちょっと遣らせてみると、出来るか出来ないかが解かりできないことはあきらめている。

二ヶ月ぶりの山小屋だ。腹ごしらえもできたので、早速小屋の掃除から始めた。今回は娘たちが一緒なので中の掃除はお任せ。私は外の草刈など外回りをすることにした。

今回は、戸隠奥社の参道を歩きたいと言うので行ってみた。
せっかく行くなら、途中の鏡池へ寄って行くことにした。天気はそれほど悪くは無いが、いつもなら戸隠連山が池に映し出されているのだが、霧で山は見えずちょっとがっかりだったが、チビが元気いっぱい先頭を切って歩き回り、景色などそっちのけ・・・でした。
池の周りには、最盛期を過ぎた、ヤマハギが沢山花を咲かせていた。山の短い夏が過ぎていくようだ。

奥社の参道入口まで行くと、様子が変わっていた。以前はこの辺り駐車場は無料だったが整備され有料駐車場になっていた。いつも少し手前の森林植物園の駐車場までは来るがここは久しぶりで変わったことを知らずにいた。
結局、入口での待ち時間が長いので、森林植物園まで戻り、そこから園内の木道を歩いて参道まで行くことにした。

2014  Aug.31    tama
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駐車場で下りたチビは元気いっぱい。緑が池を周回する木道を走りながら進む。大人もそれに引きずられ早足や走ったりで大変だ。
奥社の参道入口に着くと大きな鳥居、そこまで来てもう疲れたかと思いきやまだまだ元気で、参道も先頭を切って歩く。少し勾配があるので流石に走りはしない。

参道の両側をちょろちょろと小川が流れているので、石を投げ入れたり、川べりに咲いている白いシラヒゲソウを見ながら「あれ何?」など遊びながらの歩きになってきた。
でも、徐々にエネルギーがなくなってきたのか、参道に座り込んだりし始め、ついにはパパに抱っこされた。

参道も入り口付近から随神門までは、両側は広葉樹の雑木林が広がっているが随神門近くになると太い杉の木が少しずつ目に付くようになってくる。
大きな杉の木が出てきたので、抱っこされていたチビに「大きな木に触ってごらん」なんてだましだまし言うと、また歩き出し木の根元へバーバと行くと言う。おっかなびっくりのぎこちない足取りで、木の根元に行き杉の木に触ってきた。

少しはエネルギーが快復してきたのか、随神門が見えてきたからなのか再び歩き始め、ついに随神門に到着。
随神門から奥社までは、樹齢400年とも言われる杉並木の大木が参道の両側に続いている。杉の木に抱き付いて大きさを再確認する人もいた。

随神門にたどり着いたチビではあったが、門をくぐったとたんに地面に座り込んで動かなくなった。あまりに大きな杉の大木が続く参道に圧倒されたのか、力尽きたのか?

今回は随神門までとして、奥社まで行くのは断念、引き返すことにした。
それでも、随神門のすぐ近くにあるパワースポット、以前JR東日本の宣伝で女優吉永小百合が撮影された杉の木まで行ってみることにした。

パワースポットに行くと、木の根元に空間が出来ていて祠のようだった。チビは覗き込んでみるがちょっと怖そう。おっかなびっくり覗き込んだ。
そろそろ引き返すことにして歩き出した。ここでパワーをもらったのか帰りは、パパ・ママに手を引かれて何とか入口まで戻ってきた。

参道入口まで漸くたどり着いたがチビのエネルギーは底を突いてしまった様で、パパ抱っこと。
そこでママはアイスクリームでも食べさせればと、くまざさアイスクリームを買いに行った。実はチビよりママの方がアイスクリームを欲しがっていたのだけれど・・・
果たして、くまざさアイスクリームをママからもらったチビは、途端にエネルギーが蓄積できたのか走り出し、木道を歩く大人を追い越して走っていった。

チビは走りながら咲いている花や赤い実などを見つけると、「あれ何?」を連発!
あれは、アケボノソウ。あれはツルニンジン、ヤマホタルブクロ、ガマズミ、キツリフネ、ウメバチソウ、サラシナショウマ、シシウドなどと答えながら、走っては止まり「あれ何?」、また走っては歩きを繰り返しながら森林植物園の駐車場に無事帰着。

この日も天気はまずまず、奥社から中社そして宝光社を経て、お昼はそばを大久保の茶屋で食べようと向かった。
途中のそば畑で、真っ白に咲いていたそばの花をパチリ!
みどりの葉っぱに薄っすらと雪が舞ったような風景は久しぶりだった。

ここは、何時来てもいい場所だ。そばが無ければ戸隠の山々やアルプスが見えるし、四季を通していろいろな景色を見せてくれる。

美味しくそばも頂いたので、戸隠から帰ることにして、ここまで来て母親の顔を見ていかないということもできないし、チビも生まれて数ヶ月の赤ん坊の時以来なので実家に寄っていくことにした。

実家では、姪で娘の従妹が私たちが来るといってやってきた。
姪もチビと同い年の娘と一歳になる息子を連れてきて、最初はチビが何だか恥ずかしそうにしていたが、少しずつ本領を発揮してきて、姪の子と遊び始めた。

すぐ脇にある畑にトマトが生っているから採っていこうとすると、チビも行くとついて来て、初のトマト採り体験をした。
そして、田舎が面白くなったのかその辺りを走り回り、リンゴが赤くなっているのを見つけて、また「あれ何?」あれがチビが好きなリンゴだよ、と。でもとても不思議そうに何時までも見ていた。

最後に実家に近い所を通っていた、長野電鉄の電車が数年前に廃線になり、昔通学に使っていた最寄り駅には数両の電車が今後の見通しが無いまま置かれていた。既に線路などは撤去されてしまっているが、ここの駅はまだそのままだ。

電車大好きなチビは、でんしゃ でんしゃ と大はしゃぎ!こちらで実際に乗ったりはしているが、間近で実物をじっくり見ることは無いので、大興奮。

今回は、チビにとってはいろいろな田舎経験が出来た旅だった。

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