台風の後始末と小さな秋を探して
今年は、秋が無くて夏から冬へ一っ飛びという感じの季節の移り変わりだ。
そんなせいなのか、10月の前半は夏のような暑さが訪れたり、後半は台風が毎週のように遣って来て、沢山の被害を各地にもたらした。
さらに季節はずれ?の猛烈な台風30号は、フィリピンの大きな被害をもたらした。若い頃仕事で行ったレイテ島のタクロバンが最も大きな被害にあったようだ。
我が家の飯綱小屋でも台風26号による被害があり、現地から連絡は来たものの、すぐには行くことが出来ず、この頃になって漸く行って見て来た。
小屋へ通じる道路に倒木があったとか、かなり風が強かったようで、小屋の近くの一の鳥居から、良く行く蕎麦処の「大久保の茶屋」へ通じる戸隠古道も倒木で塞がれてしまい、戸隠レンジャーが出動して倒木の処理をしたそうだ。
飯綱小屋で一番大きかった被害は、倒木によって電気の引き込み電線が切られたことだ。その他は、樹木の枝がかなり折れて落ちていたりした。そんな枝を拾ったり、周囲の倒れそうな木を切り倒したりと片づけをしてきた。
既に山小屋辺りは紅葉・黄葉が終わってしまったが、そこいらにまだ残っている山の秋を探したり、平地ではまだまだ色づいた木々が見れたので、紅葉も見たり、実家によってりんごをもらってきた。
山から下りて、実家に向かった。実家の近くの清水寺のもみじの紅葉は、毎年のように行って見ているが、ずいぶん綺麗だったので、どうかと思い寄ってみた。
時期的には、少し早いような気がしたが、それでも綺麗な紅葉が見れた。
清水寺裏の太郎山の中腹にある、観音堂へ続く石段の参道脇に、見事なもみじが真っ赤に紅葉していた。でも、今年は天候のせいでか?時期的に早いからか分からないが、やや色づきが悪いような気がした。
清水寺から5分ほどで実家だ。
実家では、92歳になる母親が相変わらず縁側の椅子に座り本を読みながら私が来るのを待っていた。まだまだ元気だ。
さっそく、先日の台風で落ちてしまったというりんごをむいてくれて、ちょっと早いけれど蜜ものってうんまいぞ、と。
なるほど、ちょっと酸味がある甘いフジがとても美味しかった。
りんご畑を見ると、真っ赤に染まった大きなりんごがたわわに生っている。
それを狙ってサルが出没するそうで、サルに食べられるなら少し早めでも、もう美味しいから採っていけという。
この辺りでは、最近サルが家の軒先まで来ると言う。
先日も庭に落花生を干しておいて、いつも母親が縁側に居るが、昼食で奥に行って戻ってくると、庭先で2匹のサルが落花生を食べていたとか。
今、田舎では柿やりんごが色づいて美味しくなっている。
北信濃、平地の長野市街地では、まだ晩秋という感じだが、小屋がある飯綱・戸隠では紅葉も終わりかけ枯れ始めて初冬だ。
戸隠山、飯綱山では10月18日に初冠雪を見ており、小屋の辺りももうすぐ雪景色に変わるだろう。
蕎麦畑は刈った後が残り、地面は霜柱が土を押し上げていて、畑に足を踏み込むと、ガサ ザクザクと心地よい足応えだ。
畑にに生えている草は、霜によって凍ったように表面に氷が付いている。
枯れた様な木々でも、見ればハッとするような紅葉が残っていたり、枯れ落ちた葉っぱがなくなり透かしてみる向こうに赤いものが見えるので行って見ると、マユミの実が、もう色褪せるばかりになっていたり、枯葉が地面いっぱい広がっている中に、真っ赤な実がポツンとツルリンドウだ。
もう初冬の山だが、小さな秋が殺風景になってきた景色をまだまだと引き立てていた。