今冬は寒冬、公園風景

今冬は、東京でも26年ぶりの寒い冬で、日本中酷寒と大雪で大変な冬となっている。
雪国でも、この大雪には悲鳴を挙げているようだ。長野県北部の栄村の秋山郷というところがあるが、私が子供の頃は、冬季になると大雪で幹線道路も通れなくなり陸の孤島として有名だった。
積雪も3〜4mはいつものことであったことを思い出すが、今は雪の量も少なくなったのか孤島とはならないようだし、ニュースでも雪下ろしの様子が報じられている。今、住んでいるこの辺りでも、1月下旬には雪が降った。降ったと言っても、わずか数センチメートルなのに、大騒ぎだ。この程度の雪だったら、いつもの年なら日が当たればすぐに解けて流れてしまうのだが、今冬は違う。
いつまで経っても雪が消えなかった。ちょっと日陰なら降ったそのままといった感じがいつまでもあった。そんな、幾日か後の公園を歩いてみた。

咲いていても目立たない花にロウバイも含まれる。
なぜ、目立たないかといえば、花びらが小さい。それも薄黄色で光の加減で目だたな過ぎの花だ。周囲が枯れ色で、それが背景になるからなお更目立たない。
公園で、ロウバイがどこにあるか知っている人は、そろそろ花を咲かせるだろうと、そこへ行くから咲いていると分かるが、知らない人は花が咲いていることに気がつかずに、そこを通り過ぎている人がいるかもしれない。

ここに写したロウバイも、サッと目には何だか分からないような花だったが、光を透かすように撮って、ある程度アップしているから、それと分かるが、曇り空の日など本当に目に付かないと思う。

今冬は、この時期やっぱり花を付けるマンサクが全く花を付けていない。この公園に、数本あるのだがどの木を見ても花がない。
黄色い錦糸卵のような細長いひも状のちぢれたヒゲみたいな花だ。
春に他の花に先駆けて咲くので”まず咲く花”ということでだんだんと ”まんさく”になってきたらしい。が、その先駆けの花が咲いていないのだ。やはり寒すぎなのか???

寒いといえば、霜柱が見れた。
高さが3cm〜5cmくらいまで成長していた。この辺りでは、最近見たことがなく、ちょっと宝物でも見つけた様な気分になった。もう何年も前になるが、近くの空き地の土が削られて崖状態になっているところで霜柱を見て以来だ。
霜柱は、地下の水分が土の粒子の間を毛細管現象で運び上げられ地上の冷気で凍ったもので、次々に水分が供給されるとどんどん成長して長い霜柱になる。また、普通の土より赤土の方が水分を蓄えやすいので、長い霜柱ができやすいそうだ。
田舎では、霜柱ができると、その上をざくざく崩しながら歩いたものだ。気持ち良いものだった。でも、この辺りで見る霜柱は踏み潰したらもったいなくて、そのままにしておいた。

霜柱といえば、シソ科の花にシモバシラ(霜柱)という花がある。厳冬期、枯れた茎の根元付近に霜柱のような氷柱の出来ることから、この名前になったようだ。

2012 Feb..18.. tama
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寒い寒いと言っていても、立春が過ぎたのだから暖かくなると思いきや、今冬はなかなか寒さが終わりそうも無い。でも、最近は日の出の時間は早くなり、日の入りが遅くなって、日中の時間が長くなっている。
2月の月初めは6:42だったが、2月12日では6:32になり、月末には6:12で30分も早起きになるのだ。北へ行くほどこの幅は大きく、札幌では40分ほど早くなる。
そして、陽の光が明るくなってきているのだ。そういえば二十四節気の「雨水」だ。
「空から降るものが雪から雨に替わる頃、深く積もった雪も融け始める。春一番が吹き、九州南部ではうぐいすの鳴き声が聞こえ始める。」というそんな季節なのだが、どうもそんな暦どおりにいかないのが現実だ。
グランドへ行ってみれば、周囲に植えられたアキニレの木に付いているのは、葉っぱではないはず?実の殻?これが日中の強い日差しを浴びると、ハッとするほど白いので驚いてしまった。こんな風に書いても、写真に撮ってもその様は表現できない状況なのだが、これは春の明るい陽光による演出なのかもしれない。
アキニレの木の下は、まだまだ枯れ草ばかりの枯れ色なのだが、よく見るとオオイヌノフグリの花が幾つも咲いていた。
あまりにも小さい花だし、強い陽射しでは花びらの紫色も白っぽく目立たないのだ。
こんなに寒い寒いと言っていても、公園内を歩いただけでも、もう春はすぐそこまで来ているよ、と言わんばかりに植物は活動し始めている。人間も、そろそろ上着を脱ぎ捨ててフィールドへ飛び出さなければ・・・

寒いと言いながら、公園内を歩いていたら変なものを見つけた。
見つけたというか、冬枯れていたアジサイの茎を見ただけなのだけれど…。これは、冬篭りしているアジサイの様子だが、先端に付いた、冬芽は春の訪れを準備しながら待っている。

一般に樹木の構成は、大きく分けると根っこ、幹と枝、葉っぱ、花から成っていて、それぞれ専門の役割がある。まず、根っこは土中から水分や養分を吸い上げる役割と、木を地面にしっかり据え付ける役割だ。
葉っぱは、太陽光を使って光合成を行い、植物のエネルギー源となるでんぷんのような物質グルコースを作る。花は子孫を残すという仕事を担っている。

幹と枝は、植物全体を支えているが、水や栄養素を通すパイプ役をしている。土中の水分は、根っこで吸収して、幹や枝を通って葉っぱに送られる。逆に葉っぱで生成された養分は葉柄を通って枝や幹、根っこまで送られる。
でも、今の時季、冬篭りしている樹木は上記のような仕事はせず、仮死状態になっているのだ。解説が長くなってしまったが、面白いのは、先端の冬芽の下を見ると、傷跡のようなものが見える。これは葉痕という、前年の葉っぱが茎に付いていた跡なのだ。
左の写真は、冬芽の付いたアジサイの幹だ。
それを部分的に拡大して見ると何かの動物の
顔のように見える。
ちょっとユーモラスで目、口、鼻といった風に
見えてくる。でも、これは水分が枝から葉っぱ
に入る管と、葉っぱで作られた養分が枝に送ら
れる管の跡なのだ。

元気が良さそうでちょっと強気なラクダといった顔つきに見える。

目をつぶり落ち込んでシュンとしているような顔つきのラクダ。

おとなしく寝ているラクダの顔

いろいろな樹木の冬芽を探して、葉痕を見てみると面白い顔つきが見つかる。今までに見たことがある中では、クルミはヒツジ。ニセアカシアは棘があるので、それを長い耳にした犬の顔。お猿さん顔はカラスサンショウなどなど見つけると楽しいものですよ。

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枯れ色の公園だが、そんな中よく見ると花を咲かせているものもいくつか見える。
今の色が無い時季の紅梅の赤色は目を引くはずだが…。この紅梅、控えめなのかさっぱり目立たない。花が小さいこともあるが、色がちょっとくすんでいる感じもあったり、生気が無い花びらで目立たない。
だから、通りかかって、もう紅梅が咲く季節かと思っても写真を写そうという気になれない。
というか、上手く撮れないだけなんだけれどね。
写すとしたら、陽が当たっている明るい花びらか、太陽の光を浴びている後ろから透かすように写すかだ。

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