金環日食
2012年5月21日、「金環日食」が見られた。日本全国では、部分日食を見ることができ、九州、四国の南部から近畿、中部地方や関東各地にかけてのベルト状の広範囲で金環日食を見ることができた。ただ、天気によっては、残念ながら見えなかったところもあるようだ。
日食は「部分日食」を含めると、地球全体では1年に数回の日食が起きているそうだが、毎回「皆既日食」や「金環日食」になるわけではない。
「皆既日食」や「金環日食」は極狭い範囲でしか見ることができないため、めったに起こらない珍しい現象ということだ。
日本の陸地だけだと、1987年9月23日に沖縄で見られた金環日食以来のことだそうで、次に見られるのは、2030年6月1日に北海道で見られる金環日食まで、18年間起こらないようだ。こんなことからも、非常に珍しい現象と言える。
「日食」は、太陽の手前を月が横切るために、太陽の一部または全部が月によって隠される現象だ。
日食のときの月は新月で、新月は毎月あるけれど、日食はめったには起こらない。それは、太陽が地球と同じ面にあるとすると、月の軌道面がその面に対して、少し傾きを持っているからだ。
なので、この交点になるあたりで、太陽、月、地球が一直線になると、日食になる。
ただ、月の軌道は楕円軌道のため、地球と月の間の距離は、常に少しずつ変化している。この差で、金環日食になったり、皆既日食になったりする。
月と地球の間の距離は、約380,000kmで、地球と太陽の距離は、 149,597,870 km(約1億5千万km)あり、約400倍もの距離がある。太陽の大きさは、地球の約100倍。地球は月の4倍の大きさだ。と言うことは、地球から見た、月と太陽は、ほぼ同じ大きさに見えるってことになる。
なので、地球と月の少しの距離の差で、月が太陽より大きく見えると、皆既日食になって、小さく見えると金環日食になる。
先日、5月5日6日には、月が地球に接近したときに、通常の満月より大きく明るいスーパームーンがあったが、その時の月と地球の距離が今年の最も近い距離で356,955km。
そして、今回の日食の前日、5月20日には、月との距離が今年最も遠くになり406,442km。だから、21日の日食は、太陽より月の見かけの大きさが小さくなり、金環食になったのだ。
今回の日食は、部分日食について見れば(含む金環日食)、赤道以北の太平洋をすっぽり含む北半球全体で見られ、金環日食のベルトは、中国大陸の南端から、徐々に東へ進み台湾、日本、太平洋上をさらに東へアメリカに達した。
日食が始まり、金環食になり前面を覆われてしまうと、やはりやや暗くなった。それにしても、逆に淵を残して太陽の光を遮るにもかかわらず、ほんのわずか暗くなるだけ、というのも太陽の凄さだ。
我が家では、私は年初あたりから、この日を密かに待っていた。写真を撮ろうと思っていたが、その為に専用フィルターを買うのももったいないので、「日食観察プレート」をフィルターとして使うことにした。いよいよ来週と言う頃になって、レンズの先に付けられる様に、工作をしていると、そんなことには関心を示していなかった妻が、報道で知ったようで、私も見たい、というので、A4の厚紙を四角く切り抜き、日食観察プレートを取り付けて、簡易型めがねを作ってやった。
すると、83歳になる、何事も興味を示す義母も、報道で知り、めがねないかしら?というので、同じものを作って届けた。
そんな訳で、我が家では、私は5時頃から9時まで、義母も6時前から、妻は私がごそごそやっているのに気がつき、起きてきて日食が始まる頃から、時々ベランダへ出て見ていた。結局、我が家では、皆が金環日食を見た。
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