お彼岸

お彼岸の中日の日、お墓参りに出かけた。いつも車で行っていたが、お寺の駐車スペースが少なく、運が悪ければ駐車できないので、電車で行くことにした。

駅に着いて、ホームで電車を待っていると、下り線に「銀河鉄道999」のデザイン電車が入ってきた。

お彼岸、「銀河鉄道999」電車に乗ってなんて、行けたらよかったのだけれど、そんな訳にもいかなかった。

まあ、電車自体は普通の3000系という車両で、乗ったこともあり、どうってことは無いのだが、何年か前から、たびたび見かけるので、写真に撮りたいと思っていたのだ。
西武鉄道のHPによれば、2009年5月から運転されているそうだ。銀河鉄道999の生みの親であり、西部池袋線の沿線にお住まいの、漫画家・松本零士さんの協力でできたとか。

お寺は、池袋近くの雑司が谷だ。
数年前から、地下鉄の副都心線が開業したので、このお寺へ行くのに便利になった。以前も、都電・荒川線が通っており、それほど不便ではなかったが、東池袋か大塚で乗り換えなければならなかったことを思い起こせば、乗り換えなしで行けるので、やっぱり便利になった。

天気もよく、絶好のお彼岸日和。ただ、少し気温が低かったので、池袋から歩けば暖かくなるだろうと、せっかく乗り換えなしでいけるのを、15分くらい歩いてみたが、それほど暖かくはならなかった。
お寺は、鬼子母神のすぐそばなので、まず鬼子母神にお参りをしてから行くことにした。お寺へ行くときは、必ず鬼子母神に寄るというセットになっているのだ。
このお寺には、妻の実家、それと親戚のお墓もある。
このお墓は、妻の祖父で江戸っ子の、商売屋のオヤジとくれば、にぎやかなことが大好きという人で、都電・荒川線がすぐ脇を通り、電車が見えて、電車の通る音がにぎやかでいいと、ここにしたとか…。

春と秋のお彼岸のお中日に、お寺へ行くと親戚と出会うことが多く、この日も誰かに出会いそうだと、義母が言う。いつもお寺か、鬼子母神の境内で会うからだ。
子供たちが小さい頃は、境内に昔からある駄菓子屋で、品定めをしていると、だいたいめぐり合えていた。
今日は、義母がお中日だから誰か来る、と…鬼子母神の本堂へ歩を進めると、あっ! おばちゃんだ!!と言うと、我々には分からないのに、さっさと歩いてその人のそばへ、そこには義父の弟の奥さんがいて、その周りには孫夫婦と子供たちが居るではないか。
さすが、長年生きていれば、我々とは違う感覚が働くのかと、ちょっと驚き!
それではと、一緒に両家のお墓参りをし、御斎のお稲荷さんと海苔巻きをいただいてきた。

今年は、3月20日が春分の日で、お彼岸の中日だ。
春分の3日前の日を「彼岸の入り」、3日後を「彼岸の明け」で、春分は、その真ん中だから、「彼岸の中日」なのだ。このお彼岸は、仏教行事だが、日本独特の行事で他の仏教国には無いそうだ。

彼岸は仏教用語だが、煩悩に満ちた世界「此岸(しがん)」から解脱した悟りの世界、涅槃を指すのだとか…。
こちら(此方)の岸とあちら(彼方)の岸と言う意味で、煩悩に満ちたこちら(此方)の岸を現世、あちら(彼方)の岸を涅槃の世界で死後の極楽浄土ととらえ、亡くなった先祖たちの霊が住む世界を「彼岸」と考えるようになったのだそうだ。
そんな訳で、彼岸には墓参りをする、となるわけだ。

昔から、彼岸には先祖の霊を敬い墓参りをする風習があって、地方によっていろいろ違いはあるようだが、春にはぼた餅、秋にはおはぎや団子、海苔巻き、いなり寿司などを仏壇に供え、これを食るといった風習はどこにもあるようだ。
春は、ぼた餅を食べるが、そのような風習に習っているのだろう。
そんな訳で、ぼた餅を買って帰り、いただいた。程よい甘さのつぶあんが、これも程よく潰されたもち米を、いっぱいに包んで、美味かった。
行こうとしている妻の実家の菩提寺は、お昼時に行くと、お稲荷さんの御斎が出るが、こうした風習なのだろう。
back to Nature Info
2012 Mar.25. tama
HOME
inserted by FC2 system