戦うセミ
朝、羽化したセミの抜け殻を見つけて、翌日その木を登って行くセミを見つけた。
細い茎を上へ上へと、手に持ったら引っ掻かれそうな6本の足を不器用に動かしながらゆっくり登っていた。
徐々に高いところへ行くと、細い枝になり、あの体重が無い様に見えるセミの重さで、枝が撓う為宙吊り状態になったりしていた。
それでも登る!落ちては登る。
木の茎も上の方は、柔らかで撓うので、セミも四苦八苦していた。
細い枝は撓うので登って行っては落とされ、枝先の実がついている当たりでかろうじてストッパーになり止り、撓って揺れていた。
しばらくもがき、次の枝へ乗り移るがブラーンとまた落とされる。
何回も何回も一番前の2本足でチャレンジ、一時は下向きに歩き始めたので、これは下向きになって鳴くという、その習性の表れか?
はっきりした名前は分からないが、図鑑やネットで調べるとエゾゼミらしい。日本中に分布しているようで、平野部でもいるらしいが平野部では見たことが無いし、鳴き声もしないような気がする。
まあ、アブラゼミの鳴き声が聞こえるから区別がつかないのか?でも、田舎へ行くと、人家の辺りでは、普通のニイニイゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミで、山では普通のセミではなく、ジー?ギー?と言うような低い感じの鳴き声が山中から聞こえて来るが、エゾゼミのようだ。
今回の観察は、このセミが羽化後に動き回る様子だった。緩慢な動きをしていて・・・まあ、セミがそれほど俊敏な動きなどするはずも無く、飛び立つ時くらいだと思う。
最近は、セミを捕るなんてことをしなくなったが、子どもの頃は木にとまっているセミを手で捕ったものだ。それを逃すと、セミがオシッコを我々にひっかけて飛んで行ったものだ。
セミは、頑丈そうで、ギザギザの前足を持っているが、動きを見ているとゆっくりゆっくりしていた。
そして、まだ飛べないのかと思っていたら、木の天辺あたりで落ちそうになり、飛んで行ったしまった。飛び立つ瞬間、良くギーなど声を発していくのだが、このセミは静かに羽音だけだったので、ひょっとしてメスだったのかもしれない。