枯れ木の間で、ピンクが一際鮮やかに見えているのは紅梅だ。この花は、1月からずっと咲いている。先月見たときもパッと目に飛び込んできたが、今回も、えっ!まだ咲いている、とちょっと驚いた。
でも、近づいてよく見れば、すでに枯れ花状態になっていた。でも、遠目には最盛期と変わらぬ色合いで見せているのは、どうしてなのだろうか。
花の命は短くて…???

樹木もやはり春を待ち、春を感じて芽吹き開花のときを迎えた。が、真冬でもずっと咲き続けていたサザンカは、あっちに咲いていたかと思えば、こっちでもというように、いつもどこかに花を見せていた。
遊歩道の脇に植栽された小木に、赤いものが見えた。近づいて見れば花が咲いたり蕾があったり…サクラのようだが?看板にカワズザクラと記されていた。これがカワズザクラ!伊豆の河津町では川の両岸に咲くカワズザクラが有名で、写真では良く見られる光景だ。
この公園では、数本が植えられているが、早い時期からにぎやかな花が見れて、気持ちも華やかになる。

野球場では、いつも聞こえてくる威勢の良い掛け声でプレイを楽しんでいた。ちょっと泥濘んだグランドの土がスパイクの裏に付き、団子状になった足を払いながらも、皆んな元気な掛け声をだしていた。そんな声にも暖かくなって春間近という嬉しさが聞こえてくるようだった。

バーベキューなどできる広場の一角では、ボーイスカウト?でも女の子やおばさんも混じっていたからボーイスカウト &ガールスカウトとでも言うんだろうか?が行事を終わって国旗を下ろしているところだったが、昔見たボーイスカウトの人たちは、動作がビシッとしていたように思う。何だかナヨナヨして、エヘラ エヘラしたような仕種…これも時世の流れなのだろうか。

公園内を歩いて回ると、いつも走るグランドでは、ちびっ子のサッカー大会が行われていて、プレーしているちびっ子たちよりも、応援の母親の黄色い声が、うるさいほどだったが、真冬の寒い日の大会で出していた声とは違う、楽しさがあふれていた。

2月 冬から春へ

比較的暖かかった1月が終わり、2月に入ると立春だというのに寒さがやってきた。
2月を振り返って見れば、雪が降った日数が9日間もあった。1回降ると3日間続きそれが3回あったのだ。

平年が3.5日というのだから倍以上、それにこの雪の回数は26年ぶりのことだという。
確か1980年代だったと思うが、仕事で関東地方の雪について調べたことがあり、大雪が降る周期が約11年だということを記憶している。でも、最近は気候の傾向も変わってきているので何とも言えないが、エルニーニョ現象だとか北極域の寒気が強弱を繰り返す北極振動という現象など、いろいろな現象が影響してのことなんだろう。

そんな2月も残すところ数日となった日、今度は一変してポッカポカの春が訪れたかのような、3月下旬、4月上旬の陽気だ。

2月最初に雪が降った日は、数日前から天気予報が、雪になるといっていたし、その日は朝こそ日差しがあったものの、気温が上がらずに寒く本当に雪になった。
降り始めは雨だったが気温が低かったので雪に変わり、夜半には5センチくらい積もった。この辺りでは大雪だ?

雪が降ると、何となく嬉しくなって、犬じゃあるまいが、駆け回りたいような気分になる。
これは子供のころもそうだった。寝る前に雪が降っていると、翌朝はどのくらい積もるのか楽しみだったし、あの頃は大通りまでの道路は、その地域の人たちが出揃って雪かきをすることになっていたので、そのお手伝いが…?まあ、雪遊びが好きだったのだろう。

そんな気持ちを、いつまでも持ち続けているのかもしれない。
家に帰って、ずいぶん積もっているから明日の朝はどのくらい積もっているだろうな?と妻に言うと、そんな私の気持ちを見透かしたように、明日の朝は雪かきなんかしないでよ、だって。

いつも雪が降ると駐車場やみんなが通る通路の雪かきをすることを知っていて、先制されてしまった。
そして、窓を開けて夜の雪景色を写してみた。

翌朝、起きてみると空は青空、ピッカピカの朝日が白銀の世界を照らしていた。
それにしても、2月18日までの雪日数は9日あり、2日に一回は雪が降っていた勘定で、しょっちゅう、雪が降っていた感じだ。しかし、これは冬から春への通り道、かみ雪が降るのは春が近づいている証拠なんだろう。


この辺りで降る雪は、たぶん「かみ雪」だろう。
[長野県北部で「かみ雪」と言う場合は、県中南部の、ふだんあまり雪が降らない地域で、湿った雪が降ることを指す。太平洋岸を低気圧が通り、北から寒気が流れ込む形で、主として太平洋岸に積雪をもたらすことをいうのだ]
「かみ雪」は、長野以外では通用しないのかも知れないけれど、関東辺りで降る雪は、やっぱり私に言わせると「かみ雪」になる。

そんな気温が一桁の寒い日々が続いていたが、20日を過ぎると、コロッと二桁の気温に変わり暖かさが続き、やっと春の足音が聞こえてきたような感じだ。そんな日に久しぶりに公園へ行ってみた。

公園までの道すがら、辺りの様子を見ると街路樹が、きれいに剪定されて、残されたのは太い幹と太い枝だけで、枝先の細かい部分は切り落とされていた。歩道の反対側の樹木はそのままボウボウと細い枝があっちこっちの方向に伸びていた。

剪定は、老化した枝を切り落とし新しい枝が出てくるよう木を若返らせたり形を整える。それによって風通しを良くして、養分を効率よく行き渡らせて成長を促進し、開花、結実を促す。また、病害虫の繁殖を予防するなどの効果がある。街路樹の剪定は、あまり気にしていなく、木が大きくなりすぎたから切っているんだ、くらいに考えていた。
よく考えてみれば、実家のりんごの木の剪定は、実を大きく生らせるために重要な作業のひとつだったことを思い出した。

剪定をする時期は、花や実が付く樹木はそれらが落ちてから、落葉樹は葉っぱが落ちて休眠期に入った冬の間が樹木に負担がかからなくていいようだ。
こうした街路樹の手入れも、冬から春への準備作業だ。

この辺り一帯は、昔アメリカ軍の基地があった場所で、一部を自衛隊が使用して残りは、跨る市区が公園として開放していて緑が多い。これからは芽吹き、たくさんの緑の葉っぱが覆いつくし緑のトンネルとなり、夏は暑い日差しを遮ってくれ、木漏れ日のお散歩道となる。

公園には、やはり春の足音を聞きつけた人たち、家族連れが多く、幼子の手を引く両親祖父母の姿が多く見られた。
そんな光景を見ると、娘が小さいころ暑い寒いなんて関係なく、雨さえ降っていなければ、公園へ行こうと娘にせがまれて遊びに行ったことを思い出す。
娘は、砂場で砂遊びが大好きで、近くの水道から水を汲んできてお団子を作って、はい食べて、などと、よく遊んだ。今も、公園の砂場は幼子たちの良い遊び場のようだ。

公園の一角では、ズボンの裾を捲し上げ、噴水の周囲の池に足を入れていた小学生の女の子が二人、キャッキャ キャッキャはしゃぎまわっていた。

それを見ていた幼子も、水に足を入れたそうな仕種をしていたが、親はダメダメと…親であればそう言うだろうなと、見て通った。
自分も、まだまだあそこへ手を入れてみる気にはなれなかった。水ぬるむ…という季節には、少し間があるようだ。

陽だまりでは、おじさんたちがベンチに跨り将棋に精をだしていた。このおじさんたちは、寒い間でも同じような姿を見かけたことがあったが、やはりこの日のほうが、楽しげに和んだ雰囲気が感じられた。

 「♪〜東京で見る雪はこれが最後ね」と・・・・歌の文句じゃないけれど、東京に降る雪は、もう最後にしてほしい。
やはり雪は、雪の備えがある雪国に降るのがマッチしている。

東京辺りで降る雪は、たいした量でもないのに、その備えができていないから、大騒ぎで電車はすぐに止まるし、渋滞が始まる。

それに多いのが、すってんころりんと、転倒して怪我をする人が続出することだ。
雪の多いところでの転倒ならばたいした怪我も無いのだが、雪のクッションも無いコンクリートだったりアスファルトの上に転がるから怪我が多いし、転ばない歩き方も知らないから余計にいけない。

公園を一回りして帰ろうとして、空を見上げれば、冬枯れた樹木の枝を抜うようにして、飛行機雲が伸びていた。

公園の出入り口の広場では、これも春を感じさせる女性モデルの撮影をしていた。いろいろなポーズをとらせながら撮っているが、待っているモデルは厚手のコートを着て寒そうだった。

気温は12〜3℃、まだまだ肌寒い感じだが、こんな風景を見るとやはり春間近と感じる。

♪〜なごり雪も降る時を知り ふざけ過ぎた季節のあとで・・・本当にこの2月はふざけすぎの天気だった。

暖かくなり始めた朝に、外を眺めると春霞なのか霧なのかよく分からなかったが、視界が利かない。遠くの建物や風景が薄っすらしたシルエットとして浮かび上がるように見えていた。

こうなると、本格的な春の訪れだ。

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2010 Feb.27 tama
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