開花して1週間くらいした日に、咲き具合はどうかと近所を見て歩いたが、そのときサクラは五分咲き程度だったが、更に約1週間後には、ほぼ満開になった。
サクラの開花日から満開日までの日数は、どのくらいかかかるか気になったので、調べてみると、当然ながら地域によって異なるようだ。四国、九州方面では8日〜9日、中国地方から関東はだいたい7日間程度、北海道、東北、北陸地方は4日〜5日だという。

開花日・満開日は大雑把に言えば南が早く、北ほど遅いのは、これは北ほど寒いのだから当然だが、面白いのは開花から満開までの日数が北ほど短いという。これは、どうしてなんだろう?北国の春は短いと言われているので、そのせいなんだろうか?どうだろう。

まあ、日最高気温が高ければ高いほど、満開日までの日数が短いはずなのに、そうならないのは、前述の温度の法則と一致しなくて、一般にはこうである、と言えない。どうしてだろう?でも、春の天気は猫の目のように変わっているので、気温の上昇スピードの違いとか?そのへんのことはよく分らないから、専門家にお任せましょう。

   開花して1週間くらいした日と、更にその約1週間後のほぼ満開になった様子を写した写真を並べてみた。
   やはり満開になると、辺りの雰囲気も華やかになってくる。

足踏みサクラが…やっと

不順な天候が続いていたが、東京のサクラ開花予想は早く咲くと発表されていた。果たして…その予想通り3月22日に開花した。
ところが、である。それからが長かった。いったん開花はしたものの、3月いっぱいは一日の平均気温が二桁に及ばず、最高気温も15℃に届かず、最低気温が氷点下と言う日さえあった。4月に入ってからは最高気温が20℃を越す日があって、足踏みをしていたサクラが開花から11日でやっと満開になった。

サクラの開花や満開には温度による法則というか目安があるようで、ほぼその通りになっているようだ。
その法則とは、開花には、600度の法則というのがあって、2月1日からの毎日の最高気温を積み上げて、累計が 600度を超えるとサクラが開花するという法則。
また、満開には120度の法則というのがあって、開花から毎日の最高気温を加算していって120度になると満開になる。というものだが、けっこう中っていたような気がする。

サクラの開花は、日本人なら誰もが待ち侘びていたことだと思う。それは、寒い冬から暖かな春を迎えるのと同じような気持ちに思える。多少寒くても開花したら、人々はサクラの木の下に集い、飲んだり歌ったりしたくなるのだろう。

開花してから、氷雨にさらされたり、氷点下の朝を迎えたり、20℃を越す日があったりし何分咲き、まだ何分咲きという足踏みの日々が続き、漸く満開を迎えれば、サクラの花もうるさいほどに、これでもかこれでもかというほど、花びらを開き、こんなにもたくさんの花があったかというほどになった。

人間も、満開のときを迎えれば、これまたサクラの花に負けないほどの人たちが、どこに居たのかと思うほど、ぞろぞろ出てきてサクラの木の下を歩いていた

我が家の辺りと都心近くでは、サクラの咲き方に数日の違いがあるようだ。この辺では、満開状態が今年は1週間くらい続いた後、花びらが舞い始めた。それでも、まだまだお花見には十分な花をつけていた。

近くのサクラのトンネルを抜けて、その足で都内のサクラの名所近くへ行った。
八代将軍徳川吉宗がサクラの名所に仕立て上げたと言う、サクラが満開の公園を真正面に、信号停車していると、サクラをあしらった都電が交差点に入ってきて目の前を通過していった。なかなかいいタイミングで来たものだ。お花見に行った訳ではないので、名所のサクラは道路沿いに横目で眺めながらだ。

所用が終わったので、サクラの名所の隣にある公園を歩いて見た。サクラは既に散り始めて四分から五分くらいは散って、後から葉っぱが出始めていた。それに、周囲の雑木もそろそろ新芽を出し始め、今まで黒々していた木々に、薄黄緑色が目立ってきた。
サクラのうすピンク色、新芽のうす黄緑色、青空の青、空に浮かぶ白い雲、柔らかな薄い色と青空が、春を告げている。サクラが終わると本格的な春が来るのだろう。

帰り道、家の近くを通りかかると、既に傾きかけた陽射しがサクラを照らし、ライトアップでもしているように浮かび上がって見えた。
走行中だったので、ほんのわずかな時間だったが、どんなにたくさんのサクラが満開して咲き誇っている時よりも、絵にも描けないとか、言葉では言い表せない、という、そんな類の美しさだった。

こういう美しい光景は、ほんの一瞬に見えたりするので、本当はそれほど美しい光景ではないのかもしれない。
その人が描いている美しさのようなものが、心のどこかにいつもあって、そんな気持ちが、一瞬の光景を見たときにそれと結びついて、自分の中で、ああ 美しい〜という残像を作り出して、見えるのかもしれない。

3月22日、お彼岸に咲き始め、満開までに11日間という長い間足踏みをしていたサクラ。寒暖が激しく、雪さえ降ったこの春先の天候にも負けず満開を迎え、人々を楽しませたサクラだが、やはり散り時を知り舞い始めた。

サクラのトンネルを走ると、ちょっとの風でもはらはらと花びらが舞う。車が通る風で、既に散って道路脇に積もった花びらが舞い上がる。やがて、風も無いのに音も無く静かに舞い落ちていくサクラの花びらが見れるだろう。最後の最期まで楽しませてくれるサクラ。

今夜から、また天気が崩れてくるという。この雨は、花散らしの雨になるのだろう。

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2010 Apr. 11 tama
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