早かった梅雨明け

「気象庁は14日、関東甲信が梅雨明けしたとみられると発表した。
平年より6日早く、昨年より5日早い。本州では一番早い梅雨明け。
気象庁によると、梅雨前線をもたらす南からの湿った空気が今後、関東甲信上空で弱まるとみられるという。このため全国的には前線の影響で雨が続くが、関東甲信では限定的としている。」 (7月14日11時13分配信 読売新聞:Yahooニュースより)
という記事を14日の昼頃インターネットのYahooニュースで見た。 やっぱり今週梅雨明け発表があるだろうと、前の週に考えていたことが、当たった。

だいたい、今年の梅雨は、梅雨らしい雨のうち激しい雨が降った記憶がない。降ったとしてもおとなしいしとしと雨だったし、梅雨独特のじめじめ蒸し蒸しの日が少なかったような気がする。
7月5日には、沖縄に続き、奄美・鹿児島も梅雨が明けた。
関東といえば、毎日梅雨空が続いていたけれど、この日まで、それほど印象に残っている雨がなかった。
まあ、これからが梅雨本番なのだろうが…。と、そんな梅雨空だったが、この日は梅雨を忘れるような晴れの天気。梅雨の晴れ間が広がった。

でも、この晴れ間は、梅雨前線が片寄っていたため、紀伊半島や東海地方では、ずいぶん大雨の被害が出たようだが、関東は晴れの域に入ったようで、湿気たっぷりの暑い日になった。これも関東限定だった。

まあ、何だかんだと言っても、やっぱり晴れて青空がのぞけば、人間は気分も晴れやかになる…。と思っているのは自分だけかな?ちょっと公園へ、面白い花が咲いていたのでパチリ。
夜空には、十三夜の月が見えていたのでパチリ。
それにしても、今年の梅雨は、雨量が少ないような気がする?と、自分のブログでは毎回のように書いていた。
7月6日は、午前中はしとしと降っていた雨が、午後になると止んできて、夜にはうす曇りの空に、うっすら月の形が見えていた。翌日は、七夕と今月は満月が重なった。

そして7月7日七夕。年に一度、おり姫星(織女星、こと座のベガ)と、ひこ星(牽牛星、わし座のアルタイル)が天の川を渡って会うことを許された特別な日って言うことになっていたので見えるかな?と・・・

まあ、こんな梅雨空だし、都会の明るさでは、天の川なんて見えないだろうと、期待はしていないものの、粋な計らいで全ての街灯、広告塔、ビルの照明など街の明かりを消灯する日にでもなったらいいと思った。

そうしたら、今でも2人は、7月7日に会えるのを楽しみにして、天の川の両岸でまたたいているということなんで、我々もそんな瞬きを何光年だか知らないけれど、静かに見守ってあげられるでしょう。

夜になり、空を見上げりゃ、晴れていることは晴れていたけれど、やっぱり天の川は見えなかった。雲の動きが速くて星も月も見え隠れしていた。満月はちょうど雲の切れ間から綺麗に見えたのでパチリ。
7月11日になったが、まだ、雨が少ない梅雨だ。本当に雨が降らない。梅雨の晴れ間?う〜ん それとも…梅雨明け?な〜んて、思ってしまう天気だった。

前日は蒸し蒸しと、思いっきり南の強風が吹き荒れ、暑くて暑くて。雲行きも怪しげだったが、この日は、梅雨前線が関東からは離れて太平洋へ下がったので、しのぎやすい日になった。

週間天気予報をみると、向こう1週間、関東甲信地方は晴れたり曇ったりという予報で、傘マークなんかどこにも見当たらない。
それに引き換え北陸、新潟方面は傘マークがづらりと並んでいるので、梅雨前線が北上して、日本海側に停滞する形になり、関東は、来週には「梅雨明け〜」なんて、なるんじゃないかとちょっと期待してみた。
自分のブログには何回も、梅雨にしては雨が少ないと書いて、梅雨明けは近いと思っていたが、ついに期待したとおり、関東甲信が梅雨明けしたと発表があった。
しかも平年より6日早く、昨年より5日早くて、本州では一番早い梅雨明けだと。さらに、面白いのが、全国的には前線の影響で雨が続くが、関東甲信で限定的な梅雨明けだそうだ。

期待はしていたものの、ちょっと早すぎじゃないかな?なんて…

どうりで、天気図を見ると、勢力を増してきた太平洋高気圧が、梅雨前線を引き千切るような形になった。少し前の天気図を見ると、日本海側の低気圧から延びた前線は北海道沖の低気圧と繋がっていた。そこへ東海から関東甲信にかけて太平洋高気圧が、タコ坊主の頭のようにニュ〜っと入り込んできたのだ。

←左の天気図は、梅雨明け発表から10時間くらい後の天気図なので、太平洋岸にあった前線は消滅してしまい、低気圧だけが残っているが、発表当時は、ちょうど前線を千切ったような形が見えていた。

梅雨明け翌日は、猛烈な暑さだった。太平洋高気圧から吹き込む熱い空気で、練馬では35℃だったが、南風はそれほど湿気がなく、まあ夏本番の暑さといったところだった。
梅雨明けだと、わざわざ発表をしてくれなくてもいいけれど、人間の思い込みというか、頭は梅雨が明けたという気象庁の発表だけで、梅雨の蒸し暑さと、さほど変わらない夏の暑さを区別して、やっぱり梅雨が明けると夏の暑さだよね。なんて話しになるから、人間は感覚、感情の動物なんだな〜、と思う。こんなふうに書くこと自体、やっぱりこだわっているのかもしれない。

梅雨が明けて、いよいよ夏本番だ。学校も夏休みに入り、世間では夏休みモードといったところだ。
夏休みといえば、海へ山へと出かける季節で、やはり天候が気になる。

私は、海より山へ行く方なので、「梅雨明け十日」という、昔からのことわざ?をけっこう信じて行動していた。高校の夏山合宿などは、夏休みに入る7月下旬頃がちょうど梅雨明けになるので、夏休みに入ると同時に山へ出かけた。

この「梅雨明け十日」というのは、梅雨明け後、天気が最も安定する特異的な時期のことを言い、およそ十日間くらいは安定した暑さが続き、夏山をはじめアウトドアには最高の期間となるのだ。

日本の夏をコントロールする太平洋高気圧は、その勢力範囲を、ハワイ付近を中心に、西は日本付近から東は北米西岸沖まで広げている。その太平洋高気圧が勢力を強めて、日本列島を覆うように張り出してくると、梅雨前線は押し上げられ梅雨明けとなる訳だ。
そして、その太平洋高気圧は10日位の周期で強弱を繰り返すが、梅雨明けの直後は最も強い周期に入る為、安定した夏空になるので「梅雨明け十日」だ。
ただ、毎年必ず、梅雨明け十日のような、安定した期間がある訳ではなく、前述のとおり日本の夏をコントロールする太平洋高気圧の日本への張り出し方が弱い場合、いったん北上した梅雨前線が戻ってきたり、今年のように地域限定の梅雨明けは、完全に梅雨前線が消滅せず、限定地域以外で活動しているので、それほどすっきり安定した天候は望めない。そして戻り梅雨ということも考えられる。

その後、8月に入ると、夕立が多くなってくる。夕立といえば雷。夏山で怖いのは何と言っても雷で、この雷の発生原因の一つは、晴れた日中、強い日射で地表面が暖められると、大気の状態が不安定になって上昇気流が盛んになり、積乱雲が発達して雷を発生させる。山岳地帯では、複雑な斜面の影響で、激しい上昇気流の生まれる場所が多く、平野部より雷の発生が多くなるらしい。

「雷三日」ということわざがあるが、盛夏期は気圧配置の変化が少ないため、数日続いて発生することがあるので、雷が一回あると、翌日、その翌日と数日続くことから雷三日というようだ。

山などで、この雷が発生すると、平地にいるのと違い、雷雲の中に入ってしまっていることがあるので注意が必要だ。また、前日に雷雨があると翌日の雷雨は、前日より早い時間に雷雨が発生することが多くなるので、これも注意が必要だ。だから山で尾根を歩く縦走などの行動は、早立ちが良しとされていて、午前中に行動するようにした方が安全だ。


こうした、天候に関することわざや言い伝えは、山で生活する人たちの経験に基づいて言われていた言葉が多く、けっこう信憑性が高かったが、最近の気象状況では、それも崩れてきているような気がする。特に「梅雨明け十日」については、何時頃からだろうか?あまり良い天気が続かなくなってしまったような気がする。それに、最近の梅雨明けも、はっきりしていないような気がする。

世界的な気象状況の変化は、環境の変化と共に変わってきているのだろう。日本ばかりではなく、世界中でも、古くから言い伝えられてきた、環境・気象現象についてのことわざなどは、近年、徐々に当てはまらなくなっているのではないだろうか。

関東甲信の限定の梅雨明けという、ヘンテコな梅雨明けは、やっぱり本物ではないような気がする。雨は降らないものの空がすっきりしない。結局は、戻り梅雨のような感じだ。
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【気象庁のHPから天気図を引用させてもらいました】

【梅雨明けして、太平洋高気圧から吹き込む熱い風に吹かれる枝豆】

【十三夜月、左側がかすかに陰となって、輪郭がボケているのが分かる】

【夏の夜空にはたくさんの星が見えるはず、天の川は真ん中よりやや左に南北に白っぽく見え、
 天の川を挟んでこと座のベガ、わし座のアルタイルが大きく見える。】
  〔小峰書店の書籍「星と星座の伝説・夏」から、「夏の夜空」を使用させてもらいました。〕

【7月7日 十五夜お月さん 満月。】

【梅雨明けとは言え、関東甲信限定のせいか、空がすっきりしない。強い陽射しは夏のものだ】

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2009 July. 20 tama
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