上のようにドングリ付き枝葉を切り始めたので、落ちる様子を見ることにした。
でも、切り落とすシーンと切り落とす瞬間を見ることが出来た。写真はブレブレのピンボケになってしまい残念!!

もう少し枝を付けといたほうが良さそうだね。

よし、この辺でいいかね?切り始めるよ。ヨイショ

俺が落っこちないようにしっかり押さえて置いてくれよ

じゃあ、切り落としにかかろうかね?枝へ移ろう!

もう、このくらいでいいかね?そうね、よさそうね。

産卵後の穴埋め作業らしい?♂♀共同作業

産卵が終わった後らしく、長い口吻で穴埋め作業をしていた。終わってドングリから枝へ移って行き、今度は口吻で枝を切り始めた。切り落とし作業中も♂♀が一緒で、切っている方が落っこちないように捕まえてでもいるかのように見えて、なかなか微笑ましい。けっこう仲睦まじい姿だ。結局、切り落とすまで一緒に居た。

最初、やっと見つけたハイイロチョッキリ

ハイイロチョッキリの産卵・枝葉の切り落とし作業等の一連行動についてネット等にに書かれている様子を調べてみると、次のことのようらしい。

  ・ドングリに取り付き穴あけを行う。
  ・穴あけの行程の前には、そのドングリのついた枝葉の枝元あたりをしばしば折れ曲がる
   までかじり切っておく。
  ・長い口吻で深い穴を開け終えると、お尻の産卵管を差し込んで卵を一つだけ産卵。産卵
   後は口を使って穴をふさぐ。材料はドングリのかじりカスだ。
  ・産卵が終わると、初めかじっておいた折れ曲がった枝元へ行き、残りの部分をかじり切
   り、小枝を落とす。


と書かれていたが、この日見た、以下のシーンは、最初に折れ曲がるくらいまでかじって切り込みを入れておく・・・という作業を省略して、産卵後穴埋めをして、最後の枝葉の切り落とし作業をしたようで、ハイイロチョッキリも省エネ、効率化を考えていたのかもしれない?
まあ、いろいろな事情があって、行程を省くのもいるのかもしれない。

で、ハイイロチョッキリの姿は?? 比較的枝は低い所にあるので、良〜く見るのだが、姿は見えない。目を凝らし見ても、双眼鏡を引っ張り出して見ても・・・。でも、双眼鏡は近すぎて、あまり役立たない。木の下をあっちへウロウロこっちへウロウロしながらドングリの付いた枝にハイイロチョッキリの姿を探すが見つからない。

近くの砂場では、幼子を遊ばせている母親達が居て「変なおじさんが何してんだろう」と言った感じの視線は気にはなるけれど、ここは自然観察、何を世の中に憚ることがあろうか?
世界中で、これまでに偉業を成し遂げた人たちは、やっぱり人と違ったことをしたり、発言していた人たちが、時を経てその偉業が認められたことが数多くあるではないかと、それ程の事ではないが、人が何という目で見ようが・・・と、小一時間ウロウロして、やっぱりダメかと、その木で鳴いているツクツクボウシの姿でも見てみようと双眼鏡を向けた先の日当たりの良いドングリの上にいるハイイロチョッキリを発見!


近づいて良〜く見ようとしたら飛んで行ってしまい姿がな〜い??  あ〜あ・・・でも、居ることは確か・・・こうなったらもう一度見てみたいという気持ちがぐんぐん大きくなってきた。 人間良くしたもので、こういう強い気持ちと一度見たという気持ちで、今度は良く見えてくるもののようだ。

さっき見えた辺りを、木の下から見ると2匹がドングリにとまって、何やら作業中。どうやら産卵後の穴埋めをしているようで、既に一通りの作業が済んだようだ。

樹林公園を一回りして、帰り際にもう一度グランドの公園へ行き、砂場近くにあるドングリの木に寄ってみた。2〜3本のコナラが植えてあり、まだそれほど高木にはなっていない。
そのコナラの木の下を見ると、毎年この時期に見られるように、枝葉が付いたドングリが幾つも落ちていた。その枝葉を拾って見てみると、ドングリの殻斗(ドングリの帽子)には殻斗の模様とは違うプチッとした小さな点が見える。オオ〜 やっぱり今年も「ハイイロチョッキリの落し物」だ。かなりの数が点在していた。

名残りの夏

はっきりした梅雨がなく、はっきりした夏がなかったが、台風11号が通り過ぎ9月の声を聞くと、季節は一気に秋の気配だ。
まあ、これも本物かどうかは分からない。何といってもこのところの天候は、ぐずついてばかりだから・・・ここ数年の天候では、9月いっぱいは暑い夏のような日々が続くのだから・・・。
陽射しは強いが、涼しい風に誘われて、いつも走っているグランドと樹林公園を歩いてみた。

公園入り口にある水の広場では、毎日、沢山の幼子たちが、階段状に流れ落ちてくる水の流れに歓声を上げながら、はしゃぎまわっていたが、この日は姿がなかった。
例年なら、この時期はまだ暑い暑いと言っているはずなのだが、今年は何だか涼しい感じだ。陽射しは強いが風は秋の風が吹いている。子ども達の姿が見えないのは、そのせいかも知れない。

公園を歩いても、まだ秋には早い感じの…名残りの夏と言ったところだが…。


水の広場の背後には、大きなケヤキの木やエノキ、サザンカ、ツバキ、ヤマザクラ、ミズキ、ハナミズキなど生い茂る野鳥の森が広がる。野鳥の森といわれるが、留鳥くらいしかいないのでそれほど興味がない。
その中に、ムラサキシキブ、シロシキブが見られるのだが色付き始めたばかりといった感じだし粒が生長しきっていないようだ。実にならず、未だに花を付けているものもあった。

いつも走っているグランドでは、子どもたちがサッカー練習をしていた。グランド全体を見渡すと、もう秋の陽射しと言った感じで、トラックと周囲の土手では、陽射しと日陰の明暗がくっきりしていて秋の気配を感じた。土手の木々の枝には、今も鳴いているがセミの抜け殻がいっぱいで、最盛期のセミ時雨が思い起こされる。

グランドがある公園と樹林公園を挟む道路は、春にはサクラのトンネルになり、その後は葉っぱが生い茂り緑のトンネルで鬱蒼としていたが、いつの間にか空が見えるほどになってしまっていた。

道路を渡り、お隣の樹林公園へ行ってみた。樹木はまだまだ青々しているが、良く見ればサクラの葉っぱが黄色く色付いていたりして、少しずつではあるが秋の気配は感じられる。

樹林の合間合間に見られる草花は、そろそろ秋の装いだ。
ススキが穂を出し始め、風にそよぐ様は、まだまだ日中の暑い陽射しの中で涼しさを感じさせてくれる。
秋に似合う花は、ワレモコウだ。花が集まって穂になっている。この控えめな感じがとっても好きだ。カナブンは、もう散りかけている花にしがみついて、もう夏が終わるんだと最後の蜜を吸っているかのようだ。

樹林の中を歩いてみると木々の色付きは、まだ早すぎて、地面に咲く花はツユクサやイヌゴマなど夏を思わせる花、かと思えばアキノノゲシだろうか?綿帽子に蕾が・・・夏と秋が入り混じり、まさに名残りの夏といったところだ。
セミは、一頃まではアブラゼミとミンミンゼミがほとんどだったが、今はアブラゼミとツクツクボウシとなり、ミンミンゼミは時々聞こえるだけになってきた。

9月に入ってからは、急に涼しくなり、そんな日々が続いており、何か秋の訪れが早いような気配だ。公園に咲く花にしても、まだ咲き足りない感じがする。何と言っても今夏は、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱かったため日照時間が少なかった。そんな影響も有るのだろう。

草花や樹木もそうだろうが、稲作のできばえはどうなんだろう?こんな天候だと植物もそうだろうが、人間も満足いく夏を過ごせなかったと不完全燃焼を訴える人も居るのではないだろうか。
そんな意味からも、この夏は、名残りの夏と言った感じがする。

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枝葉付きのドングリがたくさん落ちていた。そのドングリの殻斗を見ると、黒い点のようにしるしが付いている。これは、ハイイロチョッキリが卵を産みつけたところだ。

ハイイロチョッキリが卵を産みつけたドングリを枝ごと切り落とす場面:左=小枝をきり初めている。中=きり落ちる寸前。右=切り落とした直後。ドングリの付いた枝が無い。

2009 Sept. 9 tama
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