青梅  スズラン  コテマリ  テッセン
  
  クサボケ  ホソバスミレ  

 リュウキュウシボリ  ヒトリシズカ 

   サクラソウ   キャベツ  ・・・・・

 

天気が良いと、もう初夏と思えるような暑さになるが、天気が悪いと冬に逆戻りしてしまう季節だ。
だから、野の草木は、この期を逃すまいとして精一杯に生長する。
昔の人は、今頃を穀雨といった。
      「春雨降りて百穀を生化すれば也」。
田んぼや畑の準備が出来て、それに合わせるように、柔らかな春の雨が降り、春の変りやすい天気も安定し日差しも強まってくる頃だ。

ところが、本来ならば菜種梅雨で雨が多い季節のはずだが、最近、特に今年は4月に雨が少なかった。それでも穀雨に合せるように、少しまとまった雨が降り、農家の人はホッとしたようだ。

やはり、雨が降れば樹木や草木も喜ぶようだ。一雨あった翌日の土手に生えていた野草は、初夏の暑さに照らされていたが、雨のおかげで青々していた。気温が上がり上昇気流が発生し始め、風も強く吹きだした。

青々した草がサワサワ サワサワ風に揺れだし、葉っぱの裏も見せ、濃い緑ばかりだった草むらも白く光りだした。
何か、真夏の夕立がある寸前の光景を思い出させる。

フィールドは、春の息吹がいっぱいだったが、花はそれほど咲いていなかった。
少し前に野の花は咲き、今は黄色いタンポポくらいだが咲き乱れ、もう早いものは綿毛になり子孫繁栄へと種子を飛ばす準備に入っていた。

土手で、目立つのは長く伸びたスイバだ。スイバはシュウ酸を含んでいて、かむと酸っぱい。
子どもの頃、遊んでいる最中、野に生えているスイバを食べたことも有る。
フィールドから戻り、庭を見ると花盛りだ。
2月頃咲いたウメの花は、もう青梅として結実した。

ヒトリシズカは、飯綱からの移籍組みだが、毎年この時期勢いよく濃い緑の葉と白い花を咲かす。
にぎやかに咲くのに何故ヒトリシズカなのか?
「静」は静御前のことで、花穂が 1 本だから一人静だと・・・。

森を抜けると、田んぼが広がり、そろそろ田植え前の田掻きが始まっていた。

冬の間、乾燥しきっていた田んぼを耕し、水を張る。
そんな田んぼに水鳥の姿が目立ち始めた。
土手では、ヒバリやセッカが、何故これほど忙しないのだろうと思うほど、囀っていた。

春が待ち遠しかったのだろうか。

森に入る。森の中にはいろいろな道がある。森を囲むように廻る道があり、そこから誰かが林の中へ分け入り、それに続く人が、さらに踏み固め、その踏み後が道になる。
森の道も、今の時期は、まだ若葉が出始めたところで、陽射しが降り注いでいる。
やがて、若葉が濃い緑に変わっていき、緑のトンネルが出来る。

そんな道を進むと、目の前がパッと開け、タンポポの草原が広がっていた。

春、4月。今の季節、樹木や草花の生長は目覚しいものがある。
月初めには、サクラが咲き、花が散るとすぐに若葉が芽吹きだし、数日のうちに花から緑色にすっかり変わってしまった。
サクラのトンネルだった道路も緑のトンネルになり、清々しい風景になってきた。

都会のみどりの季節は、花から突然といっていいほど、すぐに濃い緑色になってしまうような気がする。これは、サクラを観ているからだろうか。

少し郊外や山の方では、今ちょうど、山全体が明るく柔らかな萌黄色から少しずつ緑色を濃くしていくのが観れる。この明るい萌黄色は、曇りの日でも辺りが明るく見えるから不思議だ。

これから陽射しが強くなると共に、益々みどりが濃くなってくるが、自然は良くできていて、強い陽射しをこのみどりの樹木が遮ってくれる。

さあ、気持ちのいい季節、フィールドへ出てみよう。

みどりの季節 花の季節 

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2009 Apr.26 tama
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