街路樹のサクラ並木も、そろそろ落葉が始まった。道路わきには落葉が吹き溜まり始めた。まだまだ木についている葉っぱが多いけれど、これからは日増しに落葉がいっぱいになる。
竹箒で落葉を掃き集めては、捨てる。またひと時すれば、掃かなければいけなくなる。そして、きりがなくなってくる。こんな光景が、これから良く見られるのだろう。

さあ、しばらくの間、はじまったばかりの秋、少しの秋を楽しむことにしよう。

初夏にチューリップのような白い花をつけるユリノキだ。チューリップのような花なのに、何故ユリノキかは、英名では tulip tree だが、学名のLiriodendronはLily-treeの意味で、「ユリの木」なんだとか・・よく分からない。

別名は、ハンテンボク。葉の形を見ると、なるほど半纏(はんてん)のような形だ。

草むらは、まだきれいな緑色の絨毯のように、しっかり敷き詰められている。陽射しに鮮やかだ。
サクラ並木は、色づき、いい色になった葉っぱから、風も無いのに一葉、二葉・・・と落ちていく。
静かな、はじまりの秋、少しの秋だ。

「秋たけなわ」と呼ばれる時季になると、辺りが赤や黄色、鮮やかだったり、それほど綺麗になれない色づきなど、くどいほどに彩られてくる。
そうなると、紅葉だ、黄葉だと、たくさんの人たちであふれて、慌ただしく、じっくり彩を見るより、その人たちを見ることになる。


まあ、日本人、お祭り騒ぎが好きだから、それも良いけれど、はじまりの秋、少し彩られたきたこの時季くらいが、これからどんな風に彩られていくのかという期待感で楽しみがあっていい。

少しの秋。まだ夏空を残して、木々が色づき始めた。

まだ、カサコソ音をたてるほど積もっていない落ち葉。みどりの草むらにハラハラと落ちてくる色づいた葉っぱが、少しずつ積もっていく。
田んぼの畦道には、セイダカアワダチソウが黄色い花をいっぱいに咲かせ、今時だとばかりに勢力を拡大してた。
ススキは、新興勢力のセイダカアワダチソウに負けじとススキの穂をが風に揺らせていた。

はじまりの秋、少しの秋

まだ、みどり濃い公園の草むらのひとところが、赤く染まっていた。何かと、近くに寄って見れば、あかまんま(イヌタデ)がびっしり花をつけていた。紅葉には、早い今の時季、目を楽しませてくれる。
雑木林やメタセコイアの森は、まだ薄暗いほどみどりの濃い葉っぱをつけているけれど、そんな中にパッと明るい木があった。陽射しが透かすようにしているからだ。
何気なく見ていた木の葉っぱも、色づいてくるとみどり一色では、それほど形などを気にしていなかったものが、浮かび上がって形が分かると、その木の命名には、花が…ばかりでなく四季を通して、なるほど!と言わせるような名前にするのがいいのだろう、と思う。
そうすると、ハンテンボクが一番似合うような気がする。そのままでお人形さんの着物にも使えそうだ。
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2008 Oct.18. tama
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