【瑪瑙山から怪無山と戸隠スキー場全景】
【怪無山から瑪瑙山第6クワッドリフト、メノウコース方面】
【チャンピオンコース。関西学生基礎スキー大会の団体戦】
一昨年は大雪、昨年は暖冬、今冬は寒さ厳しい大雪になった。
大雪が降っているという天気予報を聞く度にスキーに行きたいと思いつつ、結局今ごろになってしまい、それでも戸隠マジックのサラサラの「魔法の粉雪」を密かに期待していた。しかし、春の陽気が数日続き、さすがの戸隠の雪も緩み始めたようだ。
前日の暖かな良い天気から、雨の予報が出されていた。朝起きた時はどんよりした曇天だったが、出かけようと外へ出てみるとポツリ ポツリと小粒の雨。ウ〜ン……どうしようか、でも春スキー。以前も雨の戸隠で滑って事があった…と出かけることにした。
戸隠のスキー場へ着いてみると、雨は降っていない。でも霧が凄い!雪で冷えているところへ暖かな空気が入り込んだせいなんだろう、視界が10mもない。リフト券売り場で運行状況を聞くと、平常どおり運転しています、とのお返事。それならばと、シニア半日券を購入した。
戸隠春スキー紀行
早速滑ろうと、まずは一番短いリフトで上がって、チャンピオンコースとシルバーコースの間の下部にある緩斜面を滑ってみた。天候の割に雪質はまあまあな状態だったので、足慣らしにもう1本滑った。でも相変わらず視界が利かない。
この戸隠スキー場は、かつて毎週のように通ったスキー場だが、しばらく来ない間にゲレンデがずいぶん広がった。新たなコースもいくつか出来ていたし、奥へ奥へと延びてついに瑪瑙山(1748m)の頂上までリフトが架かってしまった。以前からこのことは知っていて一度行ってみたかったところだ。
足慣らしが済んだし、チャンピオンコースは貸切になっているので、まずは第3クワッドリフトで怪無山へ上がってどこを滑るか決めることにした。怪無山でコース案内板を見たがチャンピオン、シルバー方面は以前から知っているので、ドリームコースを下って瑪瑙山へ架かる第6クワッドリフト乗り場へ行くことにした。それに、標高が高いほうが気温差が少なくて霧が多少でも少ないかと思ったこともある。
相変わらず霧は濃く辺りはまるっきり見えない。滑っている人もいないのでと思っていると、スノボーの2人ずれがゲレンデに座りこんで何やら・・・・脇をスゥーっと通り過ぎた。ここは緩斜面でカッタルイ。やがて第6クワッドリフト乗り場寸前に急斜面が100mくらいあったがホワイトアウト状態で凹凸など斜面の状況が全く分からない。それでも乗り場に到着。
戸隠スキー場ゲレンデマップは戸隠観光協会HPのMt.Menou Snow World ゲレンデを利用させていただいてます。リンク先は http://www.togakusi.com/skimenou/ 赤線は今回滑ったコース。
Mt.Menou Snow World
第6クワッドリフトは支柱が16本。高度をグングン上げていく。でも霧は相変わらず晴れずに、辺りの様子が見えない。リフトは尾根と尾根の間を通っていくので尾根側にかかると風とともに濃い霧がワァーっという感じで襲ってきて、一瞬辺りが白一色に変わる。
終点のプラットホームへ降り立つと、そこはもう瑪瑙山の山頂直下。5mほど雪の斜面を登ると風の吹きさらしの中に「瑪」の字だけ見えている瑪瑙山の山頂標識だ。
ここは、標高が高いだけあって雪模様だ。やはりもう春大きな雪片が舞っていた。その雪が木の枝にくっついて今頃にしては珍しい光景が見られた。樹氷というのとは少し違う。
天気が良ければ、この瑪瑙山からの眺めはすばらしく、寸前に屏風の如く立ちはだかる戸隠山、その後ろには後立山連峰の白馬三山から不帰の剣、唐松岳、五龍、鹿島槍ヶ岳から遠く槍ヶ岳、穂高、富士山までも望めるし、右手の方へ目を向ければ頚城の山々、野尻湖までも広がる大パノラマのはずだが、この天気では、それも望めない。さて、霧で辺りも見えないけれど、雪質としてはまあまあなので兎に角滑ることにした。
第6クワッドリフトの左尾根を下るメノウコースを滑った。全長1500m、最大斜度18度、まあジジイにはちょうどいいコースだ。ほとんど滑る人はいないが時どきスノーボーダーがとばして行く。1500mといっても数分でリフト乗り場に着いてしまう。すぐにリフトに乗ってもう一丁!今度は右尾根を下るお仙水コースを滑ってみた。こちらは長さは同じく1500mではあるけれど面白みがない。なので再び三度とメノウコースを繰り返し滑った。10本余り滑ったところで、下の方の霧が上がってきたようなので、一度第5高速ペアリフト乗り場まで下りてみた。
ゲレンデに出てみると、いやににぎやかだ。この日は、四日間に亘って行われた関西学生基礎スキー大会の最終日でチャンピオンコースを貸切ってデモ選が行われていた。
最近は、こういう大会を見る事がなく、スキー人口が少ないと思っていたが、こうしてみると元気な大学生達が大きな歓声とともに滑っていて何か元気付けられた。
【久しぶりだったが爽快に滑れたアドベンチャーコース】
【貸切で滑れなかったチャンピオンコース】
【久々のシルバーコース。コブが無くちょっと拍子抜け】
こうして、しばらくぶりにスキーをしてみて、スキーの滑り方がどんどん変わっていることを実感した。これは今に始まったことではなく、私がよく滑っていた数十年前にも、そうした事が何回かあった。
最初日本がスキー技術として取り入れていたのがオーストリアスキーで、その後、世界各地で開催されたインタースキーに参加するようになり、フランススキー、ドイツスキーといった各国のスキー技術から良い所をとって、日本のスキー技術を作り上げてきた。国内では全日本デモンストレーター選考会など開催して、スキー教師ばかりではなく、競技スキーからも参加して、力強いスキー、合理的な上達方法など発展してきた。
こうして全日本デモンストレーター選考会で上位入賞者は、インタースキーに出場でき、「競技のスキーには、オリンピック、世界選手権大会があるが、インタースキーは一般スキーヤーにとってのオリンピックなのだ」という意識がスキー教師達の間に生まれてきた時代でもあった。
そんなスキーの変遷を見てきたが、今ではあまりスタイルにこだわらなく、どんな所でも自分の思うように滑れればいいし、一番は楽しく滑りたい。
また、何歳までも滑りたいと思う。
今回は、天候に恵まれなかったが、次はあの瑪瑙山からの大パノラマを見に来たい。