ひと足先のお花見お散歩

エルニーニョ現象も終息に向かい、今度はラニーニャ現象に転じたとか、おかげで暖冬という、ありがたいようなありがたくないような一季節を過ごし、それでも、人間様、草花も動物達も待ちに待った、花の季節を迎えようとしている。
気象庁からは、サクラの開花予想も発表され、ずいぶん早く咲きそうだといわれている。でも、だらだら暖かい日々が続いていたから、そうでもないということも言われていて、どうなんだろう。
【桜の開花が早いか遅いかは、冬の寒さと春先の暖かさに左右されるそうだ。桜の開花までのプロセスとしては、翌春咲く花の元になる花芽(かが)を夏につくり、秋になると休眠に入る。その花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚める休眠打破が起こる。そのあと花芽は、気温が高くなるにつれて生長し開花するのだが、冬が寒く春先が暖かいほど、花芽の成長が早くなって開花も早くなるという。】

近くの公園のサクラの蕾を見てみると、膨らんでいるようにも見えるがそうでもないようにも見える。やはり自然のことは、我々が考えたり、望んだ通りにはならない。当たり前だ、それが自然なんだから・・・。

公園へ行く途中のお散歩コースにサクラが満開のお宅があった。この辺りは、けっこうお屋敷が多くて、このお宅の庭も広くサクラの木が5本くらい植えられている。数日前の散歩のとき発見し、カメラを持ってくれば良かったね。と、そのときは目で楽しませてもらった。あの日から数日たっていたので、もうだいぶ散ってしまったかな、と・・・あまり期待はしていなかったが、まだまだ十分楽しませてもらった。

このサクラ、たぶんカンザクラの仲間だと思うのだが、はたして何ザクラなのだろう。いろいろ調べてみたが、よく分からない。私の結論はオオカンザクラかな。でも何ザクラでもいい。綺麗に咲いていて、通る人が皆一様に「綺麗だね!」と見上げている。そんな風に楽しませてもらえるだけでいい。

こちらのお宅の庭は、サクラのほかにも沢山の植木や草花があり、野鳥もきている。このサクラを目当てにメジロ、ヒヨドリがきて蜜を吸いながらにぎやかだ。メジロは、10羽くらい群れてきていたが、ヒヨドリは3羽くらいだ。でもこのヒヨドリは意地悪な奴でメジロが蜜を吸っていると奇襲攻撃をかけて追っ払いにかかる。しかし、メジロもこんな美味しいものをヒヨドリの嚇しで逃げてはたまるものか、と言わんばかりに、追っ払われても追っ払われても、次の枝へ移りながらしぶとく蜜を吸っていた。ヤマガラも2羽やってきたが、ヤマガラはそんなに蜜は好きではないようで、近くの公園の方へ飛んでいった。

サクラといえば、ソメイヨシノが代名詞のように言われているが、このピンク色のサクラも華やかでいい。サクラを堪能させてもらったので、住宅街を抜けて公園へ向かった。公園は、まだまだ枯れ色が多いけれど、少しずつ新芽の緑色も見え始めている。葉っぱが出る前に花を咲かせている木々も目立つ。目立っているのは、枯れ色の中に白い点々が見えるコブシの花だ。開花の状況には差があり、もう茶色っぽく汚くなりかけているものやこれから蕾を開こうとしているものと木によってずいぶん違っている。

公園内を歩いていくと、先日は盛んに咲いていたウメは最盛期を過ぎ、遠目には満開のように見えるが、近づいてみると花びらの端から茶色っぽく変色し始めて、あと数日で散るのではないだろうか。
アンズは、花開こうとしている。先日来たときと同じような蕾で、アンズはどんなタイミングで開花するのか良く分からない。アンズの花はウメと似たような花だったかな。田舎にアンズの里という、その地区一面にアンズ畑が広がっているところがあり、よく見に行ったものだ。たしか4月初め頃だったような気がする。

公園を歩いていくと、足元の茂みからサッと飛び上がった鳥がいた。そのあとを目で追って枝に止まった鳥を見たら、シメが振り向きながらこちらを見ていた。こちらは驚かすつもりなんかなく、ただ歩いていただけなのに、なんか恨めしそうに睨みつけられたような感じだ。シメの顔が怒ったような顔だからそう感じただけかな。

歩き回れば、いろいろな花が咲いているものだ。ベニコブシは、うっすらピンクの花を咲かせていた。コブシといえば、白いコブシが定番なので、これは目新しいし、目にも優しい色合いだ。

先へ行くと、ボッテリして開花感のない釣り鐘形の花びらをひとかたまりに、重々しく咲いているヒカンザクラ(緋寒桜)。この緋色、何か重たそうで、気持ちまで暗くなりそうだ。どうも、この花はあまり好きになれない。カンヒザクラ(寒緋桜)とも言うらしい。

そして、黄緑色の出てきた新芽に雪を降りかけたようなユキヤナギだ。まだ花が咲き初めなので、それほどでもないが、最盛期になれば、本当に雪が積もったようになる。コテマリも、もうじき咲き出すだろうが、あっちはボタンユキが積もったようになる。

日当たりの良い地面には、オオイヌノフグリがびっしりと小さな花を咲かせていた。この花の色合いは大好きだ。うす青紫に白。人間が平気で踏みつけても、元気に育っていて、こういうところも好きだ。

3月もそろそろ半ば、このまま春まっしぐらかと思っていたけれど、ここに来て北日本を中心に大雪が降っているようだ。でも例年だと北の国では、今頃は、まだまだ冬真っ最中なので、これが普通であって、今冬がおかしかっただけのことだ。2月中に雪不足で、今シーズンの営業を中止し閉鎖したスキー場があったり、散々な冬だった。
ソメイヨシノの開花予報の1回目では、早く咲くといっていたが、この寒さでまた少し遅くなるのだろうか。

とは、言っても、季節は確実に移ろっている。日が延びた。4時を過ぎれば暗くなりかけていた冬の始まりから思えば、今は6時くらいまで明るくなった。太陽が沈む位置もかなり北へ移っていき、冬の間富士山の裏側へ落ちていった太陽をよく眺めていたものだが、今では我が家のベランダからは見えないほど北へ移動してしまった。

動植物は、自然の法則に従い活動を始めた。新たな芽を出し花を咲かせる。公園の地面も日増しに緑が目立つようになってきて、空は明るさを増している。そんな空を見てか、冬鳥達はそろそろ北へ向かう準備に入り始めた。少し前までにぎやかだった森が、心なしか静かになってきたような気がする。

本格的な、お花見はこれからだろうが、早い時期でもなかなか良いお花見ができるものだ。
そんな塩梅で、ソメイヨシノは何時咲くか分からないが、今はヒカンザクラやカンザクラなど早咲きのサクラが、大いに私達の目を楽しませてくれる。それに、下を見れば、まだ草の芽も出てこない枯れ色の地面に色とりどりの花が咲いている。オオキバナカタバミ、スイセン、クロッカスなど。
公園内の原っぱの丘になっているところを越えると、青空に向かって黄色い枝がボウボウと伸びていた。まだ回りが落ち着いたこげ茶色が多い中で、よく目立つ。何かと近寄ってみれば、サンシュユだった。はじめ見たときには、マンサク?でも、あんな風に伸びていなく丸まった感じだったな、と・・
back to Nature Info
2007 Mar. 13 tama
HOME
inserted by FC2 system