【天狗の硯岩】
【最低鞍部から南峰を見る。】
【南峰の石仏灯篭、右へ入れば飯綱神社奥社】
【頂上から南峰方面】
【頂上から瑪瑙山方面】
【頂上から霊仙寺方面】
【霊仙寺山側から頂上標柱】
【飯綱山頂上 標高 1917m】
【南峰から頂上へ通じる鞍部。ガスの中に頂上が見える。】
【飯綱神社奥社社殿】
【南峰を示す標柱・標高1909m】
【南峰手前の飯綱神社前宮鳥居】
【南登山道と西登山道の分岐点を後に登るとまもなく南峰に到着】
【曇り空の中、登って来た道筋を振り返ると突然、一面の白いガスの切れ間から一瞬山の姿が見えた】
【笹野原の中に立つ南登山道と戸隠中社から来る西登山道の分岐標識】
【森林限界を抜け、はるか下に見える笠山】
【冬山用の7合目の目印】
【最後、十三番目の「虚空蔵菩薩」】
【天狗の硯岩からの遠望。雲海の向こうに浮かぶ菅平の根子岳、浅間山】
【最初の難所?飯綱唯一の?クサリ場】
【「飲み水には適しません」の水場】
【水場から左上していくと、まもなく天狗の硯岩】
【十二番目の大日如来と脇のチョロチョロ水場】
【駒つなぎの場と十一番目の石仏・阿ゆら如来】
【十一の石仏・阿ゆら如来】
【一つ尾根向こうの笠山が木陰から見え隠れしている】
【最初の石仏・不動明王】
【旧奥宮一の鳥居跡地】
【三つ目の林道の上の鳥居】
【二つ目登山口の飯綱山大明神の鳥居】
【最初の飯綱山の鳥居】
【ここから見ると平坦に見えるがこの先から急峻な登りになる】
こんな曇り空でも、汗びっしょり!でもここは別天地、ヒンヤリした空気が気持ち良い。頂上から少し霊仙寺山寄りの大きな岩に荷物を降ろし、霊仙寺側へ少し下ってみた。すぐそこに瑪瑙山が見えた。辺りをぐるっと見回すと北側の霊仙寺方面の空は時どき真っ青な青空を見せてくれたが、他はやっぱりガスの中だ。
しばらく頂上を楽しんだが、天候がこれ以上良くなる見込みがないので下山することにした。〔AM9:30〕
頂上から少し下ったところで振り返って見ると、頂上の標柱はそこに静かに佇むように建っていて、傍らでスケッチをしていたお姉さんは、地蔵さんのように微動だにしない姿勢で描き続けている。その向こうには曇り空にうっすらと青空が覗いていた。
鞍部の底へ来て、また振り返ったが、山は静まり返り、笹薮の中からウグイスのジッジッジッというウグイスの地鳴きが聞こえてくるだけだった。南峰手前で再び頂上を振り返ってみると、東側から湧き上がってきたガスが頂上を隠そうとしていた。
【少し花期が過ぎても目を楽しませてくれる草花。リンドウ、トリカブトの青紫色が目をひく。】
登山口から、駒つなぎの場まではダラダラと少しずつ高度を上げながら登っていく。ここは視界も遮られていて、ただただ歩くだけだ。時々木陰の間を通して、左側の一つ尾根向こうの笠山が見え隠れしながら、少しずつその笠山の高度を追いかけていく。十三石仏のうち、駒つなぎの場までで十一の石仏が姿を見せてくれ、ここ駒つなぎの場が「阿ゆら如来」だ。〔AM7:54〕
ここまで、ゆっくり休まず歩いて約40分の道のりだ。一休み、もう汗だくだ。この日のように、曇り空で時折ガスが出てくる天気で、出掛けに寒暖計を見たら15℃だった。この辺りで標高1,500mくらいなので約400m登ったことになり、気温は2.5℃くらいは下がるはずだが、森林帯の中なので風通しが悪く暑い。
この尾根も、ここまでは緩やかな傾斜だったが、ここからは急峻に登っていく。駒つなぎの場から先を見ると、平坦な登山道だが、その先からは九十九折の登りが始まる。でもこの辺りは、草つきの斜面なのでたくさんの花が咲いている。とは言え、もう花期は過ぎているような感じだ。でも綺麗な青紫色のトリカブト、リンドウ、アザミの仲間やワレモコウなどが見られる。
カメラを首からぶら下げて、写真を写しながらゆっくり登っていく。
何回か折り返しながら登っていくと右の沢筋からチョロチョロ水が流れ出している水場だ。この辺りが十二番目の大日如来だ。
そこを折り返して、最初の難所?登山道が大きな岩に突き当たる。その岩には、飯綱唯一の?クサリが取り付けてある。でも、このクサリを使う方が危険なような気がする。うまく岩の間を通り抜けた方がいい。
その先を折り返すと先ほどの沢筋に再び出会い、水場だ。でも、ここには「飲み水には適しません」という看板が…以前はこんなの無かったのに…美味しく飲んでいた水なのに、こんなもの必要ないと思うが…?
気を取り直して、樹林帯を細かく折れ曲がりながら登っていく。
約5分で「天狗の硯岩」だ。〔AM8:19〕
ここからは南東の方角に視界が広がり、本来なら長野市街と周辺が見えるはず?だが、この日はガスの中。と思っているとガスがひいてきて、眼下は雲で覆われているが、雲海の上に根子岳と浅間山の遠望が薄っすらと浮かんでいた。
硯のような大きな岩に立ったまま、しばらくガスに見え隠れする遠望を楽しんだ。
やはり森林限界を抜け出すと清々する。頭上に何も無くなるということは、こんなにも気持ち良いものなのだ。青空だったらもっと良かったが、それでも日常の生活の中では、天井があり、家家の間の狭い道路を歩き、頭上には電線が張り巡らされ、電車やバスの箱に詰められ、常に頭上はやぶせったい感じだったけれど、ここには何も無い。
ガスのために残念ながら視界はきかないが、登って来た道筋を時折振り返ると一瞬、一面の白いガスの切れ間、雲の切れ間から青空と山が見えた。ほんのわずかな時間で、どこの山だか分からない。方角からすれば戸隠の西岳のどこかのような気がするが、定かではない。
南登山道と中社からの分岐点を後にして、もう見え隠れしている南峰はすぐそこ。回りに邪魔なものも無く、見回せば見晴らしの良い場所だが、一番急な場所だ。小岩が沢山で階段登りの要領だが、歩幅がまちまちなので厄介だ。それでも約10分で、飯綱神社の鳥居が目に入った。もう一息だ!勘違いしていたが、南峰はここからもう少し道のりがあると思っていたのだが、この鳥居を左手に見ながら歩くと、すぐ目の前に南峰を示す標柱が見えて、南峰到着だった。〔AM8:57〕
【笹藪の中から花が顔を出したり、
野鳥の鳴き声 が聞こえてくる】
ちょっと、飯綱神社奥社社殿へ降りてみた。ここは目立たないので、知らないと通り過ぎてしまうところに建っている。ここは、いざとなれば避難小屋としても使わせてもらえそうだ。
尾根の両側からは、常にガスが舞い上がってきて、辺りを覆ったりしながら、頂上の標柱を見え隠ししていた。頂上への緩やかな斜面を登って行き、よく見ると標柱の少し横に人影のようなものが見えてきた。ジッとしているようなので定かではないが・・・そうこうしている間に標柱の文字が読めるようになってくると、果たしてそこには一人の先人が、標柱のスケッチをしている様子。一応山の挨拶「こんにちわ」と声をかけたが、返事は返ってきたものの振り向きもせず、・・・・こちらとしては、えっ!?という感じ。誰もいない山上で行き会ったら一瞥をくれるくらい・・・と思っていたが・・・まあ。なんて愛想のないお姉ちゃんなんだろう・・・おかげで頂上の標柱には近づけず、遠巻きに見て通ることになった。フゥ・・・ちょっと大人気ないかな?一応、3年ぶりの飯綱山頂上到着だ。〔AM:9:08 〕
晴れていれば、ここで景色でも眺めるとすばらしいが、この日は望めそうもないので、頂上へ行くことにした。南峰から頂上に続く鞍部へ緩やか下りていく。最近はこの辺りにトイレができた。排尿、排便等で地下水の汚染が進み環境破壊や山野草や動植物の生態系のバランスが崩れないための措置らしいが、これも大変なことだ。よく山へ行っていた昔は、普通にその辺でオハナツミ、キジウチといってしていたけれど、時代とともに変わってきたようだ。
笹薮の道を歩くと、リンドウが沢山見られる。この辺りは今が見ごろのようで色も良い。ジッジッジッというウグイスの笹鳴きがずっと聞こえている。歩を止めて静かにして、鳴き声がする方をしばらくみつめていると、笹が揺れている。その揺れが鳴き声とともに移動していく。姿は見えないけれど、そこにはウグイスがいたのだ。初夏の頃だと普通にホーホケキョと鳴いていただろいに・・・。
鞍部の中ほどでは、道の真ん中に動物の糞がしてあった。かなり大きいのでひょっとしたら熊ではないだろか。途中でも色々な糞があったが、小さいので小動物のものだとすぐに分かる。そういえば、今日は人に会っていないし気配も感じられない。また嫌な感じだ。熊。でも、この視界のきく場所なので、そんなには気にならなかった。
この辺りで森林限界から抜け出したようで、自分より高い木々は無くなり、上の方を見ると笹野原の中に分岐標識が見える。こちらからの南登山道と戸隠中社から来る西登山道の合わさる所だ。〔AM8:45〕
更に上を見上げれば、もうすぐそこに南峰が見えていた。ここまで来れば、元気が出てきて足どりが軽く、この辺りが一番急坂なはずだけれど、どんどん足が前へ出る。人間なんて本当にゲンキンなものだと思う。
頂上から下りかけてまもなく、南峰は西の戸隠側から湧き上がってくるガスに覆われていたが、次々に湧き上がってくるガスに押されるようにして、南峰に着くころにはどこかへ行ってしまった。
ここからは、本当の下山となる。〔AM:9:40〕
南峰から360度グルッと見回したが、相変わらずの視界。下山ルートを見るとやはり森林帯に入る辺りから下はガスに覆われていた。もう少し待って景色を見たい気持ちもあったが、その気になれば来れる山なので、この日は下りることにした。
南峰の標柱を右手に下山していく登山道を見下ろすと、その周辺は笹薮や草野原になっているが、草花の多くは枯れ色になっている。そんな中、わずか下がったところに戸隠中社と一の鳥居への分岐標識が見えていて、中社への尾根道を目で追っていくとガスの中へ消えていく。急峻で不規則な石段状の登山道を降りて、草原のような場所へいくと分岐点だ。
登ってくるときも周りを見ながら、草花を見ながら来たはずだったが、視点が変わると見えてくる草花も違って見えてくる。もう花期は過ぎてしまったのだろう夏の名残りの花たちが、高山の短い夏を精一杯咲かせているようだ。花を落とし、茎や葉を落とし枯れていき、冬支度をする。やって来る長い冬を地下茎で、こぼれ落ちた種で過ごし春を待つのだろう。…そんな風に勝手に考えてみた。
分岐点を過ぎ、比較的見晴らしの良い尾根道を下り森林帯へ入る。ここでこの日2、3人目の登山者と出合った。ご夫婦らしくお揃いのスタイル、私より少し年上の方たちだったが、ちょっと苦しそうな歩き方だった。間もなく「天狗の硯岩」だ。約20分で下りて来た。〔AM10:00〕
天狗の硯岩のすぐ下で、4人目の登山者と出合った。ここから下は、草つき尾根を横切りながらのジグザグ道を下る。水場、花がたくさん咲いている草薮を下る。最後の草つきの斜面を横切る長い道で、5人目登山者とすれ違った。もう少し、この突き当たりは「駒よせの場」だ。急な坂道は終わったので、ここで一休み。〔AM10:18〕
後は、長い緩やかな尾根道を下るだけ、足取りが軽くなる…実際は下り道だったので、少しカッタルイ…でも気持ちは軽やかだ。しばらく下っていくと、本日6人目の登山者と出合った。今度は、私よりずっと年上のおじいさんだった。「こんにちわ」と声をかけると「おはようございます」と返ってきた。おお、やっぱり矍鑠とした方だった。でも、やっぱりお歳、足取りは遅かった。
そうこうしているうちに、第一番目の石仏、三つ目の鳥居も過ぎて、登山口の飯綱山大明神の鳥居まで下りてきた。〔AM10:47〕
そこには、これから登っていこうとしている5人のグループがいた。いずれも私よりずっと年配の方々ばかりだった。
天候も回復してきて、ここでは陽射しがあった。気温もぐっと高くなっていて、汗が吹き出てきた。ふぅ〜 でも気持ち良い。ここ数年登りたい、登りたいと願っていた飯綱山へやっと登れた。
ここ1年は、いろいろあって、ランニングなど運動もできない状態が続き体力的に、少し不安があったが、まずまずのコースタイムで登り下りてこれたし、その後筋肉痛もなく過ごしている。ひょっとしてこれは、毎晩寝る前にひそかに行っているトレーニングの賜物なのか??