目には青葉山時鳥初松魚・・・新緑が目に鮮やかな季節になってきた。 5月、五月晴れの気持ち良い時季だ。

五月晴れというのは、5月のすがすがしい晴天。と陰暦で言えば6月がさつきにあたり、梅雨空の合間の晴天のことをいうらしい。当然今は、前者の五月晴れのことだが・・・。

天気が良いので公園をぶらぶらしてみた。
日当たりにいると、もう初夏のようだ、暑い!
今頃は紫外線が非常に強いというが、夏至の頃がピークなので、これから夏至に向かってどんどん強くなっていく。でも、6月に入ると梅雨空が広がってしまうので、やはり5月が一番強い時期になるんだろう。日照時間も最も多いらしい。因みに、紫外線を透さないのは黒い服装で、透しやすいのは白で、その差10倍だとか・・・・。
そんな今は、あちこちの行楽地へ出かける人たちを羨ましく思いつつも、この季節の楽しみ方として、森林浴ならぬ新緑浴なんていうのはどうだろうか、近くの公園で簡単にできる。

今、強い陽射しを受けて、植物はどんどん生長している。3月くらいから芽吹きを始めた色々な樹木が芽吹いている。早くに芽吹いたものは、もう黄緑色から緑色へと順に色を濃くしている。
しかし、まだまだ全体から見れば薄黄緑や黄緑といった柔らかい萌え色が目立つ。

この新緑の森と陽射しが見せてくれる、光と翳を見てみた。

早春から初夏にかけての季節は格別に美しい。それまで枯れ色だった野山、近くの公園、都市の街路の樹木、草花が一斉に目覚め、生長が始まるからだ。
この新緑の季節と同時期には人の世界でも始まる人の動き。この人ごみを避けて近くの公園へ行くと、そこには、たくさんの新しい命が芽生えているのに出会える。
春の明るい陽射しを受けて、萌えるような新緑が芽吹き、小さな花々は、一斉に咲き始める。冬の間、じっと実を固くしていた野花が開くと、蝶が花々の間を舞い、明るい陽射しが新緑の葉っぱにあたりキラキラ耀き、楽しげに小鳥が囀る。

こんな風景は、今の時期、都市公園でも見られる。

森の日陰に入り、上を見上げると新緑の葉っぱに明暗がくっきり見える。

早くから芽吹いて、既に色濃くなった葉っぱは、あまり光を透さなくなり、森は少し翳る。しかし今の時期の翳りは、まだまだ薄く、これが梅雨明け時分になった森とはずいぶん違う。

今は、まだ葉っぱの肉厚も薄く、強い陽射しは、葉っぱの葉脈を透かせて見せてくれるぐらいだ。
透かして見える葉っぱを見ると、その厚さの違いが良く分かる。既に葉っぱが色濃く肉厚になっていれば、太陽の光をはじき返してしまい、透けては見えない。

薄い葉っぱは、影になっている葉っぱを映し出し、少し濃くなった色で形を表わしている。

森の中では、木漏れ日が定番だが、この季節はまだ木漏れ日というには早い。樹木の葉っぱがかなり生い茂っては来たけれど、まだ7月8月の比ではない。
今は勢い良く生長しているが、葉肉もまだ薄いし、柔らかい葉っぱは光を透してしまう。本当の木漏れ日は、生長し切った葉っぱが肉厚になり濃い緑色をしてくると本格的だ。真夏の強い太陽光を遮り、木々の葉っぱの間からスッと一条の光を透してくる。そんな感じだと思っている。

夏の暑い日、日向を歩いてきて、こんもりした森に入るとホッと一息つける。そんな時、額の汗をぬぐいながら陽射しを遮っていてくれる樹木を見上げれば、そこに樹木の枝葉の間から射し込む光がある。木漏れ日というのは、そんな感じが良い。

今の森は、まだまだ太陽の光りが射し込む余地がいっぱいだ。これから生長が必要な樹木のためにも。そんな新緑の森は、光と翳が織り成すコントラストの森だ。葉と葉の間を通り抜け透かして見える光、新緑の葉っぱが撥ね返しキラキラ耀く光、黒く太い幹に浮かび上がり光り輝く葉があった。あとひと月もすれば鬱蒼とした大きな森になって、葉っぱと葉っぱの隙間を探して光が透ることが難しいほどになっていることだろう。

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2007 May. 5 tama
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新緑の森・・・光と翳

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