【カワセミごっくん。 上の続き。ダイビングして捕ってきた小魚を銜えてあっちこっち見回して、縦に銜えなおしてゴックンと飲み込んでしまった。】

【カワセミはダイビングで餌を捕ってくる。枝に止まってジッと魚影を探し、素早くダイブ、口に小魚を銜えて元の枝に戻ってくる。】

【左:カワセミ♀、口ばしの下がオレンジ色。    右:カワセミ♂。体の色合いはほぼ同じ】

【カワセミの後姿、コバルトエメラルドブルーグリーン】

【田植えが終わった田んぼの畦をゆっくりゆっくり給餌をしながら歩き回る。ここにはたくさんのサギの姿が見える。鳥見人には敏感だが農作業をしている人たちには警戒心がないようだ。鳥もそういうことはよく分かっているようだ。】

【森の中、木漏れ日の小道を歩けば、爽やかな風が頬を撫でていく。】

【この日は気温が30℃くらいまで上がり良い天気だったが、この後前線の通過で大嵐になった。嵐の前の静かさ。でも雲の動き方は怪しげだった。】

この公園は、池があるのでカワセミの生息地としても知られている。ここでカワセミ観察考を。

カワセミは、別名「きっかけ鳥」とも呼ばれる。それは、あのまばゆいばかりの姿に魅了され、その姿をカメラに収めようとしてカメラの世界へ、カワセミを追っかけ回しているうちに野鳥の世界へとどっぷりはまり込むきっかけになるからだそうだ。「チー」という甲高い鳴き声の方を見れば姿が見れるかもしれない。
カワセミは、お世辞にも恰好良いスタイルとはいえない。ちびデブ?、頭でっかちの三頭身といったスタイルだ。でも色合いは良い。オレンジ、白、ブルーに配色され、何といっても背中のコバルトブルーとかエメラルドグリーンなどと表現されるあの色は他に見たことがない。この色合いは、何か熱帯系の鳥を思い浮かべるけれど、歴とした日本固有種だ。一般に鳥はオスは色鮮やかでメスは地味な色合いだがカワセミはオスもメスもほとんど同じ色合いだ。見分け方は、口ばしの色を観て、口ばしの下の部分がオレンジ色をしているのがメスだ。

広葉樹では、アキニレ、エノキ、ムクノ
キ、池の水辺に近いところや水中には、
ハンノキが多く植生している。

この公園は、池を中心にしているので
冬は水鳥が沢山渡ってきているが、今
の時期は、湖面は閑散としていて、居る
のはカルガモ親子で雛が数羽と成鳥2
羽くらいとバンの幼鳥らしいのが数羽見
られた。この公園の周囲には野鳥誘致
林なるものがあって、その林からキビタ
キの声が聞こえていた。少し前にはここ
にもサンコウチョウが来ていたと聞いた。

新緑の5月、都内の都市公園へ行ってみた。ここは、住宅街に囲まれた池を中心にした公園だ。やはり都市公園ということで、人が多い。池の周囲には遊歩道を廻らせてあるのでウォーキング、ジョギングの人たちが沢山楽しんでいる。池を囲むようにして木々も沢山植えられている。主な樹木は広葉樹がほとんどで、その合間に針葉樹のメタセコイアが生えている。

この公園は、河川敷脇にあるので周囲には田んぼも沢山ある。この辺りの田んぼの田植えが始まっている。前は、この公園辺りの田んぼから始まり、荒川の公園側が終わると川を挟んだ対岸側へ移りさらに北側へ田植え前線が北上して行き6月の声を聞く頃には、この辺り一面緑の早苗のじゅうたんが敷き詰められた。

しかし、こうした農作業でも、以前は気候の変化が予測でき、その状況をみながら天気と相談して徐々に作業をしていたことが窺えるが、この頃では気候の変化が大きくて、そうした徐々に進めることもむずかしいのか、ほとんど同時期に田植えが行われるようだ。

本来自然の一部である人間は、その基本に戻り、自然とともに生きるべきなのだが、人間は愚かなものでそうしたことにはなかなか気づかないでいる。人間の関心は自然から離れ、物欲とお金に向いている。容赦のない経済的生存競争が、大量消費社会を形作り、その陰で貴重な生物、植物を減少させ続けている。そして我々の地球の自然を確実に消耗させている。そうした大きな悪循環は、地球規模で動き始めて、気象の変動へと向かっているような気がする。

この公園へ来ると、いつもほとんど同じ道を辿って一回りしている。人の手が入っていない雑木林、竹林、藪が広がる一角があり、ここは鳥たちの格好の隠れ家になっている。キジやコジュケイの鳴き声はこの藪の中からよく聞こえてくる。この藪の反対側は対照的に人工的な造りの森になっている。舗装道路を巡らせ、歩いたりジョギングをするにはいい。ここは広々した野原があったり、メタセコイアの林、クヌギやナラなどの雑木林などで構成され子どもたちの遊び広場と野鳥たちが囀ったり給餌をしたりできる人工的ではあるが、自然と向き合える良い場所になっている。

5月に入り、森は木々の葉っぱがどんどん大きくなり、春までの貧相な森から鬱蒼とした森に変わってきている。これは、今年の「梅雨のはしり」のような5月で雨が多かった為に、いつもに倍して青々した森になったような気がする。樹木が多ければ、その森が沢山の水分を蓄えてよりいっそう森の木々を潤す。こんな良い循環が日本中で行なわれれば自然破壊などと騒がなくて済むはずなのだが・・・・・

新濃緑の季節 5月・・・・でも、天候がおかしいぞ!!

5月といえば「さわやか」というイメージが、私にはある。すがすがしい季節のはずだが、今年の5月はどうしたことか、連休後半は良い天気に恵まれたが、それ以降は梅雨のはしりのような天候が続いている。今頃は天候が安定してきて良い季節であるはずだが・・・。
ここ数日の気象ニュースを見ていると、「曇天続き…このまま梅雨入り?」などと報じている。連休明けから半ばまでの日照時間が極端に少なく、ほとんど陽射しがない状態だ。5月後半の天気予報も「ぐずつき気味」といっているし、すぐに6月だ。すると、もう梅雨入りだ。
ある方面からは、紫外線が例年より少なく「お肌にやさしい5月」などといわれているようだが・・・一方で野菜の出来具合が心配され、また値上がり品不足と連鎖は広がっていくのではないだろうか。この天気しばらく続いている異常気象?の一連の現象なのだろうか、とも思えるが、まだ季節の変わり目の気候と考えればそんなふうにも考えられる。
4月には新芽が出てきて萌黄色で弱々しい緑色だったが、5月に入ってからは緑濃い
色に変わってきて木々に力強さが感じられる。

今月は、いろいろな都合で遠出ができないので、いつも行く近くの公園
での話題を拾ってみた。

近くの公園に行ってみた。ここは大きな森や林が沢山あり、その間は草原が広がる。遊歩道を歩けば森から森へ林へと繋がっていく。
今の時期、植物の生長はすごいスピードだ。1週間したら風景が全くというほど変わって緑にすっぽり包まれてしまう。
また、ちょっと晴れれば、夏の太陽で暑い。こんな日は、木陰が気持ちいい。適当な風で木陰にいる間は暑さも忘れる。

今もまだここに留まっている夏鳥やここでひと夏を過ごす鳥、最終目的地へ飛び立って行った鳥などなど。今は、ひと段落、森は少し静かになってきた。

ここで、鳥観察ならぬ、人間観察考を一つ。
私も最近、鳥見人風体でこの森を歩き回っているが、あまりにも初心者なので、ここの常連?のおじさん達とはあまり身近なお付き合いは出来ていない。行き会ったら頭をさげるくらいで、でも2、3人のおじさんは、あっさりと要点を話してくれるのでこの方々とは時々立ち話をする。

最悪なのは先日捉まってしまったおじさんだ。いつものように歩いていくと、いやに愛想の良いおじさんが「何かいた?」と聞いてきた。「いや、今着たばかりで・・・」「そう?今、仲間が偵察に行ってるから・・・」という。そうしたら、写真アルバムをもってきて解説をはじめ・・・新聞の切り抜き、××新聞に掲載された、○○雑誌に・・・・と、三越本店で写真展を・・最後に自分の写真展を来月やるから来て・・・。確かに綺麗な写真を撮っている。めずらしい鳥も撮っている。見せて頂いたので良いのだが、でも、あまりにも売り込み過ぎ?どうも、こういう人に話しかけてはいけない。話しはじめたら最後、何時終わるとも知れない自慢話大会になってしまう。ご用心ご用心。 何か、そんな話を聞いていたら、鳥見をする気がなくなってきて帰ってきてしまった。

この公園は、野鳥の森でもある。毎年その時期になれば、お馴染みの顔が見られる。今年も、つい先月までいた冬鳥が姿を消したかとおもうと、夏の渡り鳥が姿を見せてくれた。この冬は冬鳥が少ないという声が聞かれていたが、これも気候が変だったせいなのだろうか。そういう風にも考えられるけれど、自然の中での動きであるので単年ごとに見るよりは、数年の動きを見るほうが理に適っているかもしれない。そうはいっても、先月の終わりから今月中旬までには、夏鳥のお馴染みさんたちが顔を見せてくれ、鳥ファンギャラリーを楽しませてくれた。
【今年もお馴染みさんが顔をそろえて、一生懸命歌っていた。キビ太君は皆が飛び去った後も1羽歌い続けていた。 お嫁さん探し?夏鳥たちは1週間くらいの滞在で最終目的地へ飛んでいった。】
この日は、オス、メス合わせて4、5羽姿を見せてくれた。ここの常連さんの話では、既に雛4羽が巣立ったそうで、もうみんなばらけてしまっているとのこと。何でも雛が4羽枝に並んで止まっていたとか、そんな姿を見たかった・・・ そんな話を聞いていたところ、メスが木の枝に止まって居るところへオスが餌を運んできてプレゼントするシーンが見れ、交尾寸前まで・・・でも。初夏のこの時期、彼らにとってやはりまだ「恋の季節」なのだろう。この日飛び交っている中でメスに近づくオスを別のオスが追い払っている光景も見えたり、色がまだあまり鮮やかでない幼鳥らしい固体も見えた。

彼らの主食は、水中の小魚で、彼らは見かけによらず、なかなか攻撃的なハンターだ。木の枝に止まっていたかと思うと、魚影と見るや素早くダイビングする。捕ってきた小魚はすぐには食べずに、魚を弱らせてから飲み込むという、ちょっと残酷な荒業をみせてくれる。

カワセミは、今、都内や周辺部で留鳥としての数は多いほうだが、一時、東京の水辺があまりに汚れたせいもあって姿が見れなくなった時期があり、水がきれいな多摩川上流地域へ行っていたが、また戻ってきた。どうしてか?

水がきれいになったから?だけではなく、もっと切実な「そこに餌があるから」ということらしい。カワセミの好物はモツゴという小魚だが、汚れた川でも生きていけ、汚い川のほうがその数は増えるとか。・・・きれいな水辺を好むとされるカワセミが、それほどきれいでない都内の川に棲むということは、「水はあまりきれいじゃないけど、餌がたくさんあってお腹いっぱいになるので、まあ、いいか」と妥協してしまったのだろうか?

食料の調達はできても、彼らは土の崖に横穴を掘って生活するので、昨今の開発が進むなかで「住宅難」が問題になる。子育てをする場所が少なくなっている中では、この公園は餌の供給ができ、自然が棲家を提供してくれるのでカワセミにとっては恰好の場所になっている。
この公園には、この日も大勢の子ども達が自然観察に来ていた。私が自然観察指導員講習会で最初のフィールドの会場はこの公園だった。

今回は、特にこれといった話題がなかったので、近くのいつも行く、都市近郊でも郊外型の大きな公園と都市型のコンパクトな種類が異なる2つ公園へ出かけた時のことについて書いた。前者は、周囲の環境や規模からいってもきわめて自然に近い状況の公園であるのに対し、後者は住宅地に隣接しているという条件から、かなり人工的で人間との係わりが多い公園だ。でも両公園とも以前から続く自然の手付かずの部分もかなり残っているので、その季節、時期には相当の動植物が見られる。こまめに通うと渡り鳥などにも遭遇する機会ができると思う。やはりこうして都市部でも自然に接することが出来るので自然を大事にしたいものだ。

せっかくの晴天を願っていた5月だったが、けっきょく何だかはっきりしない天気のまま終わってしまいそうだ。九州南部が梅雨に入ったそうだが平年より数日早いのだが、昨年に比べたら16日も早いという。ということは、四季のうち春の期間が短くなってきて、季節が四季ではなく、雨季か乾季かという亜熱帯地方の気候に近づいているのではないだろうか。最近は動植物の生息生態動向にも変化がみられるようだ。

本当に環境のことを考えないとどんどん住みにくい地球になってしまう。

【もう、ムラサキツユクサが咲いて、すっかり梅雨の装いだ。】

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2006 May. 30 tama
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