【湿気がたっぷりの蒸し暑い今、草花は懸命に生長している。
こんな時季で陽射しがあると、こんな草むらに入ると、ムッとする草いきれがすごい。】

この樹林公園は、樹木が多く芝生などあって人間にはいいのだが、なぜか野鳥の数は少なく、留鳥のスズメ・カラス・キジバト・シジュウカラ・ムクドリぐらいしかいない。
渡ってくる鳥ではツグミくらいしか見たことがない。あまりにも人工的な公園だからなのだろうか、それとも住宅地が多く人が多いためか、あるいは水場が無い為だろうか、ちょっと不思議だ。

樹林公園の中へ入ると、今は盛りと草木が勢いよく生長している。辺りの道路わきの街路樹や草木は、伸び放題に伸びるのですぐに刈り込まれるが、樹林の中の下草は放ってあるので思いっきり伸びている。
緑一色といって良いほど濃いみどりだ。そんな中にも花が少し見える。

樹林公園のランニングコース脇には、野草雑草がたくさん生えている草地があり、イヌゴマ、コマツナギ、タケニグサ、ヨウシュヤマゴボウ、キイチゴなどが目についた。

今年の梅雨、私の住んでいる辺りでは、雨も大して降らずにメリハリのないダラダラした「カラ梅雨」模様だ。

5月半ばあたりから梅雨のような天気が始まり、6月に入るとお決まりの「梅雨入り」宣言が出され、いよいよ梅雨かと、毎年、思うが如く「鬱陶しい季節」がやってきたなと、自分に言い聞かせ、一応その気になる。
梅雨になったから雨の覚悟はでき、「いつでもどうぞ」と思っていた。しかし、既に2ヶ月近く経過したが、激しく降った雨の記憶が無い。梅雨だからといって激しく降らなければいけない訳ではないが、曇天の日々は続くけれど長雨や強雨という降り方はしてない。それに曇天といってもけっこう日が射すことも多かったような気がする。

今日は、台風が過ぎ去り梅雨前線が日本海まで押し上げられて、太平洋高気圧に覆われたために梅雨前線に向かって暖かい空気が流れ込んだ。それで梅雨の晴れ間が広がり、この夏一番の厳しい暑さとなった。
昨夜は、都心で今夏初めての熱帯夜で、今日は真夏日だった。ここ数日、真夏日が続きそうだ。
と、くどくど書いているが、今日のような天気図になってくると、梅雨明けに近いパターンだ。すると、梅雨明けも間近だな?という気がしてくる。このまま梅雨明けへ向かうとすれば、やっぱり私の住んでいる辺りでは、梅雨の期間に雨は少なく、「空梅雨」だったということになる。

外を歩き回りたい私としては、こんな天気でよかったのかなと思っているが・・・・。おかげで、梅雨空の下、近くの田んぼ地帯へ出かけ鳥見や自然観察ができた。

梅雨明け間近・・・・ 近所の公園

梅雨明け前の暑っつ〜い ある日、ヒマワリが大きく咲き開いていた。
ヒマワリが似合う季節になってきた。

真夏日の今日は、すぐ近くの樹林公園といつも走るグランドのある公園へ行ってみた。

その公園へ行くときに、いつも走るコースを、今日は歩いて行った。走っているときも、いろいろ目に入ってきて気になる風景、草木や花があるのだが、いちいち見ていたら走れないので、時々このコースは少し寄り道をしながら歩くことにしている。


今日は、午前中にも関わらず、少し歩いたら汗がダラダラ出てきて小一時間で切り上げた。それもそのはず、帰ってニュースを見たら、練馬で気温が30℃を超えてさらに上がっているという。結局、この日の最高気温は35.6℃だった。

さて、私の走るコース、最初は、自衛隊の演習場の脇にある距離にして500mくらいの緑道だ、桜並木や雑木があり、春には桜が咲きお花見でにぎわうが、今は緑のトンネルだ。そのしたを見るといろいろな花が咲いている。ワルナスビが白い花びらに黄色い花弁をつけている。赤ツメ草も沢山咲いている。いろいろな植物も元気に生長している。

いつも走るこの二つの公園は、四季折々いろいろな風景を見せてくれる。

他を見ても花は、少し前まできれいに咲いていたが、端境期なのか盛りを過ぎた様に咲いているばかりで、ネジバナはすっかりなくなり、ニワゼキショウも少なくなっていた。

この変な名前の命名の経緯は、牧野富太郎著「植物一日一題  博品社」によると以下のようだ。

「ワルナスビとは「悪る茄子」の意である。…
我が圃中に植えた。さあ事だ。それは見かけによらず悪草で、それからというものは、年を逐うてその強力な地下茎が土中深く四方に蔓こり始末におえないので、その後はこの草に愛想を尽かして根絶させようとしてその地下茎を引き除いても引き除いても切れて残り、それからまた盛んに芽出って来て今日でもまだ取り切れなく、隣の農家の畑へも侵入するという有様。イヤハヤ困ったもんである。それでも綺麗な花が咲くとか見事な実がなるとかすればともかくだが、花も実もなんら観るに足らないヤクザものだから仕方ない。こんな草を負いこんだら災難だ。………。
 この始末の悪い草、何にも利用のない害草に悪るナスビとは打ってつけた佳名であると思っている。そしてその名がすこぶる奇抜だから一度聞いたら忘れっこがない。」

命名者自身が愛想をつかせているような悪いやつのようだ。それでも、今の時季草むらに白と黄色の鮮やかな花が咲いていれば気持ちが和む。そんな悪いやつには見えないが・・・。          【練馬区牧野記念庭園 牧野の東京の自宅を一般公開した庭園。340種あまりの植物が植えられている。】

【ワルナスビ】

変な名前なので調べてみた。花はナス科のナスやジャガイモと同じような花を咲かす。
この花の名付け親は、私の住んでいる近くにある、「練馬区牧野記念庭園」で知られる「牧野富太郎」だ。

グランドのある公園は、水の広場、四季の広場、陽だまりの広場、アスレチック、砂場、野鳥の森、原っぱ、400メートルトラックのある多目的広場、野球場がある。

また、この公園には、ウメ、サザンカ、ツバキ、ヤマザクラ、ミズキ、ハナミズキ、ツツジ、サツキ、エノキ、ケヤキ、ヤマボウシ、アジサイ、フジなどが植えられている。

最近出来た施設に、今流行の「アウトドア家族」の為にバーベキューが出来る広場ができた。少し起伏を持たせた芝生が広がり、その脇の道路際に池を作った。まだ、出来たばかりなので、蛙やアメンボウくらいしか生息していないが、やがて野鳥なども来るかもしれない。でも、水が常時流れていないので、雨水や休日の人が集まる時に流す水が溜まっている状態だ。それでも、水溜りがあれば野鳥を呼ぶひとつの要件になるかもしれない。

【樹林公園
樹木も草花も今が盛りとグングン伸びている。

樹林公園内のランニングコース。(右)

いつも走っている400メートルトラックのある多目的広場。(右下)】

樹林公園と道路を挟んで隣接しているグランドのある公園へ行ってみる。間を走る道路は、春は桜の花のトンネルだったが、今は緑のトンネルになっていて、昼間でも薄暗く感じる時もあるほどに鬱蒼としている。

いつも走るグランド脇のフェンスには、クチナシの真っ白な花が咲き、辺りに良い香りを漂わせている。でもクチナシの花は、この雨の時期に咲くので、遠目には真っ白く見えても、良い香りに誘われて近づいて観ると、縁取りが茶色っぽくなっていて、白い花が台無しになっている。

野鳥の森では、今、アジサイが名残の花を良い色で咲かせている。その脇には、秋に実をつけるムラサキシキブ、シロシキブの花がやはり実の色と同じ色で咲いていた。この花も既に盛りの時期は過ぎて、ほとんど落花してしまった。

この公園にも野鳥の森があるけれど、見られる鳥は、お隣の樹林公園と同じく、留鳥がほとんどで、季節ごとに渡ってくる鳥はほとんど見たことがない。もっとたくさんの野鳥が来てくれるといいのだが、やはり条件がよくないのだろう。

いつも公園を走り回っているが、考えてみると「四季の広場」へ来るのは名前のごとく季節の変わり目ぐらいにしか来ていない。


この広場は、季節ごとの草花や柿、カリン、アケビなど秋には果実も色づくのでけっこう楽しみにしている場所のひとつだ。

ここは今、既に夏の装いだ。
まだ、梅雨は明けていないが、広がる青空に熱帯の花を思わせるノウゼンカズラが咲き、真夏のような雰囲気を出している。

ジリジリ照り付ける陽射しに手をかざして空を見上げると、青空には青空だが、まだスッキリと晴れていない。

地上に近いところに水蒸気がたっぷりあるような空の色だ。この薄っすら広がるものが払いのけられると、その上に広がる真っ青な空から今度は、ギラギラの真夏の陽射しが我々の肌を小麦色に変えてくれる季節になるのだろう。
この季節こそ、黄色く大きく花開き太陽へ向かうヒマワリがよく似合う夏だ。

噴水広場に、今年も水が流された。この頃になると、まだプールに入れない子ども達が水遊びを始める。階段状の頂上から流れ落ちる水にキャッキャキャッキャと元気な子ども達の声が聞かれる。
日なたの水で遊んで疲れたら木陰に入り一休み、母親のところへ・・・これも現代の夏の風物詩だ。

公園を一回りして、野鳥の森へ来たが、この時季この森は本当に野鳥がいない。カラスくらいだ。一年を通してほとんど留鳥しかいないので野鳥を期待しては来ないのだが、時々は双眼鏡を首に下げてやってきて、鳥の種類は何でもいいけれど、その行動・動作を見てみる。そっと見ていると意外な行動が見られて面白いのだ。鳥見というものはそういうことではないかと思っている。

めずらしい鳥を追い求めるのもひとつの鳥見なのだろうが、こんな風に一つ一つの行動・動作を観察することも面白い。そういえば、この公園で双眼鏡を持って観察をしている人を見かけたことがない。私くらいなのだ。

それよりも、そろそろセミの鳴き声が聞こえてきてもよさそうなのだが、まだ聞いていない。この野鳥の森は、夏は鳥よりセミが大量に地面から出てきて羽化する。一昨年など一本の木に何十匹というほど出てきて羽化してセミの抜け殻だらけだった。セミもそのまま、その木で鳴き通していた。

この森での楽しみのひとつに、秋のイベントがある。それは「ハイイロチョッキリの落し物」だ。この森に8月後半から9月くらいに行って森の中を歩いていると、コナラやクヌギの葉っぱのついた青いドングリをつけた枝がポトッ ポトッと落ちてくる。拾ってドングリを見てみると、帽子《殻斗(かくと)》の部分にポツッと小さな穴が開いている。
これは、ハイイロチョッキリが、卵を産み付けたドングリのついた枝を切り落とし、幼虫はドングリの中実を食べて育つのだ、という。どうして枝ごと切り落とすかは分からないが、夏の後半でみられるので楽しみだ。

いつも走っていて、辺りの景色が気になっていた近所を、少しゆっくりと歩いてみると、目線が違ってきて、有り触れた風景の中にも、面白いことを発見したり、良い場所だと思えたりする。

走った後、帰り道の歩道も緑のトンネルだ。今は、まだ蒸し暑い梅雨明け前なので、少し鬱陶しい感じがするけれど、梅雨が明けるとカンカン照りの熱い太陽の下では、きっと強い陽射しを遮ってくれる気持ち良い歩道になることだろう。

身近にある公園だが、人間というのはおかしなもので、だいたい行く場所が決まってしまい、歩くコースも同じだ。時々走るコースも変えてみるけれど、いつの間にか、また元のコースに戻っている。

もっと、隅からすみまで見て歩けば、新しい発見がたくさんありそうな身近な自然がそこにはある。

さあ、もう少しで梅雨明けだ! フィールドへ飛び出そう。

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2006 July..17 tama
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