2006年春に咲き始めた桜、オオイヌノフグ

♪♪ホゥ〜ホゥ〜 ホゥ〜ホケキョッ と春を奏でていた

いい天気に恵まれた、一日だけの春の日。翌日は、また厳しい寒の戻りがやってきた。

暖かくいい天気の日は、ヒレンジャクや野鳥が現れない、というジンクス?は、ハズレた。
誰が言い出したのかは知らないが、この日、生まれて初めてこの鳥に遇えた。

今の季節は、こんな「一日だけの春」の日が、繰り返し繰り返し日替わりでやってきて、「毎日が春」になっていく。単調だった枯れ色の世界から少しずつ色彩の世界に替わりはじめ、鮮やかさが増してくる。眠っていた世界が目覚め、活動がはじまる。樹木も、野鳥たちも、小さな虫たちもムズムズしはじめる。これらのためには、やっぱり必要な「一日だけの春」だったのだ。

今年も、桜の花が咲き始めた。一輪、二輪と・・・・・でも木によってはずいぶん咲いている

さらに林の縁を歩いていくと2、3日前の雨でできた水溜りの淵にシメが1羽、水を飲みにきていた。ここしばらくの間にシメの姿も沢山見られるようになってきた。この公園に多くあるメタセコイアやヒマラヤスギの林の地面を突っつく姿が群れで見られる。

それと同じ頃からムクドリの姿も多くなってきた。冬の間は、まったくといっていいほど姿を見なかったのに、今ではツグミの群れよりムクドリたちのほうが多くなってきた。
雑木林の中からコゲラのドラミング(嘴で木などを叩く音)が聞こえてくる。静かな場所でコゲラのドラミングを聞くと、結構大きな音がする。からだが小さいからか、ドラミングの音も早いような気がする。コゲラも繁殖期に入ったのか、いつものギィーッとドアの軋むような鳴声からキーキッキッキッ とちょっと耳障りな鳴き声になっていた。 激しい トロロロ トロロロ というドラミングの音は、なわばり宣言でもしているのだろうか。
公園の森、林の樹木全体が少しずつ、今までの枯れ色から緑色が増えてきて、息を吹き返し始めた感じがする。この森に生息する生き物たちも徐々に活動し始める。野鳥たちも繁殖期をむかえる個体もおおく、激しくオス・メスの奪い合いをするものや仲良く寄り添うものが見られる。また、今までひっそりしていた森には、沢山の野鳥のさえずりや鳴き声が聞こえ始めた。

沢山のギャラリーを魅了してしまったヒレンジャクだが、私が到着して小一時間、公園の清掃にやってきた車のドアを閉める音に驚き飛び立って、全部が少しはなれたメタセコイアの林へ隠れてしまった。でも、ほとんどの人たちはカメラを据えたまま、再飛来してくるのを待っている様子だ。

黒い過眼線が冠羽の先端まであって鋭い目つき?のように見える顔?。鶏冠のような長い冠羽がかっこいい。次列風切羽と尾羽の先端は赤く、この赤が鮮やかで印象的だ。綺麗で何といっても全体の配色がいい。

しばらく見ていると、そこへさらに十数羽が飛んできて二十数羽になった。見ている人たちも、お〜という声を出してしまうほど沢山やってきた。

なかなか出会えない分、出会えると嬉しさ百倍といった感じだ!形や色合いがめずらしいのでやっぱり興味があった鳥だったので…また、もう少し暖かくなればシベリアなど北の国へ飛んでいってしまう。それまでに、またみられるだろうか。

この公園へ通って、3回目でようやく見れた。先日は、前日に1羽来たと聞いていたし、今までの話でもこんなに沢山来ているなんて思わなかったのでちょっと感激!!

そんな経緯があったので、この日もどうかな?という感じで出かけた。天気はいいし、気温も上がってきて気持ちいい日だ。聞いていた、天気がいい日は出てこない、というジンクスは、はたして本当なんだろうか??今日は、駐車場に車を止めてまっすぐにヒレンジャクが出るというヤドリギがある場所へ行ってみた。

この日は、少し前から冬鳥のヒレンジャクがお出まししているという情報を聞いていたので、ぜひ見てみたいと思い出かけた。すでに数回行ってお出ましを待っていたけれど見ることができなかったのだ。いろいろな情報では、あまりいい天気の日には出てこないとか・・・いわれていたが、行かれる日は仕事の関係で決まってしまうし、でも幸いにといっていいのか、他人様がお休みの土曜、日曜はなかなか行けなく、行く日はほとんど平日だ。この日、来ている人に聞いてみれば、毎日が日曜日の年配のおじさんで、休日は駐車場が満車で鳥が現れる場所もすごい人だかりが出来るといっていた。だから平日が正解だよ、と・・・。
この頃は、昨日は一桁、今日は二桁といった気温の変化が続いていて、春と冬が入れ替わりながらの毎日だ。
家の周辺では赤白の梅の花が真っ盛りだ。いつもの年ならもうとっくに梅の花は終わって桜の季節だが、今年はやっぱり遅いようだ。でも、毎日行き来する道端の桜の木を見るとかなり膨らんできているものもあり、けっこう早く咲くかもしれない。桜の開花が遅くなるか早くなるかは、冬の寒さと春先の暖かさに左右されるようだ。

こんな中、ある「一日だけの春」の日に近くの公園へ行ってみた。
今のような日替わりで寒暖が繰り返していても、確実に気温は右肩上がりで高くなっている。公園の樹木や地面の雑草など見ていると、1週間行かないでいるとずいぶん緑が増えていることに驚くことがある。森の下草が徐々に緑色を濃くして来ているし、今、一番生長著しいのが柳の新芽だ。枯れた色をしていた枝先が少し黄色っぽくなって、黄色が黄緑色に変わり始め、細っそりしていた枝先が少し膨れてにぎやかになり始める。さらに2、3日して行って見ると、もうにぎやかを通り越してうるさいほどに萌えはじめ、新芽は緑色が濃い葉っぱへと生長している。

昨夜来の春の嵐、夕べは強雨、強風。今朝になって雨は上がっていい天気になってきたが強風は吹き続けている。
気温はぐんぐん上がって16℃を越えた。天気図を見ると発達した低気圧が日本海側から日本列島中部を東へ進んで行き、低気圧に向かって南からの暖かく湿った空気が吹き込んだために大荒れとなったようだ。

今朝見た富士山は、雨あがりの澄んだ空気にはっきりと真っ白な姿を見せてくれた。
一日だけの春

桜は、花の元になる花芽というのを夏につくり、秋になると休眠に入る。その花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚める、これを休眠打破という。そのあと花芽は、気温が高くなるにつれて生長し開花するのだが、冬が寒く春先が暖かいほど、花芽の成長が早くなって開花も早くなるようだ。ひょっとして今年は、冬がかなり寒かったから今の気温が平年くらいだとすると、早く咲く??かも。。
さっき、バス通りの桜並木を見たらチラホラ開花し始めていた。今日も気温が高いので明日あたりは結構花開くかもしれない。

そのとき聞いた情報では、前日に1羽が見られたというもの。その数日前には数羽来ていたと。じゃあ数的にはそんなに沢山来るわけではないと理解していた。その次に行ったときも、今日はダメだというおじさんの声を聞き、少し待ったがやっぱり見れなかった。

前に来たときは、ヒレンジャクのことは知らなく、公園を一回りしてこの場所へ着たら人だかりが出来ていて、何だ何だと行って見るとヒレンジャクのお出ましを待っているという。話しには聞いていたので、それじゃあ皆さんと一緒にと、お出ましを待って、約2時間。そのときは時間切れで退散した。
すると既に20〜30人の人たちが並んで、カメラ、デジスコ、ビデオの放列をヤドリギに向けている。ひょっとしてヒレンジャクが来ているのか?、おお、これは来ているな?、とちょっと小走りで放列の仲間入りをしに行って見ると、ヤドリギの実を食べているヒレンジャクが数羽いるじゃないですか! ワッやったぁ〜 ついにヒレンジャクに遇えた!そこには、図鑑やHPでしか見たことがない、実物の個体をはじめて見た。双眼鏡のピントを合わせて目に飛び込んできた姿の格好のいいこと、色合いがいいこと、もう本物を見れたことで嬉しくなった。
いろいろな鳥の配色はどうして?こんないい色をしているんだろうと感心するが、そのうちのひとつだ。

昨年は、今頃行ったけれど話題にもなっていなかったのは、飛来してこなかったからで、一昨年は来ていたそうだ。図鑑やHPでしか見たことがなかったので、ほんとにうれしい。

少し前まで藪の中を忙しなく動き回っていたウグイスがまだあまり上手ではないさえずりを始めた。♪♪ホゥ〜ホゥ〜 ホゥ〜ホケキョッ と囀りを繰り返し、春を奏でていた。オオタカも繁殖期なのか林の中でオス・メスの鳴き交わす声が、時々キィー、キィー、キッキッキッ ケッケ、ケーケー と大きな鳴き声で聞こえる。そうかと思えば、これも求愛行動なのか波状飛行、旋回・上昇・急降下の繰り返し飛行をして私たちの目を楽しませてくれる。

私は十分観賞させてもらったので、今日もこの公園を一回りするべく移動をはじめた。ヤドリギがあったところから小鳥が沢山いる藪になっている雑木林を歩いていくと、いつもの場所にジョウビタキの嬢ちゃんが、そろそろ緑色の新芽が出始めた枝に止まって囀っていた。今までは枯れ色の枝に茶色っぽい姿はあまり見栄えがしなかったが、緑色の新芽や葉っぱが出てきてコントラストがついてきて、綺麗になってきた。

HOME
back to Nature Info
2006 Mar.22 tama
inserted by FC2 system