今年の初鳥見はたくさんの鳥たちが見れた。でも、やっぱり冬鳥が少ないように思える。今まで先輩方が長年見られてきた、
1月の実績からするとやはり少ない。それとも私には見えないのかな??


いやいや、そうではなさそうだ。比較的静かな森を歩いてみると、いつになったら鳥たちがやってくるんだろうかと思う。
出会う鳥見の人たちも「少ないですね」なんていってたり「変ですね」なんてことが言い交わされている。
鳥たちは何か異変を感じているんだろうか?気候変動など、実際にこの冬は寒波で異常?に気温が低かったり(最近は暖冬傾向にあるからそう感じている)こんなことが影響しているのだろうか。
それとも、もっと他に起こりつつある何かの異常現象を察知して、どこかへ避難しているんだろうか。いずれにしても、こうした事態が起こっていることを我々は認識しておかなければいけない。

聞くところによれば、今回来ているツグミもいつもより数は少なく、10羽くらいの群れが着ているだけのようらしい。シメやアオジも少ないようだが、今日はこれらがみんな見れたのだから運がよかったのかもしれない。

帰ろうとして車で田んぼ中の砂利道をいくと、道をウロチョロしているものが見える。
よくみると、ちょっとオトボケ顔のかわいい鳥が飛びたとうともせず道路を右往左往している。タヒバリだろうか。

カラスに追われるオオタカ
こんな光景は、しばしば見られる。この日は田んぼ中の見通しがいいところでカシラダカを見ていたら上空が騒がしい。見上げればカラスが4羽オオタカを追い回してイジメている。ひょっとするとイジメではなく、ただ追いかけっこをしながら遊んでいるのかもしれない?
でも、なぜ?と思う。カラスなんかよりオオタカの方が恰好もいいし顔つきだって精悍な顔をして強そうなのにって思うが、実際の鳥たちの世界では、人間が感じている感性と違うのかもしれない。でも、人間の世界でも見掛け倒しってのがあるから、どこの世界でも見かけじゃないことは有っても当然かもしれない。
まあ、それにしても情けないし、第一恰好悪いよオオタカくん!! 
カラスのいじめっ子!! 逃げろオオタカ!!

この田んぼ地帯では、オオジュリンがよく見られるようなので、てっきりオオジュリンかと思っていたが、よく見るとオカシラ様じゃありませんか。
ここいら一帯に生い茂っている葦原は隠れんぼをするには、恰好の場所だ。だから見つけるのも一苦労だし忙しなくチョコチョコ動き回るのでまともな姿をなかなか見せてくれない。また、けっこうな数がいるけれど畑や田んぼの地面に降りていると土に同化してしまいなかなか見えない。
警戒心が強いのか表情はあまり豊かとはいえないような顔つきだ。 まあ、名前がオカシラ様だから仕方ないか!

オカシラ様の隠れんぼ。
実は、カシラダカ、ホオジロ、オオジュリンの見分けがよくつかなかった。
腰の羽根の違いがカシラダカはウロコ状、ホオジロは単一の茶色っぽい色。
また、冠羽があるのでカシラダカと思っていたが腹が茶系なのでホオジロだと解った。
オオジュリン は足が黒、上クチバシが丸みをおびていることがようやくわかった。

ついでに、この公園に隣接して広がる田んぼ地帯へ行ってみた。夏の時期にはオオヨシキリやセッカなどが鳴いていた葦が茂っている場所だ。ここには、カシラダカ、田耕し(たおこし) した田んぼではツグミが土の中からなにやら啄ばんでいた。

この森を歩いたが、池が干上がったり、氷ったりしているので水辺の鳥たちはどこかへ避難しているようだし、他の冬鳥たちもほとんど姿をみせない。見えたのはモズくらいだ。木の枝からしっかり獲物を狙っているような、でも見ようによっては小首をかしげて何やら考えているのかな?なんていうふうにも見える。どのモズを見てもこんな格好だからモズ特有のしぐさなのかもしれないが・・・。

次の森は、雑木林の中にいくつもの池というか水溜りがある。ここは河川敷なのだ。前の森は公園化してきれいに整備されているのに比べここは、遊歩道のように森を一周囲むように外周道があり、あとは適当に歩き回った踏み跡道がいく本もついている。
いつもはそれをグルッと一回りするが、今日は少し林の中を歩くことにした。しばらく進むと今までは水がたくさん溜まっていたところがすっかり干上がっていた。
森を一回りしてみると、多くの池は氷が張って水がなくなっていたし、いくつかの池は干上がっていた。
こんなでは良く見られるカワセミも餌の採りようがないし、カルガモも見られなかった。
ツグミがとまっていた木の隣のヒマラヤスギの太い幹には、変な格好をしてシジュウカラが何やらムチュウニなって木の皮を突っついていた。
シジュウカラは、ゴジュウカラと同じく木の幹を器用に上下したり逆さまに幹を下りたりして、なかなか面白い姿を見せてくれる。

ツグミの様子もゆっくり見れたし、シジュウカラのアクロバット姿も楽しんだので、隣の森へ移ることにした。

水が少し残っている辺りにカラスとコサギがいて、カラスがコサギをいじめていた。その少し離れたところではセグロセキレイが我関せずといった格好でヒョコヒョコ歩いていて、この光景がなかなかおかしかった。
いじめていたカラスがどこかへいくと今度はもう一羽ダイサギが降りてきた。このダイサギが水の中へ入るとサッと魚を銜えた。小さいほうがその魚を見て欲しいようなまなざしをみせていた。

今年も去年と同じ場所へやってきたツグミたち。地面を突っついては、背伸びをして辺りを見回す。そのしぐさが忙しないときは、きっとお腹がすいているときなのだろう。
あるときは、ずっとどこか遠いところへ思いを馳せているかのように見えることもある。渡ってきた彼の地を思い起こすように・・・
一頻り地面を突っついて、お腹がいっぱいになったのか近くの木の枝へ舞い上がりそこでじっくりと世の中を見回し始めた。
首をちぢめ羽をフワッと膨らませ正面を見ていたかと思えばキョロキョロ左右に首を回して辺りを見回す。
木の上にいるときは、地上にいるときのような緊張感はない。のんびりした様子がうかがえる。

森を少し進んで、木が切られた陽だまりの広場のようなところでは下草の実や地面を突っついているアオジの一団がいた。
しばらくの間、草薮であっちを向いたりこっちを見たりして遊んでいたが、やがて飛び上がり近くの木の枝に止まっておすまし顔、そしてこちらを向いてカメラ目線。う〜ん なかなかのポーズ おみごと!

この嬢ちゃんをじっと見ていると、いろいろな表情をしてくれて面白い。ボケッとしているかと思えば何かを見つめるような格好になったり羽をポワッと膨らませてみたりする。
地面に降り立つと、高いところにとまっている時とは違う。やはり見通しが悪くなるので警戒するのだろうか?ちょっと緊張した面持ちが動きに表れているようだ。しばらくの間いろいろな表情を見せてくれて木の枝へ移り林の中へ姿を消した。
この辺りの藪には何種類かの小鳥が遠目に見えていた。遠くを見つめていたり、獲物を狙っていたり、餌の木の実を食べていたり、いろいろな姿を見せてくれる。

さらに歩いていくと藪から何やら一羽飛び立った。じっと飛んでいった辺りを見ていたが何だか分からず、あきらめて歩き始めようと振り向けばそこにジョウビタキのお嬢ちゃんがクルッとした目をしているじゃないですか。可愛いい!!
いつもの道順で歩いていくと藪の中でうごめくシジュウカラの一団。

ここのところ毎年のように、「ここ数年暖冬ぎみの年が続いて」と、いっていたような気がするが、今冬は12月に入った途端に11月の暖かさは、何だったの?という猛烈な寒波が波状的に襲来していて、もう1月も半ばになるというのにまったく寒波の衰えをみせないブルブル列島だ。それに伴う雪も大変だ、日本各地で記録的な大雪が続いて、最大積雪量が毎日更新されている。

典型的な冬型の寒波だと富士山の雪は少ない。裾の方まで白くなったのはここ数日の間だ。それまでは8合目辺りまでしか白くなく、そろそろ気候の変わり目にきたようだ。
こんな寒い日々が続いているので、外出もなかなか億劫になるが、松もとれたので正月気分を一掃しようと近くの公園へ出かけてみた。
暮れに行ったときは、森の木々はかろうじて枯葉を残していたが、今はこの寒波による空っ風ですっかり裸になって、黒々した幹や枝が寒そうだ。
それでも日中の陽ざしの中では、ちょっと寒さを忘れさせてくれる。

さて、今年はじめての公園だがいつもの道順で最初の森を一回り歩き、車で少し移動して隣の森へ、さらに森に隣接して広がる田んぼ地帯を歩いた。あまり数多くの小鳥は見れなかったが、それでも何種類かの小鳥たちに出会えたので、その表情をお見せしたい。

駐車場で車を降りるとそこへサッと飛び降りてきたのはハクセキレイ。羽をにぎやかに
広げて着陸。ヒョコヒョコ歩きながらチィチィン チィチィン チュイリーと鳴いていた。

今年も、鳥見の初春から… 小鳥の表情

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2006 Jan,15 tama
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