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この小道の脇にはミヤマカタバミが小さな白い花をたくさん咲かせていた。普通のカタバミと比べると、葉っぱがほっそりしたハート形をしているのに対し丸みをおびたハート形で、花の咲き具合も、上を向いて咲くのに対し横向きに咲いていた。図鑑による葉の形の特徴からすると、コミヤマカタバミかもしれない。ちょっとあやしい。

一ヶ月ぶりに来て見ると、山にも春が訪れて山郷は、野鳥や植物がいっせいに勢いよく活動し始めたという感じがする。
ここでは、春から夏へのこの時期、多くの野鳥が見られる。コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラやアカゲラなどの留鳥が約10種類、キビタキ、ホトトギスなどの夏鳥が50種類にもなるようだ。ここに、たくさんの鳥たちが住めるのは、やはりハンノキ、ハルニレ、ブナなどが原生林に近い状態であるのと、シラカバ、ミズナラなどの二次林、さらにカラマツ、スギなどの植林といったいろいろな林があり、森林性の野鳥が生息できる、いい環境が整っているからだろう。

この高原は、1本の川に支流が何本も流れ、雪解けの豊富な水が湿原などの水辺をつくる。こうした水辺、厚い土壌が積もったところや豊富な森林など、いろいろな地形、環境によりたくさんの植物も生育している。

今回は、たくさんの野鳥を見ることができ、多くのさえずりを耳にして、これほど多くの小鳥たちがいることに感激です。植物も、今までも見てはいたのだろうが、改めてよく見て、名前を確認してみると自分にとって、新しい発見があり、これもまたうれしいことだ。これからは、こんなふうに少しづつ何か新しい発見をしてみようと思う。ここに書いていることは、相変わらず代わり映えしないことばかりですが・・・

今回は、クリンユキフデとサンカヨウを知ったことが新しい発見だった。

リンユキフデ、これも林床に生えていた。花は小さく茎の上部と葉腋に穂状の花をつけていた。
白い花を雪に、花穂を筆にたとえ、花穂が重なってつくので九輪という。葉はハート型で茎を取り巻くようにしてついている。

ヤマエンコグサ、この花は林床にラッパのような小さな紫色の花をたくさんつけていた。

エゾエンコグサと似ているが花の付け根の苞(ラッパ)の切れ込み具合がギザギザしていて、少し違うので区別できる。

ニリンソウは、この辺りの道端にたくさん生えていた。群生しているところも見られる。
1本の茎から2つの花がつくことからきているようだが、実際には、花が1個や3個のときもあるようだ。
この写真のように、一輪咲いてもう一輪は小さく、今咲いているのが終わった頃次の花が咲くようなこともあるようだ。

ショウジョウバカマは、森林植物園の入り口に見本として植えられていた。山地の少し多湿なところを好むらしい。名前は花を猩々(しょうじょう;猿の一種)の赤い顔,葉の重なり具合を袴にみたてたところからきているらしい。花は、葱坊主のように球状に開花したときが赤い顔・・・なので、花が開き、葉っぱも写った全体像でなければ・・・この写真からでは想像できない。

雪解け水に沿ってたくさんのミズバショウが咲き、それが終わりかけるころに、やはり水辺にリュウキンカが咲き始めた。この辺りの水辺だとどこでも、群生して鮮やかな黄色の花をたくさん咲かせている。
リュウキンカ(立金花)この花、花弁は無く、5 枚ある花弁のように見えるのは萼片だ。

小屋の周りでも群生しているベニバナイチヤクソウだ。
まだ、開花にはちょっと早くつぼみがたくさん顔を出していた。雪解け後の林床に群生する。名前は、乾燥したものを薬として利用したり、葉の汁は止血にも効くようで、薬として使われたことから一薬草となったのだろう。

森林植物園を出て、高原の道端に咲く花をあれこれ見て歩いた。よく見るとまだ、木立の中には残雪もあった。



ちょっと見た目カボチャの葉のようなみどり濃い葉っぱに白い花が咲いていた。サンカヨウだ。林の林床や林縁に咲く花で、秋になると青黒でほんのり甘い実がつくそうだ。漢字だと「山荷葉」と書き、荷は蓮のことで、山に生える蓮の葉という意味といわれている。

これで、森林植物園の約1/3くらいは回ったと思う。が今日はこの辺で他へ行くことにして、森林植物園を後にした。ここは、時間さえあれば1日中歩き回れば、動植物との面白い出会いがたくさんある。

高山植物園も今は花開いているものも少なく、葉っぱや茎だけでは名前が記してあってもあまり面白みがない。

この植物園の上空もぽっかり空いている。植物を見ている間にずっと鳴き続けているツツドリが近くへやってきたようだ。

さて、腰をあげてさらに奥へ進んで高山植物園へ行って見よう。ここは、庭園風になっていていろいろな花が植えられている。カタクリはちょうど見ごろではあったけれど早朝でまだ目覚め前、花びらを閉じたままだった。庭園になっている広場の木立の下にはシャクナゲがたくさん生えている。アズマシャクナゲがほとんどだと思うが・・・この場所は、標高1200mくらいで亜高山帯に近いので、低地の植物と高山に植生するものとが植えられている。

さらに進むと見本林の上部辺りのちょっと明るい台地に出る。森が少し切れてすぐ後ろに屏風のようにそびえる山容が開けた。見上げれば真っ青な空をわきあがって来る雲が少し隠していた。

一休み、腰をおろして息を凝らしていると、サワサワとわずかな風にゆれる葉音、小鳥のさえずりが聞こえる。ちいさなさえずりとは違う、ツツドリのポポ ポポ、カッコウの♪カッコウ〜 ♪カッコウ〜そしてトッキョキョカキョク トッキョキョカキョクと繰り返すホトトギス、ウグイスの鳴き声は別格に聞こえる。そんなところへアカハラとキビタキが飛んできて近くの枝に止まった。

見本林の森から右へ進み、こんどは左へ小道を登っていくと自然生態誘致施設へいく。これは、何だかよく判らない。どんな施設があるのか?特にこれといった施設は無いようだが?
この小道の両側に生える針葉樹林ではヒガラ、アオジ、キビタキ、コガラなどが囀りながら枝から枝へ飛び交ったり、太い幹の周りをグルリグルリ回りながら駆けずり回る忙しな姿が見られた。
自然生態誘致施設?といわれる辺りは、小さな水溜りがあり、水辺にアオジ、キビタキなどの姿が見えていた。山の中の水溜りは、やはり鳥たちにとってもいこいの場所になるのかたくさんの姿が見えた。

そこから左手へ山を登るように道を進む。この先には高山植物園がある。この辺りまで来ると平日の早朝ということもあって、本当に静かだ。鳥見に来ている人も、あまりこの辺にまでは来ないのだろう。この林でもコガラ、ヒガラ、ゴジュウカラなどが木の幹を駆けずり回っている姿がよく見られた。

池の反対側のいこいの森を少し登り気味に進むと見本林の森だ。
ここの林には、キツツキ類が突っついて掘った穴がいくつも見えた。そんな突っついて穴の開いている木を双眼鏡でのぞいていると、アカゲラがやってきた。
背中に特徴ある逆八の字の白斑をつけて、木の幹をグルリグルリ回りながら、嘴で幹をつついて虫をとっているようだ。

一羽を見ていたら、もう一羽飛んできて、やっぱりちょこちょこ幹をつつきながら忙しなく動きまわっていた。

みどりが池の左手を池に沿って歩いていくと、湿地に生えるハンノキ林になり歩道は木道に変わる。ハンノキ林の木道を渡りはじめて、林床のミズバショウの間を動くものを発見した。アカハラだ。ミズバショウの間をちょこちょこ歩きながら地面を突っつき小さな虫を咥えまたちょこちょこ。木道からずっと見ていても平気だ。

この林からはウグイスのさえずりが、ま近から聞こえてきた。しかし、いくら姿を探しても見つからない。実はこの遠地に入った途端、たくさんの小鳥の大合唱に迎えられていた。
ウグイスと同じで声はすれど姿なし、名前が分かるのは、鳴き方に特徴のあるカッコウ、ツツドリ、ホトトギスくらいだ。

ツツドリの、ポポ ポポ という独特な鳴き声は、森全体を包み込むような響きがある。ホトトギスは、あのキョッキョッ キョキョキョと鳴きながら飛び回っているようだった。

池のほとりに行くと、チョッピーチョ チチクイチリリ チョッピーチョ チチクイチリリと印象的なさえずりが聞こえてきた。さえずりに誘われて近づいて行っても一向にさえずりが止む気配はない。

素人バードウォッチャーに鳴き声だけで鳥の名前が分かるはずもなく、まず姿を探そうと肉眼と双眼鏡でさえずりの方を、一人の目よりはたくさんの目のほうが早く探せるだろうと同行の家族に探すよう指令。すると、娘がすぐに発見した。さっそく双眼鏡でのぞいてみると、
アオジがさえずっていた。

池の中に立つ木に止まって口を大きく開け上を向いて一生懸命くり返しくり返しさえずっていた。池の周りをぐるっと回ってもこのアオジが池の周囲にあるどれかの木に止まってはさえずっていた。
翌日の早朝に行った時もやっぱり最初と同じ木にいた。
「みどりが池」がアオジの住み家?のようだ? あそこに行けばアオジに会える事が分かった。 

今の季節、毎年この辺りを訪れるが、今回は森林植物園を歩いてみた。ここは、森林植物園というだけあってごく自然なかたちで野草や樹木が生育しており、動植物の観察に打って付けの場所だ。野鳥の宝庫でもある。

雪解けとともに咲き出すミズバショウは、水の流れに沿って生えている。ハンノキ林がしげるのも雪解け水や雨が降ると水がつく土地で、ここ「みどりが池」はそれらがあつまったところだ。

遠地に入るとすぐのところにこの「みどりが池」がある。ミズバショウは盛りの時期を過ぎたが、まだまだ見られた。この池には、今カイツブリ、カルガモの姿があった。

5月、山にもようやく春がやってきた・・・

里の新緑が日増しに濃くなっている中、山郷にもようやく芽吹きの季節がやってきた。5月も終わる頃・・・
カッコー カッコー、
    ホ〜ホケキョッ ホ〜ホケキョッ ケキョッ ケキョッ 

カッコウとウグイスの鳴き声に迎えられた、春まだ浅い高原。都会では、もう初夏の気配だが、高原では、いままさに春が真っ盛りだ。

ところが、よく見ると鮮やかな新緑色に交じって茶色や黄土色っぽい木々がちらほら見える。 「えっ、紅葉じゃないよね?」。
カエデやブナ、ヤマザクラやミズナラなどの木なんだろう。木の種類によって、芽吹きの初期に葉が赤や茶色っぽくなる木がある。それが、紅葉のような風景にうつるのだろう。

曇り空の下でも十分に色鮮やかな新緑の萌葱色が、ちょうどスポットライトのような陽の光にいっそう萌えはじめた。

Nature Information & Obsarvation 2005 May-Jun..
新緑の紅葉??
ミヤマカタバミ

カタクリ 

アズマシャクナゲ

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2005 Jun 5 tama

アオジ

アカハラ

アカゲラ

キビタキ

サンカヨウ

ベニバナイチヤクソウ

リュウキンカ

ニリンソウ

ショウジョウバカマ

ヤマエンコグサ

クリンユキフデ

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