〔シロバナタンポポ〕

Nature information & Observation 2004 Apr.

4枚の花びらに2本の長い雄しべ、オオイヌノフグリにとても似ているベロニカ・オックスフォードブルー。
どちらも、ゴマノハグサ科クワガタソウ属の植物だ。

よく見かけるタンポポは「西洋タンポポ」だ。日本のタンポポは萼片が反り返っていないので区別は容易にできる。
少し注意して観察すると私たちの回りにあるのはほとんどが西洋タンポポだということがわかる。

春の七草のうち3種が見られたが、実は春の七草でいうホトケノザはこの草のことではなく別のコオニタビラコ(子鬼田平子)という草のことだ。

森の中でも樹木の種類によって若葉の出方が少しずつ違う。
このケヤキの樹林は少し遅いようだ。まだほとんどの木々は黒々した幹が目立っている。枝先の方をよく見るとわずかに黄緑色に染まりかけているのが分かる程度だ。

森の中で地面をみれば、おなじみの花がたくさん咲いている。

この時期、淡い緑の中に色取りをそえているものにハナミズキがある。
赤と白のハナミズキがいっぱいに花をひらいている。この花びらに見えるのは総苞片でプロペラのようだ。花はその真ん中にある小さいのがそれだ。

若葉の季節、それはまた花開く季節でもある。みどりの林の間にところどころピンクやオレンジがみえる。つつじだ。
ヤマツツジやミツバツツジが咲いている。ミツバツツジはヤマツツジのように花が密集して咲かなくて清楚な感じがする。

森を通る小道は、まだまだ明るく陽射しをたくさん通している。
既にじゅうぶん強くなった陽射しだが・・・・

この若葉の勢いはすごいものがある。あと1ヶ月もすれば、いま出始めた若葉が出揃い、この森の小道をすっかり覆い、みどりのトンネルをつくる。

八重桜を残して桜の季節もおわり、森の樹木はいっせいに若葉を芽吹き始めた。
森全体があの若葉独特な白っぽい若緑色につつまれ、ところどころ山桜のピンクがアクセントになっているがこれも淡く、周りから見ると森が萌えている。

雑踏から晴海通りの反対側は築地本願寺。静かだ。インド様式の建物はちょっと異国情緒がする。
4月11日は4月8日のお釈迦様の誕生日を祝う”花まつり”が行われた。
銀座は、文化、ファッションいろいろな分野での発信地。老いも若きも集う場所。ただ通りをブラブラするだけでもなにかウキウキする。日本の伝統芸能の歌舞伎を演じている”歌舞伎座”。昔ながらの建物を残しながらの老舗デパートや時計店など古きものと新しいものが混在するバランス、そんなところだ。
にぎやかな晴海通りから脇へ通りを一歩入ると柳の通りの新芽があざやかに目に入ってくる。
そして、有楽町、日比谷。突き当たりはお堀に囲まれ緑の森がこんもりとした江戸城址。皇居だ。
都会のオアシスだ。中は自然がいっぱいありそうだ!

早朝から長靴姿のお兄さんたちが大声で叫びあいながら仕事をしている東京の台所口、築地市場。
屋台の食事処が軒をならべ、朝から活気がある。この屋台の軒先通路の雑踏の中で周りをながめながら食べる朝食は格別だ。

今くらいの時期は、早朝の散歩が爽快だ。川沿いの歩道を歩いても頬を撫でていく風が心地いい。
ベンチにすわって川の流れを見ていても寒さが苦にならない。水面にたつさざ波にも水ぬるむ という言葉どおり、そっと手を入れてみたいような気もする。冬の寒風から開放され、やわらかな空気が人の気持ちもやさしくつつんでくれる、そんな朝だ。

このあたりは、おもしろい。晴海ふ頭・海から始まり築地、その向うは銀座、有楽町そして皇居へと一直線に続く晴海通りだが、その人間模様、文化などをみると・・・

いま、森が萌えている。

勝鬨橋、以前は橋の真ん中部分の橋げたが左右に上がり大きな船の往来する風景も見られた時代もあった。
この晴海通り、橋を渡れば、早朝から活気あふれる築地市場がある。

春を迎えた都会で、それを感じるのは桜の開花や気温の上昇といったある程度限られた環境の変化を感じ取るといったことだろう。稀にちょっとした公園の木々をみているとどんどん緑が増していくのが見られるが・・・
それに比べ少し郊外の森では、いろいろな樹木が草花が次から次から新芽を出し花をさかせて、蝶や毛虫が、蜂などの昆虫類などの活動も活発になり始め、その気配は多様だ。

気候も春真っ盛り。ここ数日は春というより初夏の装いだ。少し動くと汗ばむことも・・・・・
この暖かさで都会でも家々の間にある樹木の緑が目立ち始めた。今までそんなところに樹木があったのかと思わせるように緑が濃くなっている。
そして春風に誘われて、我々も野山へでかけるのにはいい季節になってきた。

それにしても、最近、都会では高層ビル、高層住宅が増えている。私の職場も高層階で、その周辺にかなりの数の高層住宅がみられる。そこに居住している人たちは、私が見ている風景とほとんど同じものを見ているであろう。高いところから見る景色はいいけれど、目に入るのは建物が大半で色彩的にも単調である。
こういう場所に居住するのはどうなんだろう?厭きが来ないのだろうか?便利さとか、だけだろうか?
最新のビルもいいが、もう少し街全体の居住性、動植物環境、景観を考慮したものにしてほしいものだ。

春の風景・・・都会そして森の春

早朝の都心の川べりを歩いてみた。川岸の土手に生えている植物も新しい芽をだし小さな花をつけている。まだ枯れ草が多い中タンポポの黄色があざやかだ。ナズナ、ハコベなどが青々とした新しい葉をだしている。
また、都会でも、人家の脇のちょっとした空き地に紫色があざやかな花が沢山咲いている。ショカツサイ(諸葛菜)だ。
ハナダイコン、ダイコンバナなどとよんでいる花だ。【教材用野草写真集・身近な野草 home page解説によれば以下の通り[註:ハナダイコンと呼ばれることがありますがハナダイコンはハナダイコン (ヘスペリス)属のヘスペリスに命名されたものなので別種です。
 ムラサキハナナ属のショカツサイをハナダイコンとするのは不適当と言うことになります。] 】

例年より早く、一昨年とならぶほど早く3月18日に開花し、その後雪や冷え込みに耐えながらも半月近く私たちの目を楽しませてくれた、今年の桜の花もようやく散るときを知り、芽吹きの緑の季節へと移ろうとしている。
日の出時刻は日増しに早くなり、6月中旬の4時25分へ向かって早い夜明けが続く。
それとともに陽射しも強くなってきた。冬の間は陽射しが恋しくて、陽だまりを探して日向ぼっこが気持ちいい季節だったが、この頃の陽射しはすでに夏のそれを思わせる強さだ。
〔勝鬨橋の勝どき側から築地方面の側面 20040410〕
これから、ますます強くなる陽射しをこのみどりのトンネルが遮ってくれる。
さらに陽射しが強くなってくるとこれらの葉がいい日よけになってくれる。その葉と葉の間から射し込んでくる木漏れ日がいい。トンネルの中で一条、また一条と数条の光が射し込んでくるようになる。

〔萌える森に色取りをそえるツツジとお花畑〕

〔ベロニカ オックスフォードブルー
  ゴマノハグサ科クワガタソウ属〕 20040415

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〔東京の日の出 20040410 05:20〕

〔ショカツサイ:アブラナ科ムラサキハナナ属

〔隅田川を渡る勝どき橋とリバーサイドの高層ビル。以前は橋の真ん中部分の橋げたが左右に跳ね上がった。
この橋の特徴は「跳ね橋」で全長約250mのうち、真ん中部分の22mの橋げたが左右に跳ね上がり、下の隅田川を大型船も通行できる仕掛けがあった。 
 20040410 07:30〕

〔勝鬨橋の勝どき側たもとから築地方面の車の往来 20040410〕

〔もうじき緑のトンネルとなる 20040415〕

〔丘陵に広がる森、若葉に混ざって花も咲く   20040415〕

〔まだ黒々しているケヤキの樹林 20040415〕

〔赤・白のハナミズキ  20040415〕

〔紫ピンクのミツバツツジ ツツジ科ツツジ属 20040415〕

〔ナズナ:アブラナ科ナズナ属〕20040415
       (ペンペングサ)

〔ホトケノザ:シソ科オドリコソウ属〕20040415

〔ハコベ:ナデシコ科ハコベ属〕 20040415

〔タンポポ〕

〔キク科 タンポポ属〕  20040415

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2004/Apr.20 tama

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