そろそろ田んぼの稲も色付いて黄金色に染まってくる頃。
でも、今年の水稲の作況指数は、9月半ばの時点では、各地で100を下回る不作だそうだ。やっぱり7〜8月の冷夏が影響しているんだろう。

稲刈りの時期になると、刈り取った後乾燥するために、細めの丸太や竹を組んで稲を架けて干す「はぜ」(稲架)が田圃に作られる。
子どもの頃は、これがけっこう遊び道具になったものだ。稲が架かっていればその間へ入って隠れてみたり、稲が取り入れられた後、しばらく放置されてあれば、そこへ上って綱渡りの如く渡ってみたり、ぶらさがったりしたものだ。このごろは機械化され、稲刈り、脱穀が同時に行われるようになって、こんな風景も少なくなってきた。

やはり、稲刈りの始まった田圃と、稲架を見れば頭に浮かぶ季節は秋。思い出すのは、青い空をたくさんの赤トンボの群れ飛ぶ情景。
カリン [バラ科ボケ属]

中国原産の落葉小高木。高さ6〜10m程度。
葉は、長さ5cm程度の倒卵形。樹皮は鱗片状
にはがれる。
甲信、東北地方で多く植えられている。
春、4〜5月に可憐な桃色の花を枝先に1個づつつける。実は、9〜11月頃、10〜15cmの楕円
または倒卵形の大きな果実が黄色く熟し、強い芳香を放つ。果実は硬く生食できないが砂糖漬けや果実酒に用いられる。
まだ、食べるにはちょっと早いアケビの実
アケビ [アケビ科アケビ属]

山地に見られる落葉つる性木本。春に開花。葉は5小葉からなり、長さ6cmの狭長楕円形で全縁。春に淡紫色の花を開く。実は紫色を帯びた淡褐色で、心皮の縫合線に沿って縦に開く。和名は「開け実」に由来する。割れた内側は、種ばかりの果実で、灰色のやわらかい果肉が入っている。味は甘く美味しい。
食べ方は、種をいっぱい含んだ果肉を口に含んでモグモグ、種だけペッペッと吐き出す。

クリ [ブナ科クリ属]

山地に生える、高さ15〜20m程度の落葉高木。葉は互生(ごせい)し、長さ10cm程度の長楕円形。
花は、6〜7月に開花する。雌雄同株で雄花は淡黄白色の長い穂状になりよく目立つ。雌花は緑色で雄花の穂の基部にかたまって付く。秋になるとイガが4裂して中から1〜3個の堅果が出てくる。
これがクリの実だ。しぶ皮が種皮でそれを剥いて食べるのが種子だ。
果樹として改良され、多くの品種がある。

カキ [カキノキ科カキノキ属]

高さ5〜15mほどになる落葉高木。葉は長さ5〜17cmほどで、互生(ごせい)し裏面に褐色の毛がはえる。6月ごろに黄緑色の花を葉腋に咲かせる。雄花は集散花序に数個つき、雌花は大きなものが一つづつ咲く。果実は10〜11月に黄赤色に熟する。本州〜九州で栽培されている。
カキには、甘柿と渋柿があるが原産地の中国には甘柿がなく、日本に渡ってからできたようだ。現在の栽培品種のカキには、種が無くても甘くなる完全甘柿と、種が数個入ると甘くなる不完全甘柿があり、未熟なうちはいずれも渋い。
東北南部以北では、甘柿が完熟しても渋みはぬけないそうだ。

天高く馬肥ゆる秋・・・も、もうすぐ。秋の美味しいものが野にも里にもたくさんあった。
秋の空にもまして、どんどん色付いていく美味しいもの。みなさんもう少しですよ〜 

Nature Infomation & Obsarvation 2003 Sep.

9月の空
暑さ寒さも彼岸まで・・・
9月に入ってからは、真夏を思わせるような暑い日が2週間も続いた。
しかし、「暑さ寒さも彼岸まで」のことばのとおり、彼岸になったとたんに涼しさがやってきた。
朝夕のひんやりした空気が気持ちいい。 そして、北海道の山からは、初冠雪、日光からは初霜
初氷のたよりが続々と届いた。
空も澄んできて、青さが増してきた。これが天高く・・・ということなんだろう。
青空に美しい雲が出てきた。高空にでる巻積雲のようだが、うろこ雲が筋状になって出ている。それに、まだ夏の低い雲も浮いていて、ようやく夏から秋へ移っていくところなのだろう。
この夏は、火星の大接近が話題になった。なので火星のことをちょっと調べてみた。

火星は地球の約半分の大きさで、薄い大気と堅い大地を持っている、これは地球と似ている。
火星の1日の長さは約24時間40分で、軌道が地球の外側約1.5倍の距離であるので、1年の長さ687日、2年弱になる。
火星の軌道は、ややいびつな形のため、地球との距離も、約2年2ヶ月ごとに地球に近づいたり遠ざかったりしている。だから、中接近、小接近はこの周期でおきているようだ。

今回の大接近は、地球にもっとも近づき、約5600万kmの距離まで近ずく。反対に最も遠くへ離れるときはおおよそ4億kmもあって、大接近の周期は約15年おきにやってくるそうだ。
その、そうめったにはない、大接近が8月27日にあった。

また、火星は地球と同じように自転軸が軌道面に対して約25度(地球は23.5度)傾いているために、四季の変化があるそうで、その顕著な変化は、極冠(地球だと北極かな?)という部分で、ドライアイスと水の氷からできていると言われ、その大きさが四季に応じて変化するのが観察できるそうだ。

残念ながら火星大接近の日写真を写したのだが、暗いところにポツンと一点火星が写っているだけで、おもしろみがないけれど一応掲載してみた。
火星の大接近にまつわる話題は、たくさんある。地球から見て月と火星がすぐ近くに見える日。9月9日。
この日は、写真が撮影できたのでごらんください。

その後、9月11日は中秋の名月。さてさて、中秋の名月と並ぶ火星はいかに?ということでこれまた写真撮影となったのですが、あまり感動的ではなかったのだ! まあ、これも写真をごらんください。

月と火星が近くに見えたところ。
右下にぽつんと一点あるのが火星

 (9月9日)
9月11日の中秋の名月

大接近した火星
   (8月27日)

中秋の名月と火星。火星は右の方にポツンと (9月11日)
地方によっては、稲架を「はぜ」ではなく「はせ」「はざ」と読ぶ
ところもあるようだ。「はぜ」は方言だったのかも知れない。
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秋空にクリの木が立つ。そろそろ熟してイガが裂けクリの実が見えて来た

少し色付いてきたカキ。もう少し熟すと柿色が青空に映える。

カリンの木も天高く伸びていた

大きくなり始めたカリンの実。
もう少しすれば黄色く熟してくるだろう

はぜ(稲架)に架けられた刈り取った稲束

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2003 sep.28 tama

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