秋の風景には、”芋煮会”というものがある。
このあたりではあまり聞かないが、東北地方では恒例行事のように聞いている。
この時季になると、河原で五右衛門風呂のような大きな鍋にサトイモ、豚肉、または牛肉、こんにゃく、長ネギなどを入れてしょう油味、味噌仕立てで煮込む。私もアウトドアでは作ってみたことがあるが、簡単でうまい。
私が住んでいる所は、田舎なのでそのサトイモを作っている農家がまだまだ多い。
サトイモの葉っぱは、青白色で大きな楕円形。表はすべすべしていて水をはじいて水玉を作る。子どものころは、葉を切って傘のまねをしたり、七夕のときに、葉っぱに溜まった露を集め墨をすり短冊に書くと字がうまくなるといわれやったが、一向に字はうまくなっていない。
秋といったらやっぱり リンゴ。でも、ヒメリンゴだ。食べたら不味い。食べられたものではない。このリンゴは、庭木、鉢植えの鑑賞用だ。
道を歩いていたら、ある家のわきになっていた。小粒だが色は、いい色だ。普通の林檎に負けない、食べられそうないい色をしていた。
渋くて酸っぱくてとても口にできるものじゃないことは分かっていたが、やはり自然観察の基本、五感を生かした観察をしなければ・・・と 一口。やっぱり、不味かった。
まあ、みなさんは見るだけにしておいたほうがいいだろう!
秋が深まって、木々の葉が色づいてきた。赤や黄色に変わっていく葉っぱは、多彩で神秘的でもある。
この紅葉、黄葉は木々が冬に向かって身を守るために、葉っぱを落としていくプロセスのひとつだ。秋になり、最低気温が7〜8℃を下回ると、葉っぱと枝の間でやり取りしている水分、栄養の行き来がとまってしまう。その葉っぱに残った栄養分と太陽光が赤い色素をつくりだす。この紅い色、これが紅葉だ。
赤い色素を作らない木々では、葉っぱの緑の色素が破壊されて、本来からある黄色い色素が浮かび上がってきて黄葉となる。これが”こうよう”のメカニズムだ。
紅い色鮮やかな紅葉は、冷え込みの後、太陽の光が充分に当たってはじめて鮮やかになる。
山の南斜面など日当たりのいい場所は、鮮やかな紅葉が見られる。逆に、日当たりの悪い場所や今年みたいな雨の多い年は、赤い色素が十分できずに赤色がくすんだり、黄色っぽくなってくる。
やはり、天気や気温など自然の力が大きく左右していることを感じる。
秋の風景
10月初旬、既に色付いた高原
サクラの葉が色付き始めた
ミズキの紅葉と赤い実
山道も枯れ葉が積もりはじめた
高原のカラマツ林の中で紅葉がはじまった
落ち葉が積もり始めた。そして陽が
差し込むようになってきた。
サトイモ(里芋)〔サトイモ科サトイモ属〕
太陽が雲の中へ封じ込まれていく。
わずかな光のすじを残しながら
夏の間の強い陽射しにもかかわらず、薄暗くなっていた林が、林床に陽が届くようになり、林の中が日に日に明るくなって来ているように感じる。
ただ、外から見るとまだまだ落ち葉が進んで居ないように見えるのは、クヌギやコナラなど葉を付けた木が残っているからだ。
あひかし、これらの木々立ちも、かなり紅葉が進み茶色に変わってしまっているのもうかがえる。
ザクロ(石榴)〔ザクロ科ザクロ属〕
ヒメリンゴ(姫林檎)〔バラ科リンゴ属〕