[デイゴの花]

[デイゴの木]

竹富島の家々の屋根は、赤瓦を漆喰で固めることに住民憲章で決まっている。それらに使用する瓦は島内にある瓦置き場に集められているが、その瓦は他の島から持ってきたもので中古品ばかりだと。
時間がゆっくりゆっくり流れているような島だ。私が泊まった宿は、一晩のつもりで来たのにもう一週間も逗留しているという人が沢山いた。どうしてか聞いてみるとぼけ〜っとしていられる・・・・何も無いからいい、それだけでいい。それがいいのだと言う。
  
海辺に大きく出張ったテリハボクの木陰で海を眺めているだけでもいい。
海の色がエメラルドグリーン・・・・なんて表現できないほどに、いろいろ
きれいな色に変わり、ただ眺めているだけで楽しめる。 
どこからか三線の音色が聞こえてきたり・・・・そんな、贅沢な時間をすご
せるところだ。

デイゴ〔マメ科デイゴ属〕
 

熱帯亜熱帯の海岸に広く分布する落葉高木。日本では小笠原、沖縄に育成している。幹は1mを超すものもある。
樹皮は淡褐色で棘がある。花は4、5月に真っ赤な蝶形の花を密につける。
本島では、まだデイゴの花が見られなかったがここまで来ると真っ赤な花が沢山咲いていた。
カラスやメジロなどの鳥たち、がこの花を好んで食べていた。曇りの日には、オオコオモリが昼間からこの花を食べに来るそうだ。
[竹富島の白い砂の道とブーゲンビレア]
 [竹富島の家並み。花の赤、白い砂]
 [逆立ちしているシーサーと魚をくわえたシーサー]

  
竹富島
この島は、きれいで静かな島だ。珊瑚石灰岩の石垣、白い砂、そして赤瓦の屋根の家。この色合いが青い空にとてもマッチする。
何があるわけではないけれど、これだけあればもういい。石垣に囲まれた家が、同じように並んでいて同じところを何べんも歩いているような錯覚を起こす。でも、家々の上には、いろいろなシーサーが居る。沖縄各地で見てきたシーサーのほとんどが、厳ついシーサーだったが、竹富のシーサーはひょうきん物が多い。何か笑えてくる。

イカダカズラ(ブーゲンビレア) [オシロイバナ科イカダカズラ属]

イカダカズラ(ブーゲンビレア)[オシロイバナ科イカダカズラ属]
 
ブーゲンビレアという名で親しまれている。
熱帯アメリカ産のつる性低木。枝には刺がある。葉は小さな楕円形をし互生する。花は枝先に数個ずつ集まって咲く。
ピンク、オレンジ、紫などに色ずくのは3個のほうでその内部にラッパ形をした黄白色の小さな花が2〜3個保護されるように咲いている。
ブッソウゲ(ハイビスカス)[アオイ科フヨウ属] (仏桑花)
 
ハイビスカスの名で親しまれている花。
原産地はインド洋の島々、アフリカが起源ではないかとされる高さ2〜3mの常緑低木。
葉は、長さ5〜10cmで縁には粗い鋸歯があり表面は光沢がある。おしべは、筒状になっていて花から突き出ている。
花期は7〜10月だが、ここではいつも咲いている
西表島でマングローブ林を構成する植物はオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ハマザクロ、ヒルギモドキ、ヒルギダマシ、ニッパヤシの7種類が主だったものだ。
これらの植物は、塩泥地など特殊な環境で生育しているので根腐れを防ぐために、呼吸根が発達したり、タコの足のように支柱根を四方八方へ張って本体を支えたりして、普通の植物には見られないような環境に適した特異な形体をしている。
 
 
ヤエヤマヒルギ[ヒルギ科]
 ヤエヤマヒルギは、別名オオバヒルギともよばれ高さは10m以上にもな
 る常緑高木で河口、内湾など海水濃度が高い場所に多く生育する。大き
 く張り出す支柱根が特徴で、西表島のマングローブ林で最も多く見られ
 る。花は、白い小さな花をつける。
 
 
オヒルギ[ヒルギ科]
 オヒルギは、赤い花を咲かせることから、別名アカバナヒルギとも呼ば
 れる。ヤエヤマヒルギに次いで多く生育している。
 高さ10mを超す大木になる。生育場所は、海水濃度が低い川の内陸部に
 多い。完全な淡水域でも多く生育している。
 
 
メヒルギ[ヒルギ科]
 高さ3〜5mくらいの常緑小高木で、河口付近に多く見られる。
 他のヒルギに比べて葉の先がまるい。花は白い細長い花びらを数枚つけ
 た花が咲く。

イリオモテヤマネコ

イリオモテヤマネコは、世界中でも西表島のみに生息する珍しい猫だ。
原始的なネコ類の生き残りとされている。1965年発見され、1967年新種記載された。
成長するとオスで頭胴長が約50cm、尾長は25〜30cmでイエネコより一回り大きい。イエネコとの特徴の違いは、耳の先端が丸い、太くて長い尾。それに野生で生きていくために短足胴長ながっしりした体型になったようだ。

現在、生息数は、約100頭くらいだそうだが、絶滅も心配されており国内希少野生動植物に指定され保護が図られている。ヤマネコは活動は薄明薄暮の時間帯がもっとも活発らしく、昼間も活動し完全な夜行性ではないという。生息地も、比較的低地で生息していることも分かったようだ。

ヤマネコの食性は、鳥類、爬虫類、哺乳類、昆虫類、両性類、甲殻類、貝類、魚類、イネ科の植物と多種多様なものを食べている。中でも多いのは鳥類のようだ。こうしたことからヤマネコは、西表島の食物連鎖の頂点にいるのかもしれない。

 [ヤマネコとび出し注意の標識]
ヤマネコの交通事故防止には、生息地域の道路わきに”とび出し注意”の標識がかなりの数取り付けられている。
何とかして、この希少動物の絶滅を防ぎたいものだ。
今まさに西表島には、大型リゾートホテルが進出しようとして建設工事が始まっている。ここ連日、地元住民や自然保護の立場をとる人たちと建設側とのやり取りが報道されている。
西表島の動物 

西表島には、独特の動物がいろいろ生息している。
代表的なのは、やっぱり特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコだろう。

鳥類では、やはり特別天然記念物・特殊鳥類に指定されているカンムリワシがいる。このワシは、インド、中国、東南アジアに分布する小型のワシで、日本では西表島と石垣島だけで見られ、このあたりが北限だ。

また、国指定天然記念物の亀、セマルハコガメが生息する。西表島、石垣島以外では台湾に生息するという珍しい陸生のカメ。
甲は丸く高い、腹甲が蝶番のように折れ曲がり、首手足を引っ込めると完全に蓋ができてしまうそうだ。

これも国指定天然記念物で、体長40Cmにもなる日本最大のトカゲのキシノウエトカゲがいる。

ここで忘れることが出来ないひとつにハブがいる。八重山諸島には体長60〜120cmのサキシマハブが生息する。夜7時〜10時くらいが一番活発に活動するそうだ。奄美大島や本島にいるハブに比べ毒性は弱いといわれているがやはり危険なことに変わりは無い。
西表島では、毒ヘビを”マパブ”無毒のヘビを”パブ”と呼ぶそうだ。
[水牛車で行く由布島]
由布島は、西表島の美原集落から400m先の遠浅の海にある周囲2kmの小さな島だ。島全体が動植物園になっている。島へ渡るには水牛車にゆられてわたる。
今頃は、満潮が11時ころでこのときは牛車の床ぎりぎりまで海水が上がってくる。それでもさすが水牛、平気で牛車を引っ張る。
午後4時くらいになれば潮が引いて海底が現れ歩いても渡れる。
島は、現在観光島になっているが、かつては学校の分校があったりして人々が生活をしていた時期もあったそうだ


今回は、3日間の短い間に八重山地方の島々を訪れたが、私たち、ここで生活していない人間が、自分たちの住んでいるところで気づかずに過ごしていることに気づく。

人間がそんなに手をつけなくて済むことが沢山ある。そのままの姿で残しておきたいものが沢山ある。

   

本物に出会う機会はほとんどないそうだ。西表野生生物保護センターには、見かけたという情報は寄せられるが、生息を脅かす要因は、開発による生息場所の減少や交通事故など人為的なものが多くを占めているようだ。

西表島

西表島といえばイリオモテヤマネコが浮かんでくる。
西表島は、沖縄では本島に次ぐ大きな島である。ここが他の島と違うと感じたのは、山が沢山あること。平地は少なく島の90%以上は亜熱帯の原生林に覆われていることだ。山といっても標高400m級の山がいくつもあり、幾重にも複雑に地形を連ねている。
複雑な地形に亜熱帯気候で雨が多いことから川がよく発達していて、水の流れや複雑な地形が相して、これらの川には大小の滝が沢山ある。
沖縄で最大の浦内川上流には、有名なマリユドゥの滝とカンビレーの滝がある。また、沖縄県で最大落差のピナイサーラの滝もこの西表島にある。
これらの川の河口付近の川岸には、マングローブ林が発達している。中でも仲間川のマングローブ林は、日本で一番規模が大きい。
これらの自然は、植物、動物に、そして我々人間に大きな恵みを与えてくれている。
もうひとつここではめずらしい事があった。沖縄には、温泉が無かったがここ西表島には温泉があったのだ。近海には海底火山があり、近くを火山帯が走っているからなのだ。

西表島の植物
 
西表島は亜熱帯であり、原始の自然があるので植物も熱帯性の独特で貴重なものが多い。
マングローブ林、サキシマスオウノキ、ヤエヤマヤシ、サガリバナ、アダンやサキシマツツジなど。
サキシマスオウ

サキシマスオウは、マングローブ樹林の中や隣接した低湿地帯に生える木で、板根といわれる波板状の奇妙な根が四方八方に伸びる。昔は、この板ねを切り取って船の舵に利用したそうだ。
また、この板根に触れた人は、結婚が遅くなるといわれており、これは、サキシマスオウの呪いだと言い伝えられているそうだ
由布島
西表島、竹富島へは

那覇から石垣空港までは、JTAで約1時間弱で着く。
竹富島へは石垣の離島桟橋から高速船で15分、580円で行ける。

西表島の東部大原へは、同じく離島桟橋から高速船で35分1540円で行ける。また、西表島西部の上原(船浦)へは40分、2000円で行くことが出来る。
今回は、沖縄でも南の八重山諸島の石垣島、竹富島、そして西表島を訪れた。
八重山諸島は、西表島、石垣島、竹富島、小浜島、黒島などで構成されている。台湾まで200km、北回帰線まで100kmと沖縄本島より台湾の方が近い位置だ。
さすが南の島、日の入りがまったく遅い。午後6時でも太陽はかなり高い位置に
あるが、国内だから時差はないけれど、日本標準時より1時間は遅い感じだ。
夏至のころは夜の8時ころまで明るく、そのかわり朝は遅く、6時でも暗いそうだ。
小浜島は、テレビの連続ドラマ「ちゅらさん」の舞台になった島だとか。
それぞれの島が特徴ある島だ。

竹富島、西表島も竹富町だが、竹富町役場は竹富島には無く、石垣島(石垣市)にあるという。それは、竹富町のどこの島からも交通の便がいいからだそうだ。

琉球の言葉で、東西南北を読むとき、東は「あがり」、西は「いり」、南は「はい」 、北は「にし」というそうだ。
だから西表を「いりおもて」と読む。東と西は太陽が「上がって」「入る」ところからきている。

         〔八重山諸島の地図]
3月 南の国 うちなーU 八重山諸島
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Nature of the four seasons/四季の自然

2003. Mar

アダン[タコノキ科タコノキ属]
熱帯、亜熱帯の海岸に生える常緑樹。葉には縁辺に鋸歯状の棘があってさわると痛い。パイナップルに似た大きな果実をつけ、果実は食用にもなり、意外に甘みがあってけっこういけるという声もあるそうだが・・・・・はたして???。
 [イリオモテヤマネコのはく製]
[仲間川河口付近のマングローブ林]
サキシマツツジ[ツツジ科]
常緑の低木で1年中見ることが出来る。
枝は、灰褐色をおびていて小枝には剛毛がある。葉は、楕円形で先はわずかにとがっている。触るといくぶんざらつく。
花は、朱赤色で直径5cmくらい、小枝の先に1〜2個咲く。
[マングローブ林・ヒルギ]
 [由布島と後方は小浜島]
アサトヤユンタを歌いながら♪♪

三線の音にあわせてアサトヤユンタを歌いながら、
水牛車にゆられた。なんともいい風景だ。
そんな時が流れている。
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[カンビレーの滝] カンピレーは神の座という意味だそうだ
[マリゥドゥの滝]  マリゥドゥの滝は、落差16m、幅20m、3段に
          なって落ちる滝で、日本の滝100選にも数えられている

サキシマスオウ

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