このごろの天気予報を見ていると、しばらく見慣れた西高東低の冬型の気圧配置から、にぎやかな天気図になってきた。低気圧が日本海と太平洋沿岸に沿って日本列島をはさむような形で東へ進む、俗に言う二つ玉低気圧が発生する気圧配置が多くなってきた。春の訪れをつげる気圧配置である。
この形になると、太平洋側の平野部、都心などでも、かなりの雪が積もることがある。今年は、はずれ年??でやれやれである。
この時期になってくると、夕方の明るさに思わず時計を見ておどろく。ちょっと前までは、会社を出たとき暗かったのに、と 思わずうれしくなってしまう。
日一日と少しずつではあるが、日脚が伸びているのをあらためて実感する。

今月は、この付近で、間近な春を探してみた。
 





梅林公園


春といえば、梅の花。練馬区の春日町には、梅林公園というのがある。
ここには、数種類の梅の木が20本くらい植えられて、いまはおよそ半分くらいが花をつけている。
梅は、白花から濃赤色まで花色も多く、八重咲きや樹形も枝垂れたもの、枝がねじれて伸びるもの等、いろいろ楽しめる。それらには、”ぶんご””八重寒紅”などいろいろな名前がつけられている。
梅は、春先の観賞花木として、果実は梅干しや梅酒として使われるが、花の形を中心に観賞用に育てたものを花ウメ、果実中心のものを実ウメとよぶが、分類学上の差は無い。
梅の花に近ずくとほのかな甘い香りが漂ってくる。実のすっぱさとは程遠いいい香りだ。
花札には梅と鶯 ?が描かれているようだが、私のみたところ、梅とメジロが正解のようである。メジロは花の蜜も好み、現に梅林公園でもその光景が見られた。
〔バラ科サクラ属・ウメ〕

梅林公園には、梅ばかりでなくいろいろな草木も植栽されている。そんな中で、花をつけているものが目についたので紹介する。


























ミツマタ 〔ジンチョウゲ科ミツマタ属〕

コウゾとともに樹皮に強い繊維があるため製紙原料として栽培されたこともあったが、最近は公園などに植栽されている。
花は、枝先に球形の頭状花序をつけ、筒状の小さな黄色い花をいくつも咲かせる。
写真は、咲き始めなので、まだ頭状花序には見えない。全部咲くと球形になる。
ミツマタの名前は、枝が3本に分枝することに由来する。
花が咲いていないものは、これが花かと疑いたくなるような、実か種かと思わせる形状である。


ロウバイ 〔ロウバイ科ロウバイ属〕

梅の時期より少し早く、小枝の節に、数個の透明感のある黄色の花を咲かせる。写真の花は少し色あせていた。強い芳香があり離れたところでも香る。花は、蝋細工のようで、内側の花被片がやや短く褐色になるのが特徴である。


光が丘公園

練馬区の光が丘公園は、今の時期咲いている花は皆無である。そんななか動植物保護用に、柵で囲われて草木が生えっぱなし、枯れっぱなしになっているところが何箇所かある。
そんなところをよく見ると、細々と春を待っている草花がある。ムラサキツユクサがちっちゃな花を咲かせていたり、枯れ葉の間からヨモギが生え出ていた。
また、ススキの枯れ枝にまぎれてボケの花が、ひっそりと咲いていた。庭先に植栽されたボケならにぎやかに咲くが、野生のものは人目を避けるかのように咲いている。


クサボケ〔バラ科ボケ属〕

春先、地ぎわにかたまって花が咲く。
地上へ出た小枝の葉腋に3〜5花を束生。
刺のある灰褐色の枝。ただバラのように沢山の刺
は無い。間抜けなほどポツリポツリしかない。
こんなこともボケの所以だろうか??


ヨモギ〔キク科ヨモギ属〕

どこにでも見られる多年草。春の若葉を使って草餅を作るところからモチグサとも呼ばれる。お灸にも使われるが、もぐさ は葉っぱの裏面に密生した綿毛を集めたものである。
あっつうっつ〜!?




 
2002年2月 春もよう

2002 Feb. tama

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Nature of the four seasons/四季の自然

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