《白馬岳に現れる代掻き馬。白馬山頂に駆け上がるように見える》
雪形は、いろいろなものをイメージさせる。人が何かの動作をしている形であったり、動物の形に見えたりする。
白馬岳の「代掻き馬」や五竜岳の「武田菱」爺ヶ岳の「種まき爺さん」などなど・・・
雪形は、残雪と山肌がつくりだす自然のいたずらだった。
やがて、長い冬が終わり、里ではすっかり雪もなくなり、萌えるような新緑の若葉が芽吹き始まるころ、山にもようやく雪解けの時がやってくる。
このころ、山肌は、冬のはじめのころと同じように、白黒の斑模様ができはじめ、やがてくっきりと何かの姿を現す自然の造形「雪形」が出来る。
雪形は、春をつげる使者として山麓の人々に親しまれ、暮らしと深く結びついている。
毎年、同じ時期に姿を現すことから、農事暦の指針となってこの時期から新しい春の農作業が始まるのだ。
子どものころ、家から西の方にいつでも見える高い山脈があった。
冬が近づいて来ると、その山々は日増しに白くなっていった。
最初は、黒い部分が 多く斑模様で白黒していたけれど、里にも雪が舞い始める頃になると、白一色になり、日のあたり具合で山肌に凹凸の影ができるようになる。
遠い日の思い出
Nature of the four seasons/四季の自然
【鹿島槍ヶ岳 五竜岳 唐松岳 八方尾根 不帰瞼 天狗の頭 鑓ヶ岳 杓子岳 白馬岳】